第8話 お昼ご飯と、お昼寝〜結衣〜
ホテルの部屋に戻ると、わたしは一足先にシャワーを使う。灼けた肌がお湯でジンジンと痛んだし、ビーチサンダルを履いてたせいで足の親指と人差し指の間が擦りむけてた。けれど、爽快な気持ちだった。
濡れた髪を入念にタオルとドライヤーで乾かして、持ってきたワンピースに着替えた。お日様を思わせる向日葵が目一杯プリントされたもの。
ベッドにごろんと横たわってしまう。やっぱり、若干、疲れていた。関東の陽射しは年々きつくなってきてる。関東だけじゃない。日本中、いや、世界中が暑さで泣いてる。異常気象なんだ。
ビーチ用のカバンの中にあるペットボトルの水を飲もうとした。なのに、体がうまく動かない。熱中症かもしれない。いけないな。せっかくのお出かけなのに。
呼吸を整えていると、かちゃりとドアが開いた。先輩がアイスメロンバーの袋を見せてくれる。冷たい飲み物も何本か。あとは、カロリーメイトの小箱。
「正直、お腹空かなくないか? 暑すぎる。カロリーメイトなら、食べなくても持って帰れるし」
これぞ大人の気遣い。さすがすぎる。
先輩がシャワーを使ってる間に、冷えたドリンクとアイスメロンバーをいただいた。アイスは早くも外気のせいで溶け始めているので、急いで食べないとならない。でも、ひんやりとした食べ物や飲み物に、さっきまで悪かった気分がみるみるうちに治っていく。
わたしはそのまま、眠りに引き込まれるのを感じた。さっきまで眼前にあった海を、夢の中で、またもありありと見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます