第14話 クラス分け

 その言葉に対して僕は動揺を隠せなかった。そのせいか、僕は思わず校長に聞き返してしまっていた。


「ここからが、本番?」


校長はそうなるのも無理はないだろうといった顔をしながら言った。


「そうじゃ。まあ、じゃからと言ってあの試験より難しくなるのはない。じゃからそこは安心せい。」


僕はその言葉に納得しつつ、それと同時に安堵もしていた。その理由は簡単。あんな試験があと複数回もあるとなると、骨が折れるからだ。


「まあ、そんなわけでこれからクラス移動を始める。」


そんなわけで、第一次試験は幕を閉じ、僕たちは新たなクラスへと向かうのだった。








 とはいっても、僕たちがいたのは紛れもないCクラスだった。それはそうだ。あの時とったコインの枚数は2枚。そしてカナとユイガに渡して結局僕の手持ちのコインはたったの1枚だったのだ。故に僕はCクラスとなっていた。だがそれはカナもユイガも同じことで、


「やっぱ、ここがおちつくよなぁ~。」


「そうですか?私は以前いたBクラスのほうが居心地はいいかなと。」


僕の席の後ろでユイガたちは談笑していた。まったく、いつになってもユイガはユイガだな。そう思っていると


「なあ、お前もそう思うだろ?」


「何が?」


「何って、目玉焼きにはソースかけるか、しょうゆをかけるか話してんだよ。じゃあそれを踏まえてお前はどっち派だ?」


僕は正直迷いつつ、こういった。


「塩コショウ派だ。」


「あのなぁ。」


そうやってユイガはため息を尽きながら


「今はソースか醬油。どっちかに答える場面だろぉ?ったく、お前は空気が読めねぇな。」


「しょうがないだろ。塩コショウが好きなんだから。」


「はぁ、そういうわけじゃなくって、もう。お前はお前で変わらないな。」


「そうか?そっくりそのまま、お前に返してやりたいところだけどな。」


「なにぃ!?」


そう、ユイガが僕にとびかかろうとした時だった。


「まあまあ、落ち着いて。なんだっていいじゃないですか結局は。」


と、カナがユイガを鎮静させた。


「わかったよ。」


そうしぶしぶユイガが納得した直後、教室の扉が開く音がする。それと同時にみんながその教師を見つめた。








 「えっ。」


その姿を確認すると同時に、僕は驚いた。僕の予想であれば、以前の担任と同じだと思っていたのだがなぜか僕の予想は外れ、そこには長い黒髪で白いTシャツの上に少し大きめのパーカーを着た、男がいた。するとユイガが震えだした。


「どうした?」


そう後ろを向き、ユイガに耳打ちをするように言う。するとユイガは、その口からとんでもない言葉を口にする。


「あいつ、やばいぜ。雰囲気でわかる。あいつは、俺が見た中で一番強い。」


そういった。その言葉を聞き、僕は先生に視線を向ける。すると先生はこちらをにらみつけていた。まるで、無駄口をたたくな。と言わんばかりの目で。そのせいか、僕の体は自然と前を向いていた。そして先生は軽く自己紹介を始めた。


「今日からCクラスの担当をすることになった。名前を、グイドという。これからよろしく。」


と。

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