今日も私達は挑戦する事の大切さも知らずに生きている
ふわふわちょこ
奇妙な女の子
20xx年4月
「はー…。やっぱり私って駄目だな…」
沖縄県那覇市の街中に佇む「
「74点…。微妙だな」
何の話をしているのかと言うと、それは年度始めに毎回行われる学力調査テストの点数。
それを見て、ショックを受けてしまったの。
まあ、そんなの、今に始まった事では無いけどね。
元々は自分の学力に自信はあったけど、進級してから、成績をぐんぐんと上げたり、試験では高得点を取れていたり、といった周りの様子を見る度に自分と比較してしまうし、それに志望校と自分の学力とのギャップがあってもやもやしてしまう。
どうすればこの状態から抜け出せるのだろうか。
そうして、延々と考え事をしていたら、同級生の友達・
「瑠海〜!!どうしたの〜?暗い顔して〜。つんつんつんつんつんつんつんつん〜。つんつ…ん!?瑠海、今日いつもよりほっぺもちもちじゃーん!いいな〜羨まし〜昨日の夜イ○フラボンでもつけたの?」
そう。虹華は見ての通り、一度捕まえたら離さないマシンガントーク系女子なんだ。
まるで、壊れてずっと誤反応をするS○riみたいだよ…。
「ちょ、ちょっと、つんつんしすぎだって!それと、そんなスキンケア念入りにする訳ないじゃん、こんな私が。これは気のせいだよ」
そう言うと、
「ノリ悪いなぁ〜、瑠海。どうしたの?なんか嫌な事でもあった?言いたくないのなら、無理に言わなくても良いけど…」
こうして、困った時は、すぐ気にかけてくれるんだ。私は、虹華のそういうところが本当に大好きで、中学入学後、テニス部に入部したての時にすぐ打ち解けて、今はほぼ毎日一緒に登下校しているんだ。
今日は、1人で考えながら帰りたい気分だったから、こっそりそうしようと思ったけど。
案の定、虹華に捕まえられてしまった。
でも、意外だな。
マシンガントークをする人って常に破天荒で暴れん坊なイメージがあるけど、虹華は今みたいに時々突然急に悲しい顔をしたり、冷たくしたりする事があるんだ。
どうしてだろう…。ま、気にしすぎも良くないよね。
「そんな事ないよ!心配してくれてありがとうね」
そう返事したら、
「ふーん…。そっか。分かった」
と、何か難しそうな、何かを悟っているかのような顔をした。
その後はもやもやしながらも虹華と雑談をして、最後にいつも通り、街中の交差点で手を振り合って分かれた。
それにしても、ここの信号、なかなか青に変わらないんだよな。…ま、仕方ないか。
そう考えていた時、横断歩道の先からやたらとニコニコ笑っている1人の女の子が私の目に入ってきた。
「こんにちは〜!あっ、ゆりだ!やっほー!」
誰だろう。小学生なのかな。まあ、別にそんなのどうでもいいけど。
そうしていたらいつの間にか信号が青に切り替わって、それにつられるように横断歩道を渡った。
そこから見えてくる沖縄の青い空と海。
無限に広がる、真っ青な空。
エメラルドグリーンの宝石みたいにキラキラと輝く海。
もう、見慣れた景色だけど。
いつ見ても、綺麗だなと思う気持ちは変わらない。
そうして、あの女の子とすれ違った。
この何気ないすれ違いが、運命の出会いの前兆である事を知らずに。
今日も私達は挑戦する事の大切さも知らずに生きている ふわふわちょこ @fluffy_choco
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