【統合版】スライム花畑で

しばらく歩いた頃だった。

今まで、見ることはなかった花々が咲き誇る花畑へと辿り着いた。

色とりどりの花々にちょっと感動を覚える。

ただ、そこへと辿り着くとポニョンポニョンと言う音が所彼処ところかしこに聞こえてくる。

どうやらここからが、マナスライムのテリトリーらしい。

僕は、一層気を引き締めることにした。

視界に入っている花々は、それぞれに何かしらのアイテムらしい。

僕は、マナスライムの気配を辿りながら花を採取することにした。

えっと、花ってどうやって採取する物だろうか。

茎折り?花だけ?根っこから?

ああ、薬草とかって根っこも使う物もあるのか。

じゃあ、根っこから取ってみようかな。

僕は、短剣で土を掘り返す。


ガリガリ

ガリガリ


結構根深いようだ。

なかなか、全容が見えない。

黄色い花が付いた薬草。


『アンブロシア

万能薬の素材』


情報はこれしかない。

目の前にあるのは、パンジーのような黄色い花である。

ただ、周りにある色の違う花もまた『アンブロシア』となっている。

紫陽花のように土壌で色が違うのかな?

でも、同じところに咲いていて違うのはよくわからない。

そうしていると、近くでポニョンと音が聞こえた。

僕は、短剣を構え直す。

黄色いマナスライムがいた。

だが、以前見たマナスライムよりも大きい。

以前がソフトボールくらいだったのに、今はバスケットボールくらいの大きさがある。

黄色は、土と岩のマナスライムと戦ったことがあったはずだ。

だが、いま目の前にいるのは土の形状でも、岩の形状でもない。

ただ、黄色いだけ。

でも、イエロースライムと違いもっと色が濃い気がする。

それにしても、マナスライムの色がアンブロシアに似ていて同化しているからどうも視覚的に見つけ辛い。

僕が、マナスライムの様子を眺めていると小さな魔法陣のような物が展開した。

次の瞬間。

魔法陣から無数の石礫が発生する。

石礫は僕目指して飛んで来る。

僕は、短剣で弾いたり切ったりしながら耐える。

一部、細かな石が僕に当たり痛みを覚えた。

やがて、石礫のシャワーが収まる。

僕は、その隙にマナスライムへと接敵して短剣を突き刺した。

くっ、硬い。

一度でダメなら何度でも突く。

僕は、何度もマナスライムに短剣を突き刺した。

5度目の突きが突き刺さった時。


パンッ


乾いた音がなり、マナスライムが破裂した。

はぁ、疲れた。


黄色いマナスライム…呼称するなら石礫…ロックバレットを使う事から、地属性系統のマナスライムだろう。

まず、属性がどれほどあるかは分からない。

普通に考えて、マナというくらいだからエレメントである4属性は確実だろう。

火・風・水・地を基礎として、今まで戦ったマナスライムは11体。

光と闇、それに無があることは分かっているし、雷と氷がいた。

雷は風に分類されることもある。

氷も水に分類されることもあるよな。

僕の記憶はおかしい。

こうした、RPGの知識は持ち合わせているのに自身の記憶に関しては一切思い出せない。

取り敢えず、火・風・水・地・光・闇・無・雷・氷の9つはいるということだろうか。

寧ろ、風の上位に雷や水の上位に氷と考えたら火や土、光、闇にも上位や下位が存在するかもしれない。

RPGでお馴染みの空間とか時間とかの属性があるとしたら…いやそんなスライムに僕は勝てる気がしない。

影を操るマナスライムがいたからあれは闇属性のマナスライムの系統かもしれないな。

僕は、思案しながら掘り掛けのアンブロシアの元に戻…ろうとした時。

足元に何かが落ちているのに気付いた。

滑らかな黒革で出来た手袋…手首に留め金が付いている。

僕は、凝視し鑑定をする。


『???の手袋

耐熱・耐寒・耐電・耐毒』


あ、また『???』だ。

僕の鑑定のレベル…鑑定眼鏡のレベルが低くて見れないのかな。

耐熱・耐寒ということは、火と氷のマナスライムに直接短剣で攻撃できるってことだよな。

でも、手だけしかガードされないから気を付けないとな。

僕は、手袋を拾い手に嵌めてみる。

着けていないような気さえするほど手に馴染む。

でも、こうしていると不思議な格好だよな。

Tシャツにジーンズで、黒革の手袋って。

指先が空いていたら中二病案件だわ。

僕は、腰を下ろしアンブロシアを採取する。


アンブロシアを採取終えた僕は、ストレージカードへと収納する。

さあ、他のアンブロシアも採取していこう。

きっといつか何かに使うだろう…。

ラストエリクサーにならなきゃいいけど。

まあ、そうなってもいいけど。

あれ?ストレージカードって限度あるのかな?


