無能を追放したら、チートスキルに目覚めたらしく復讐してきた
@santakurousu
第1話
1
一旦状況を整理しよう。
高校で授業を受けていた俺たちは、突然クラスごと異世界へ召喚され、女神と名乗るやつに魔王の討伐を依頼された。
転移者にはチート級の能力を与えたため、死ぬリスクは殆どないこと。
異世界では「神の使い」として丁重に扱われること。
魔王討伐した後は地球に帰っても良いということ。
女神はそんな耳障りの良い言葉でクラスメイトたち誘導し、依頼を受けることになってしまった。
まず俺たちは転移の際に与えられた才能を測るために「職業鑑定」という儀式をやらされた。
「宮下明人――勇者」
鑑定の結果、俺は勇者という職に選ばれた。
他のクラスメイトを見てみると、「音使い」や「剣聖」といった様々な職業があるようだった。
「おい明人、お前勇者とか異世界でも主人公ムーブかましてるな」
そう言って肩を叩いてきたのは米川拓夢。ノリは激しいが悪い奴じゃない。
「はよ帰りたいわ。ってかそもそもなんでわざわざ別世界の俺たちを選ぶんだ?女神に能力を与える力があるんだったら、最初からこっちの世界の人間に与えれば良くね?」
「……確かに。………確かにすぎるわ…………。テンプレすぎて疑問すらわかなかった」
俺はこういう異世界系の話に疎い。だから「クラス転移じゃね!?」とか叫んでいた拓夢の様にはまだ順応できない。
けれどこれが現実であることは確かだ。
受け入れるしかない。
「にしてもクラスで戦うっつうのに団結力のかけらもないな」
職業鑑定を受けながら自分勝手に騒ぐクラスメイトたちを一瞥して、拓夢がそうぼやく。続けて「おい明人、しっかりまとめろよ」とか責任まで押し付けてきたもんだから、たまったものじゃない。
「そんなカリスマ性ないわ」
と断っておく。
拓夢はチッチッチ、と舌を鳴らした。
「お前が思ってるよりも、お前のクラス内での影響力ってでかいからな?」
そんなことを言われても……。
ため息を吐きながら、職業鑑定の続きを眺めた。
クラスメイトたちが「盾使い」とか「聖騎士」とかに選ばれていく中で、田中誠が「無職」という謎すぎる鑑定を受けた。
無職って、文字通りそう言う意味だよな……。
田中はクラスでは静かで目立たないタイプのキャラだが、この時ばかりは大声で発狂していた。
「うわー無職って……」
「そんなのもあるんだ」
「なんかちょっとおもろいな」
そんな声が辺りから聞こえる。その直後、周りに立っていた衛兵のような人たちが田中を取り囲み始めた。
突然のことで思考が追いつかない。
誰も動こうとしない。
俺は慌てて近くにいた神官へ事情を尋ねる。
「勇者様、あの方は無職と鑑定されたため、この国の法により死刑となります」
なるほどなるほど。
意味が分からん。理不尽とかそう言うレベルの話ではない。
これは抗議すべきだ!
