第3話 恥ずかしがり屋の影



大学生くらいのとき、なんだか気がついたら


視界の端に

黒い影がちらちら見えることがありました。



ふっ と目で黒いものを追うと、

目で捉える前に、消えてしまう。



なんだろう?なんだろう?



それが半年続いた時、


家の前です。



外に置いてある下駄箱と、

家のわずかな隙間から

黒い人影がのぞいているのを、

ついにしっかりこの目で捉えることができました。



その瞬間、すぐに物陰にひっこんでしまう人影。



でもそれ以降、

黒い影が目の端にちらつくことはなくなりました。



ただの黒い影だったからか、

半年間

怖い、嫌な感じ は全くなく、

見えなくなってしまったので、


恥ずかしがり屋の黒い影、 と呼んでいます。




でも、最後に見えたのが家の前って、

少しだけ


気持ち悪い気が、しないでもないですけどね。

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