ガリッガリッ

ガリッガリッ


短剣でアンブロシアの根っこをほじくる。

2度目だから結構早く採取完了で来た。


ポニョン

ポニョン


マナスライムの足音?が近づいてきた。

僕は、腰を上げる。

マナスライムの姿を発見する。

やっぱり大きい。

花畑にいるのは、もしかするとこれくらいが普通なのかもしれない。

色は、さっきと同じ黄色…あ、忘れてた。

一応、地属性だからアースマナスライムとでも呼んでおこう。

そう考えていると、僕の足元が地面に埋まる。


「え!?」


僕は、そっと視線を自身の足元に向ける。

僕の足は、膝辺りまで地面に埋まっていた。

泥濘…今まではなかったはずなのに。

そうか、アースマナスライムの魔法か。

僕は、上半身の力だけで短剣を投げつける。

短剣は、もの凄い速度がアースマナスライムに突き刺さる。


パンッ


アースマナスライムは、乾いた音を立てて破裂した。

足が沈むことは無くなった。

だが、僕の身体は腰までずっぽり埋まってしまっている。

これって、どうやって抜け出たらいいのだろう。


あれから数時間。

乾き始めた泥濘のおかげで時間を掛けてだが抜け出すことが出来た。が、抜け出す間にも何度もマナスライムが現れた。

泥濘を作り出したマナスライムがまだ近場だったお陰で短剣をすぐ回収でき、難なく…いや、難はあるか。

だって、埋まってるんだから。

花畑で8体ほどマナスライムを倒した頃に抜け出したのだった。

短剣の柄には、ジーパンとTシャツを繋いでロープ上にして這い出ることになった。

お陰で、今は泥まみれでパンツしか履いていない。

1人でしかいないインスタンスダンジョンだからいいが、こんな姿でダンジョンの外に出たら警備隊の御用になるだろう。

出来れば、服が欲しい。

僕は、一先ず泥を流すことにした。

ストレージカードから水袋を取り出すと頭から水を被り洗い流す。


「はぁ、シャワー浴びたい」


僕は、吐露した。

寧ろ、お風呂にすら入りたい。

辺りのアンブロシアは、泥まみれになり採取は難しそうだった。

残念だが、黄色のアンブロシアはここまでにした方がいいだろう。

僕は、次の色へと歩んでいく。

次にあったのは、赤いアンブロシアだった。

赤ということは、火属性のマナスライムが出るかもしれないな。

パンツ一丁で黒皮手袋をした変態スタイルで火に炙られたら…想像しただけで震えそうだ。

うん、せめてズボンは欲しい…靴もさっきので水没したから靴も欲しいけど。

そうして、赤いアンブロシアの花畑に向かっていると。


ポニョン

ポニョン


マナスライムの足音?が聞こえてきた。

それと共に、チリチリと小さな音も聞こえる。

辺りを見渡す。

周囲は、陽炎が出ていた。

どう考えも熱いだろうな。

それに、この格好のままでは接近するのは危険だろう。

僕は、花畑から覗くマナスライムを見つけ…勢いよくマナスライムへと短剣を投げつけた。


パンッ


乾いた音が鳴り、マナスライムが破裂するとその一部の陽炎が無くなった。

赤いマナスライム…灼熱ヒートマナスライムとでもしておこうかな。

僕は、短剣を拾いに向かった。

短剣の傍には、深緑色のカーゴパンツが落ちていた。

やった、ズボンゲット。


『???のズボン

???の???で編みこまれたズボン

耐熱、耐寒、耐刃効果がある速乾、通気性に富んだジーンズ』


なんか、ドロップするアイテムが自重しないんだけど。

まあ、いいや。

こんな変態スタイルとはおさらばしよう。

僕は、ジーンズを履くことにした。

履いてみて思ったのは、めちゃめちゃ履き心地がいい。

接触冷感でもあるのかと思うくらいに、肌に馴染む。

これは、いいズボンだ。

目の前に動かないヒートマナスライムを見つけた。

僕は、短剣を投げつける。


パンッ


ヒートマナスライムが、目の前で破裂した。

それと共に、アイテムがドロップする。


「あれ?また?」


僕は、首を傾げる。

今までスライムを倒してもアイテムをドロップしなかったのにマナスライムを倒すと高確率で何かをドロップしている。

実は、ストレージカードの中にもいくつかの道具が入っている。


『水袋【∞】

下級ポーション×5

下級マナポーション×5

アンブロシア(黄)×2

アンブロシア(赤)×2』


といっても、ポーション類なのだが。

多分使う事はなさそうだ。

まあ、何かあったら使おう。

油断大敵だ。

僕は、短剣を拾い上げドロップしたアイテムに視線を移す。

そこには、黒に近いグレーのシャツが落ちていた。

斜め掛けのボタンがある丈の短いシャツだ。

どちらかというとケープみたいな感じかな。

インナーが欲しい。

取り敢えず、着ておこう。

流石にいつまでも上半身裸とは行かないからな。

それにしても、いつの間にか筋肉がついているな。

ステータスの向上の所為かな。


『???のシャツ

???の???で編みこまれたシャツ

耐熱、耐寒、耐刃効果がある速乾、通気性に富んだシャツ』


シャツを着てみると丈は、6分丈だった。

肘から前腕よりの6分丈である。

風が吹くと腹筋がちらちらと見えてしまう。

でも、寒いとは思えない。

たぶん、耐熱・耐寒の効果なのではないだろうか。

あとは、靴が欲しいな。

素足だとアンブロシアの産毛がチクチクして痛いから。


ポニョン

ポニョン


また、マナスライムの足音が聞こえる。

足音の方向を見ると、陽炎が立ち上っている。

僕は、じりじりと近づきつつ姿が見えてから短剣を投げつけた。


パンッ


マナスライムが、乾いた音を立てて破裂した。

今まで、短剣を外したことがないな。

これは、器用さのステータス効果なのかもしれないな。

短剣を回収する。

短剣の傍には、黒革のブーツがドロップしていた。

滑らかな黒革。

どこか、爬虫類のような肌目を感じる。


『???のブーツ

???の???を鞣したブーツ

耐熱、耐寒、耐刃効果がある防臭、防水、防滑に富んだブーツ』


また、凄い機能付きだ。

でも、靴下なしでこれを履くのか。

取り敢えず、履いておかないと足裏怪我しそうだしな。

僕は、ブーツを履くことにした。

ブーツに足を入れると何かが足に巻き付いてくるような感覚があった。

極々薄い膜のような物だ。

あたかも見えない靴下を履いたような感じだ。

ブーツを履いてみた所、違和感もなくちょうどいいサイズだった。


「これで、しっかり踏み込める」


僕は、やっとまともに動けることに安堵した。

3体のヒートスライムの姿を見つけ、僕は近づくと急いで短剣を突き刺していく。

もう、熱さを感じない。

防具のお陰のようだ。


パンッ

パンッ

パンッ


テンポのいい音を立ててヒートマナスライムが破裂した。

それと共に、ドサッと重みのある音がした。

今度のドロップ品は少し重い物のようだ。

さて、今度は何かなぁ。

短剣の横には、ボウガンのような物と矢筒が落ちていた。


『???のクロスボウ

命中補正、射程強化、弱点特攻が備わった???のこだわりの1品』

『???の矢筒

素材を入れることで使用可能な矢を自動生成し、減ることの無い矢が生成される???のこだわりの1品』


なんか、チートアイテムだ。

でも、助かる。

僕は、近距離が得意だけど遠距離武器は苦手なんだ。

てか、弓矢って使えるかな。

あ、でもボウガンだから簡単か。

照準が合うかはまた別だけど。

あれ?よく見ると短剣が2本になってる。

重なっていたから気づかなかったけど。


『???の角

???の角から生成され、鍛えられた短剣

靭性強化、硬度強化、斬撃強化、不滅』


こっちの短剣は、切るための短剣だな。

じゃあ、角を右手で、牙が左手だな。

牙は、壊れない不滅と曲がらない不屈があるから左手がベストだ。

僕の元々の戦い方ならこれがちょうどいい。

あー、でも角はもっと長い方がいいな。

