社長と
◆◆◆ (side:朱里)
はあ…お母さんに言われた事がまだ心の奥底にこびりついて離れない。
あの言われたことを考えれば考えるほど嫌な気持ちになっちゃう。
どうしたらいいんだろう…
私は今重い足取りでVTOPの事務所に向かっている。
自分の立ち絵とかそう言った関連のことを社長(ここ大事)から聞くためだ。
多分私の大体の立ち絵は決まっているんだろう。
変更して欲しいところがあると言えば少しくらいなら直してくれるらしいけど、書いてくれるイラストレーターさんの仕事増やしちゃうしな…
そうやって歩いていると面接の時ぶりのVTOP事務所が見えてきた。
はあ…ただでさえ重い足取りがもっと重くなった気がした。
◆◆◆
周りから見てても何かを思い詰めているようにしか見えない主人格。
あの母親の言葉を気にしているのは確実だ。
あんな調子だと今日あるらしい自分のデザインとかの説明、頭に入らないだろう。
社長(多分)には一応主人格の精神状態を行ってるあるはずだけど、知ったところで対処できるのか?
主人格はかなり傷つきやすい人間だと思うから一度あんな状態になったら止まらないタイプの人間のはずだ。
ここでの戦犯は間違いなくあの母親な気がするんだけど…子の事は思ってると思うんだけど言うタイミングが本当に最悪だったんだよ。
ほんとよくねえ…
いやーそれにしても主人格に説明してる社長からなんか変な威圧感を感じるんだけど…
なんか社長が説明しながら「もう一つの人格出てこいや」って言っているような目をしながら主人格を見てるんだけど。
社長は主人格の精神を安定させてくれ…
へえ、これが主人格の立ち絵?なのか。
主人格のような黒髪黒目で美人な日本人っぽい見た目になってるみたいだ。
Vtuberを色々調べてみた時に検索に引っかかったVtuberは日本人にはなかなかいないような髪の色、目の色をしている人が多かったから意外だ。
で?この事務所では一期ごとにテーマがあって…なるほどね…
今日は主人格の会話を聞いているだけでたくさんのVtuberについての知識が手に入った気がする。
最後まで社長の目が怖かった気がするけど気のせいだと信じよう。あの目は本当に怖かった…
特に主人格の精神を安定させるための言動は社長からはなかったけれどどうやって彼はアプローチしてくるのだろう。
一度彼とちゃんと話してみたいものだ。
カッコよく頭の中で言ってみたけど、俺はやっぱり副人格でそこまで体の主導権を握っているわけでもないから彼と話す機会は多分巡ってこないだろう。
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