phase:2.00

強制参加

食後、暇だったので訓練場に行き、まだ離人してから使ってなかった武器を使いこなせるように試してみた。訓練場の中でインベントリから刀を取り出し、振ってみるも若干勢いを制御しきれない。

「刀って意外にも重かったんだな…母親が剣道部だったけど本物の刀は持ってなかったし、あんまり流派とかも分からないからなあ…」

時代劇とかの殺陣で軽々そうに刀を振る役者さんを見て自分もできるかなと思っていたのが甘かったようだ。素振りや横に切ってみたり、某アニメの牙突をやって

みたり。なんとな~く感覚をつかむのにまあ二時間ぐらいかかったが時間はたっぷりあるのだ。今から別に任務が来るわけでもないし...


「ああ、やっと見つけたよ...天音だったか?ニコライさんから要件があったから来てくれないか?」

恐ろしく速いフラグ回収、俺でなきゃ見逃しちゃうね。無いと思ったらすぐこれって今日は厄日か!と若干キレ気味になるが、冷静な顔でしっかり対応する。


「あ、分かりました。」

こういう伝言を伝える人にはちゃんと対応するに限る。ニコライにはタメ口だが…


「で、要件ってのは?」

数分後、ニコライの執務室にて壁に寄っかかり聞いていた。


「それが話を聞く態度か…?まあいい、説明しよう。この前黄河中央防衛協定が同盟を結ぶから日本に来ると言っていただろ?

その同盟を結ぶはずのあちら側の議長が何者かに殺された。」


「殺された、ってどういうことだ?」


「ヘリでこちらに移動している際に何者かが狙撃して墜落させたらしい。そして議会に残っていた者がそれをこちらの仕業だと批判してきた。でも聞いたんだが、本部は

全会一致で締結に進めていたからそのようなことはあり得ないんだ。」

話を聞いていると、普通に日本側が敵機だと思い撃墜させたと思いがちだが

この場合相手側の内部による妨害工作の可能性も高い。お国柄もあって日本と同盟を結ぶのはどうかと思っている人々もいるのだろう。でも一番近く交流もある程度あるところと結ぶのも悪くないと思う。そして西方からはヨーロッパ諸国の軍勢が攻めてきていて、防衛線の崩壊も近いと聞いた。それでもこちらと協定を結びたくないのかと思うとどうやって国を守るのかが疑問に思えてくる。


そんな考え事をしていると、急にニコライから無茶ぶりをされた。

「とにかく、あちらから来れないのならこちらから上層部の権力者一人を送って同盟を締結することにした。ということで護衛として一緒に中国のほうに行ってくれ。この前の戦いでは敵を幾度となく殲滅していたし、お前なら大丈夫だと思って上に

天音のことを申請しておいた。」


...はい?人に許可を得ずに勝手に重要な任務に派遣するって...しかもまだ組織に入ったばっかりの新入りなんですけど!?そんな新入りに重要な任務を任せるとはどうなってんだこの組織。そんなに人手不足が深刻なのか?と不安になってくる。

「え?でも私以外に一夏とかもいるのに何で私が...」


「すまんな。一夏は現在一人で放浪中だ。急に呼び出すわけにもいかないから現在基地にいる天音、おまえしかいないんだ。どうかこの任務を受けてくれないか?」

と、できるよな?みたいな表情でこちらを見てくる。

こういう空気になるとやらないとダメみたいな感じになってしまうとどうしても

やりたくなってしまう。というかもはや決定事項なのだ。すでに上に申請させられてるし...半ば一時的に厄介払いみたいな感じだ。


「...わかりました。その仕事をやらせてください。」

仕方なく、その護衛任務をやることにしたのだった。



お偉いさんが中国に行くのは一週間後だというので、その間に修行鍛錬などをみっちりしておく。一夏がいないから腕の力のかけ方とかそこらへんは自分の力で何とかするしかない。先ほどやっていた刀での鍛錬が意外と楽しく、やっていたうちに気づけば夕方になっていて翌日に鍛錬を持ち越したほどだ。

護衛する際に腰に刀ぶら下げてたらかっこいいかなと少し思った。あと急に襲われた時でもすぐに刀を取り出せるように。


寝るときに中国を想像してみる。よくテレビで見るのは大気汚染とか、素行が悪い

中国人とかでとてもいやな感じなのだが、普通に心が綺麗な人もいるだろう。

街並みは横浜とかにある中華街とかそんな感じか、それともテレビとかでよく見てた大都会っぽい感じなのか。

一応料理とかも出されそうな気がするが、毒が普通に入ってそうで若干怖い。

携行食を持って行った方がいいだろう。


朝起きると、部屋の外からノックの音がした。寝巻のままドアアイから見てみると

以前着せ替えさせられた時にいた子だとすぐに気づいた。しずる君だっけか。


玄関を少し開け、しずる君を部屋の中に入れて

「こんな格好でごめんね、今日はどういう要件なの?」

と優しく問うてみる。


「あ、ちょっと銃のメンテナンスをしてほしくて...一夏さんに本来いつもしてもらってるけど今日はいなくて...」


「あら、銃使うの。どんな銃?」

この子供が銃火器を撃つことに少し驚いたがこんな世界なら使うのも当然だろう。

子供だから小さめの拳銃とかマシンピストルかな~、と柔らかめの想像をしていたのだが、

「これです。」

どこから出てきたのか。ごついM1918 BARをその手にいつの間にか持っていたのだ。子供が使うには大きく、そんなもん持ってるのかとびっくりした。


「あ、うん。それね。まかせて...」

若干動揺しながらも銃のメンテナンスを行う。しずる君に整備の仕方とか教えてないんかい一夏さん?と思いつつも銃身や薬室を掃除し、しっかり部品が壊れてるものがないかも確認して返した。そのあと帰ってったのだが、

帰り際の顔が尊...いや何でもない、私はショタコンなどではないのだ。

変態などでは決してないぞ!


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あとがき


若干お久しぶりです!1.50のネタが思い浮かばなくて、

結局2話分あきらめました(阿呆)。

どうしてもそこのエピソードが何書けばいいか浮かばないし、

リクエストもこないからphase:2.00の増築分として埋めようと思います。


あ、もし後々リクエストが来たならphase:1.00のところにしっかりおいておきます。

時系列もしっかりその時の物にしておきますので。





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