出来れば、ショートソードくらいがいいかな。

取り敢えず、短剣2振りはストレージカードに入れる。

スライムなら、クロスボウの方がいいだろう。

矢筒を肩に背負う。

うーん、ベルトに吊るしたいな。

てか、この???って邪神のことなんだろうな。

僕に何をさせたいのかな。


僕は、クロスボウを使ってみることにした。

マナスライムを2体発見したので狙いを定め放つ。


シュン

パンッ

シュン

パンッ


クロスボウから風を切るように、矢が放たれる。

それは、マナスライムに突き刺さり破裂させる。

殲滅力が上がった。

クロスボウの矢は、どんなに下手くそな僕でも命中する。

寧ろ、矢がホーミングする。

ギューンと曲がるほどだ。

やば、ちょっと楽しくなってきた。

クロスボウの矢は、マナスライムが破裂するとスーッと消えてなくなっていた。

倒したヒートマナスライムの痕には、久し振りに見た変化の魔石が落ちていた。

それも2つ。


『変化の魔石

道具を一度だけ別の形状に変化させることが出来る』


うん、これは邪神が僕に必要な物を揃えようとしてるんじゃないかな。

取り敢えず、角のサイズを片刃で70cmの刃渡りに魔石を使って変更する。

見た目的には、脇差ってとこかな。

後は、矢筒かな。

ポーチか、何かに変えようかな。

矢筒の状態だと動きが阻害されるからなぁ。

あ、ベルトで小さなポーチ…ポケットが付いてるような物がいいかもしれない。

ベルトがあれば、剣帯とか吊るせるよな。

てか、鞘がないな。

僕は、矢筒をベルト…ウェストポーチ?に変化させるために魔石を使った。

ベルトをベルト挿しに通す。

ベルトには、右にはシザーポーチがあり、左には革で鞘を作り出した。

腰側には、牙を収納できるように鞘を作った。

鞘を、ベルト一体型にした。

僕は、牙と角をそこに納める。

よし、だいぶ戦いやすくなるな。

後は、動く度にチラチラ見えるシャツをどうにかしたいものだな。

次に、変化の魔石を見つけたらシャツをインナーに変えようかな。


多分、ヒートマナスライムは後3体くらいかな。

アースマナスライムが10体しかいなかったから。

きっと同数なのだろう。

クロスボウの矢は、自動装填される。

トリガーを引きさえすれば、発射される。

だから、連射も可能だったりする。

取り敢えず、アンブロシアの採取の為にスコップが欲しいな。

出来るなら生活雑貨とか欲しい。

今は、食欲も睡眠欲もないけれどきっとここから出たら必要になると思うんだ。

たぶん…。

インスタンスダンジョンを攻略した後はどこにいくんだろうか。

元の世界…は、たぶん無理だろうな。

邪神は、僕をこの世界に留めたいんだろう。

その為の装備なんだろうな。

僕が考え事をしていると、複数の足音が近付いてきた。


ポニョン

ポニョン


小さな音もあるが、きっと3体ともが向かってきている気がする。

僕は、クロスボウを構える。

陽炎が立ち上るのを見て、僕はトリガーを引く。


パシュ


トリガーを引くと、矢が真っ直ぐ飛んでいく。


ヒューン


矢は、風を切っていく。

やがて、矢が見えなくなる。


パンッ


その音は、マナスライムが破裂する音だ。

まずは、1体。

すぐに、クロスボウを構える。

陽炎は、連なっているようだ。


パシュ


僕は、トリガーを引く。

矢は、真っ直ぐと飛んでいく。


ヒューン


風を切り、矢はグングンと進んでいく。

やがて、矢が見えなくなる。


パンッ


乾いた音がして、マナスライムが破裂した…はずだ。

僕は、最後の1体へ向けてクロスボウを構える。

うーん、かなり遠くに陽炎が立ち上っている。

僕は、ゆっくり近づくことにした。

コツンっと何かがブーツに当たる。

きっと、ドロップアイテムだろうな。

それよりも、まずはヒートマナスライムを倒そう。

暫くすると、真っ赤なボディが見えた。