……とは思うが、シンプルに怖い。
命に対する価値観がその程度の国ってことだ。
下手なことを言えば何されるかわからない。
しかしそんなに接点は無かったとはいえ、同じクラスメイトだ。
ここは踏ん張るところだと思い、勇気を出して神官に申し立ててみた。
その結果、「あの者がこの場所からの追放を受け入れるのなら、それでも構いません」という話になった。
心は痛むものの、これ以上は言えなかった。
「すまん田中、ここから出ていってくれないか?」
俺は衛兵に取り押さえられている田中にそう告げた。
田中は顔をくしゃりと歪めた。
「なんでだよ、意味分かんねえよ」
目は血走っており、顔面が真っ赤だった。
「職業鑑定で無職と鑑定された人は、ここに居ることが出来ないんだそうだ」
「クソ、なんで俺ばっかり……。ああ、出て行ってやるよ。この国も、お前らも。覚えとけよ、俺をこんな目に遭わせて」
田中はそう吐き捨てどこかへ去っていった。
あれから1か月が経った。
俺たちはひたすらに鍛錬をしていた。その一環として魔物の森に何度か入ったのだが、経験不足や鍛錬不足のせいで、初級の魔物相手にすら結構手こずった。
「何がチート級の能力だよ!」
そう叫んだのは剣聖に選ばれた鮎川剣太だ。
こいつは森に入るや否や魔物に突っ込んで行き、大けがをしたアホだ。
宮下明菜の治癒能力がなければ死んでいたかもしれない。
ちなみに明菜は俺の双子の妹だ。
「早く日本に帰りたいんですけどー。明人ちゃっちゃと魔王倒してよ」
筋トレの真っ只中、ウザ絡みしてくるこのギャルは弓根望結。職業は弓使いだ。
「無茶いうな。勇者の能力思ったより微妙だし」
この勇者という職業は、身体能力にバフがかかるという力を持つようだ。
しかし一般人レベルの俺の身体にバフがかかったところで、大した強さではない。
そこで俺は筋トレから始めることにしたのだ。するとバフと筋肉の相乗効果のおかげで、身体能力が飛躍的に上がっていった。
「25000、25001新記録!」
腕立ての記録も日に日に更新している。もはや人間離れした回数だ。
「明人ふぁいとー」
拓夢が舐めくさった口調で応援してくる。
「お前ももっと気合い入れて鍛錬しろよ。ってかこの前、俺らの世話してくれてるメイドさんといちゃいちゃしてたろ」
「いやー、俺の言うこと何でも聞いてくるんだよな」
デュフデュフと笑う拓夢。
節操が無さすぎる。もっと日本人高校生としての誇りを持って欲しいものだ。
「はぁ?拓夢それはキショいわ。俺もまぜろ」
おでこに包帯を巻いた剣太が会話に参戦してくる。
ほんとに、もう少し危機感を持ってほしい。
「ガチ死ぬぞ?そんな浮ついた思考してたら」
「いや俺戦闘職じゃねーもん。剣太と明人こそ頑張れよ」
無責任極まりない。
真面目に会話してたら、ストレスでハゲてまう。
ヤケクソで高速腕立て伏せをしていると、昼食の時間になった。
「みんなお疲れー、こっちの世界の食材からナポリタン作ったよー」
そう言いながらナポリタンのお皿を持って歩いてきたのは、俺の彼女である味咲雪奈。
まじで世界一可愛い。
そこへ拓夢が割り込んでくる。
「味咲さん、あざっすっっ!」
「ばっか、お前俺の筋トレ観戦してただけだろ」
働かぬ者食うべからず。
「みんなの分作ったから、大丈夫」
ふんっ、と腕を鳴らす雪奈。
「うお、味咲さんガチ神」
「はらへったぁーーー」
「うまそー。さすがは職業が調理師ってだけあるな」
テーブルに続々と並べられるナポリタンに、男子勢が盛り上がる。俺も腕立て伏せを止め、席に着いた。
「うわぁ、筋肉すご」
座るや否や雪奈が俺の隣に来て、腕をツンツンし始めた。
可愛いすぎぃぃ。
「そんな見惚れんなって」
調子に乗ってそう言うと、雪奈は少し顔を赤くしながら「やっぱ汗臭い」と呟いてどこかへ行ってしまった。
あれからさらに1ヶ月。
マジで死ぬほど頑張った。
毎日毎日身体中がバキバキになるまで筋トレをした。
神官から渡された「勇者の剣」とやらは500キロもあり、素振りだけでもかなり過酷だった。
そんなこんなでついに魔王討伐の日がやって来た。
恐怖で泣き出す女子も居たが、「前衛は俺に任せろ」と意気込む男子たちのお陰で士気は保たれた。
「そんじゃあ朝秀さん、指揮は頼んだ」
朝秀茜――職業は賢者だ。今回の討伐の総括を頼んでいる。
「指揮に関しては完璧に遂行するので安心してください。けれど宮下くん、作戦に肝心のあなたが真っ青な顔をしていますが、大丈夫でしょうか?」
「だいじょばないけど、死ぬ気で動くよ。絶対にみんなで生きて帰る」
俺の決意を聞いて、朝秀さんはなぜかくすりと笑った。
「そんなに気負うことないですよ。この世界では私たち転移者が一番強いと決まってますから」
「どういう自信だよ」
励ましているつもりだろうか?
