つくりもの
天野和希
プロローグ
温かい。
温かくて、心地良い。
その心地良さは手を伝って、段々と上っていく。
僕の心を目指して、
上っていく。
だけど、
もう何度もやったけど、
その温かさは、
心の居場所を見つけられず、
心臓を通り越して、
僕の喉に引っかかる。
心地良さと、
苦しさが、
入り交じる。
早くしないと
冷たくなってしまうのに。
美しさは永遠でも、
温かさは
そうではないのに。
小説を読んで、
歌を聴いて、
絵を見て、
救われる人がいる。
それはみんな、
作者と感性が合うからだ。
僕は、どうだ?
そうだ、
自分でつくってみればいい。
何にしようか。
小説なんてどうだろう。
ちょうどそこに、
赤いインクの、
ペンがあるから。
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