パシュ


僕は、トリガーを引く。


ヒューン


風を切り加速していく矢。

しかし、矢はヒートマナスライムから遠ざかっていく。

陽炎による幻に撃ち込んだようだ。

矢は、グーンと向きを変える。


パンッ


乾いた音がしてマナスライムが破裂した。

自動追尾が発動したようだ。

これで、ヒートマナスライムは終わりかな。


『マナスライム【30/100】』


あと、70匹か。

まだまだだな。

頑張ろう。

僕は、ドロップアイテムを回収することにした。

やっぱり、マナスライムは高確率でアイテムをドロップするようだ。

アイテムは、全部で3つ。

テントに、スコップ、コンロ…うん、確かに僕言ったけど。

えっと、オーダー制だったの?


『???のテント

異世界の知識で???が作り出したワンポールテント』

『???のスコップ

???の???を使用した園芸用の細身のスコップ

効率化・倍加の効果がある』

『???のコンロ

異世界の知識で???が作り出した魔導コンロ

火力調整が可能で使用回数上限がない』


うん、邪神さまなにしてんの?

異世界の知識って、僕の世界のだよね。

僕は、取り敢えずテントとコンロをストレージカードに収納した。

スコップは、今から使おう。

僕は、腰を下ろす。

そして、地面にスコップを突き刺す。


ザクッ


スッと地面に入り込むスコップ。

力を何も入れなくてもザクザク掘れる。

これは、かなり楽だな。

物の数秒でアンブロシア1株を採取出来た。

これならいくらでも採取が出来るな。

よし、頑張って採取しよう。



かなりの時間が経った気がする。

気が付くと、赤いアンブロシアの花畑は凸凹になり、花は刈り尽くされている。

黄色のアンブロシアの花畑も見る影もない。


『アンブロシア(赤)【99】』

『アンブロシア(黄)【99】』


ストレージカードには、そう記されている。

泥濘になっていた場所はすっかり乾いていた。

泥ハネしたアンブロシアもすっかり綺麗になっていた。

やりすぎた気はするけど後悔はしない。

腰が辛くはあるけどね。


それからは、もう作業になった。

アンブロシアを採取して、クロスボウでマナスライムを倒す。

ただそれだけの事。

アースマナスライム【10/10】

ヒートマナスライム【10/10】

ブリザードマナスライム【10/10】

ストームマナスライム【10/10】

サンダーマナスライム【10/10】

ダークネスマナスライム【10/10】

ホーリーマナスライム【10/10】

ブランクマナスライム【10/10】

マナスライム【80/100】


おかしいな。

花畑は、もう更地になったんだけど20体くらい足りないんだけど。

アンブロシア(黄)【99】

アンブロシア(赤)【99】

アンブロシア(青)【99】

アンブロシア(緑)【99】

アンブロシア(紫)【99】

アンブロシア(黒)【99】

アンブロシア(白)【99】

アンブロシア(クリスタル)【99】

アンブロシアの無属性の物は、クリスタルと言うよりも水晶のような物だった。

摘む時に、神経を使った。

装備もだいぶ更新された。


宮前 聖


レベル1【封印】

HP 1010

MP 810

攻撃 101+2(1)

防御 101+4

器用 101

敏捷 101

魔力 81

幸運 101


武器(左)???の牙 攻撃+1

武器(右) ???の角(脇差)

武器 ???のクロスボウ 攻撃+1


防具 ???のシャツ 防御+1

防具 ???のズボン 防御+1

防具 ???のアームブレイサー防御+1

防具 ???の外套 防御+1

防具 ???のブレストアーマー 防御+1

防具 ???のウェストバッグ 防御+1

防具 ???のブーツ 防御+1

防具 ???の手袋 防御+1

防具 ???のウェストポーチ(ベルト)防御+1

装飾 鑑定眼鏡(?)

