元世界一ゲーマー、MMOに囚われる。

げほげほ悪戦苦闘☆社会運動

第0話「過去の栄光」

「優勝は、『夜桜』の鬼塚龍二選手だァァァッ!!!!!!」

「強かったね!!」

「君が世界一だよ!」

「す、すごいよ…」

 富、名声を手にしたあの日。みんなからちやほやされるようになったあの日。世界一の称号を勝ち取ったあの日。

あれから何年経っただろうか。

初めて出た某格闘ゲームの世界大会で優勝したあの日。

 今じゃ俺を覚えているのは昔からの親友のみだ。

『ゲームの大会で優勝しただけ』の俺は調子に乗っていたのだ。『世界一』というだけでクラスの他の奴を見下した態度を取っていて、次第に俺の周りには人は消えていった。自業自得だ。

 その後に出た大会も、『世界一』だったから練習を疎かにしていた。「俺は他の奴とは違う」なんて思ってたら、初戦で負けた。

 もうあの頃の実力には届かないな、と思ったときにはもう手遅れだった。

ちょっとだ。あとちょっと努力したらいけたはず…

いや違う。努力なんかじゃないんだ。周りの奴らを見下さなければ…

そう思ったが、もう遅い。失った信用は二度と戻らないのだ。『信用』は戻っても『不信』があっては意味がない。

 そんなこともあり、今は世界中で話題のVRMMORPG「queen」をプレイしている。

「おっ、このクエストにするか」

いつも通り、クエストを受けたときだった。

「な、なんだこの光ッ!眩しいぞッッ!!」

PCから突如とんでもない明るさで光り始めた。

PCの故障か?いやPCからでる光の強さではない。

「何かおかしいぞッッッッ!!!」

俺の意識はここで途切れていった…

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