第3話

同じクラスの文月菜々は

この高校で一番目立っている


休み時間には廊下に

男子生徒が群がり

廊下を歩けば

遠くから上級生が名前を叫び手を振る


その全てに屈託の無い笑顔を返す

文月菜々は完璧な美少女だ


いつも隣に居る葉月夜子は

文月菜々を

まるで子供を見守るように

隣で微笑んでいる


飛び抜けた美人では無いけれど

整った顔立ちでクールな印象だ

大人っぽくて色気がある

男子の中では密かに人気があるようだ


ざわめく教室の中

笑顔でじゃれあうクラスメイト


ため息をついた僕は

黒縁のメガネを外し

机に突っ伏して目を閉じた

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