称号 異世界人、邪神に呪われし者


ガチガチの装備になった。

見た目は、黒が多めですっかりアサシンになっている。

革手袋の上に、籠手状の黒いアームブレイサーを着けている。

手首の可動域が、多めになっている。

変化の魔石で、ケープ状だったシャツを黒いインナー状のシャツに変えその上から胸を覆う黒いブレストアーマーを装備している。

ベルトの上に、腰へウェストポーチが装備されている。

これは、アイテムボックスの効果が付与されている。

ストレージカードとの連携がされている。

どちらかと言えば、ストレージカードの容量の方が大きい。

それらを覆い隠す様に、真っ黒な外套を纏っている。

外套は、フードと口元を隠すことが出来る。

うん、邪神さま。

僕を完全にアサシンにする気だな。

投擲用のナイフも何本か手に入れている。

ここまで装備が揃うとなんとなくだけど気配のような物が感じられるようになってきた。

多分、これは魔力が上がったからかもしれない。

魔力による感知と言った所だろうか。

でも、スキルはまだ取得できていない。


花畑を抜けると霧が立ち込めてきた。

霧は、太陽光が反射してキラキラとしている。

視界はかなり悪い。

そして、これは僕は隠れられない。

まあ、さっきまでも隠れられてたかは不明だ。

だって、草原に真っ黒な格好の人間がいたとしても目立つよな。

これだと遠距離はたぶん無理だな。

近距離攻撃主体がいいだろう。

僕は、ウェストポーチにクロスボウを仕舞う。

そして、牙と角を構える。

てか、牙と角じゃ締まりがないな。

いっそ、銘を付けてもいいのではないだろうか。

いや、今はいいや。

うーん、音も聞こえない。

でも、何かがいる気がする。

左手の牙を逆手に持ち、右手は角を順手で持つ。

この霧は、感覚を鈍らせるのかもしれない。

うーん、歩を進めてはいるけどこれはほんとに前に進めているのだろうか。

なんだか、よくわからないな。

ん?何かが足に当たる気がする。

感触は…ああ、スライムか。

痛みはない…いや、ダメージもないな。

でも、こっちも見えないから攻撃の使用がないな。

ターゲティング出来ないとクロスボウもダメだ。

せめて、魔法くらい使えたらよかったんだけど。

でも、そう都合よくないよな。

僕は、目に頼りすぎているんだろうか。

視覚に頼りすぎているから分からないのかな。

僕は、スッと瞼を閉じる。

そして、呼吸を落ち着かせて集中することにした。

両足に何かが当たっている。

痛みはないから放っておこう。

今は、もっと集中するんだ。

牙も角も今は仕舞おう。

投げナイフの方がいいかもしれない。

外套の内ポケットにある投げナイフを両手に8本取り出す。

瞼を閉じた世界。

僕は、集中をし続けた。

先程まで感じられなかった物が肌を通して…いや身体全体を通して徐々に感じられるようになってきた。

これが、心眼というやつか?

よく、侍とかが使う。

なんとなく見える気がする。

僕は、投げナイフを投げる。


パンッ


乾いた音が聞こえる。

周りにいつのはマナスライムのようだ。

ただ、音は1つではなかった。

幾つかが同時に聞こえた気がする。

僕は、瞼を閉ざしたままだからどれほどのマナスライムを屠ったかは分からない。

僕は、気配を察知して投げナイフを投げ続ける。

投げナイフは、投げるたびに外套の内ポケットに戻ってくる。



やがて、気配を感じなくなる。

近場には、いないと思う。

僕は、瞼を開く。

うん、真っ白だな。

僕は、腰を下ろす。

確か、近場でなるべく倒したはずだけど。

僕は、手探りに辺りを探る。

手に当たる物を、ウェストポーチに詰めていく。

視界がこの状態だとなんなのか分からないから後で確認しよう。

大体の物は拾えたと思う。

僕は、腰を上げて歩き始める。

取り敢えず、霧の向こうへ行こう。

歩を進める。

これは、前に進めているのだろうか。

霧で方向感覚がない。





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