「ちゃんと根拠もありますよ。例えばこの世界で恋バナが出来るのは私たち転移者だけです。神官や衛兵や村人に話しても、彼らは適切な答えを返すことができません。つまりそういうことです」
いやどういうことだよ。
朝秀さんは賢すぎて、時たま理解できないことを言う。
「ちょっとよく分かんないけど、なんか緊張ほぐれてきたわ」
「それは良かったです」
そう言ってまたくすくすと笑った。
彼女はいつも無表情で、あまり人と関らないタイプだったため、今日はキャラが違いすぎて若干怖い。
その時、背後から気配を感じた。
「へぇ、そんな表情もするんだ」
振り向くと、なぜかいきり立っている
「お前なんでそんな威嚇体勢なんだよ」
シャーと言わんばかりに朝秀さんを睨む明菜。
そういえばこいつ、クラスが出来て少しした頃に、「茜ちゃん美人すぎる〜。お近づきになってくらぁ!」とか意気込んで喋りに行った後、撃沈してたな。
きっとあまり人と関わりたくない朝秀さんと、真逆のタイプである明菜は相性が悪いのだろう。
だから明菜からすれば、朝秀さんは嫌いというか、苦手な部類の人間なんだと思う。
「……その微笑み、私に寄越せよ!明人じゃなくて!」
――なんて考えていたが、ただ朝秀さんと楽しく喋りたかっただけらしい。
魔王討伐はかなり順調に進んだ。
手順はこうだ。
まず魔物を目白淳の「索敵」で見つけ出す。
朝秀さんがその魔物に適した戦闘職のクラスメイトを割り出す。
それを「音使い」の沢口音温がそれぞれに伝達し、倒していく。
この効率の良い方法で俺たちは怒涛の如く進み、ついに魔王のいる本城まで辿り着いた。
「城に入ると魔物が格段に強くなるので気をつけてください」
朝秀さんの言葉に、神経を尖らせる。
大人数で乗り込むのはかえって危険なため、まずは盾使い、槍使い、拳聖、剣聖、そして勇者の俺からなる前衛部隊で入城した。
「よしきた、俺がさっさと魔王ぶっ倒すぜ!」
門をくぐるなり暴走し始めたのは剣聖の剣太だ。
最初の魔物の森で懲りてなかったのか?
ほんとに。学べよ!
「剣太アホだから作戦立てるだけ無駄でしょ。適当に攻めちゃお」
突っ走って行った剣太の後ろ姿を眺めながら、槍使いの長草渚がそんな事を言い出す。盾使いの鎧塚守も、拳聖の早手治之助もそれに同調する。
……うん、もうどうでもいいか。
「よし、剣太を追いかけるぞ」
そう言って俺たちはゴリ押しで城内を進んで行った。遭遇する魔物たちは強いには強いが、それ以上に俺たちの力が凄まじかった。訓練の成果を感じる。
「余裕だな。爽快感がエグい」
ナックルで魔物を吹っ飛ばしながら早手がそう宣う。
まあ確かにこの感じだと、余裕で勝てちゃいそうだな。
そんな甘い考えを持った直後、とてつもない轟音が響いた。
「どこだ?どこから聞こえた?」
音の方へ必死に向かうと、大理石で作られた大広間に辿り着いた。
床には剣太が倒れている。
「剣太!大丈夫か?」
駆け寄って体を揺する。しかし反応はない。
「おい明人、前!」
追いついてきた早手がそう叫ぶ。
顔を上げると、禍々しいオーラを放った魔物が現れた。
「愚かなる人間共よ、まとめて消しずみになるがいい」
青い顔面から、赤い舌がチロチロと覗く。カメレオンが2足歩行したような風貌だ。加えて人面で5本指というのが不気味さを掻き立てている。
「嫌すぎる……」
後ろから渚がそう呟いた。
そういえば彼女は、大の爬虫類好きだったか。
「これはカメレオンへの冒涜だよ。絶対許さない」
沸点が謎だが、頼もしい。
渚は槍を手に、人面カメレオンへ走り出した。
が、次の瞬間やつは姿を消した。
「ふぁ?」
渚が素っ頓狂な声をあげる。
「僕の盾の周りに来て!シールドを張るから」
守がそう叫ぶ。
どこから奇襲されるか分からないので、取り敢えずそれに従う。
「やつは周りに擬態できる能力があるんじゃないか?カメレオンみたいに」
早手がそう意見する。
だとしたら厄介だ。
姿が見えた瞬間にカウンターを狙うことしかできない。
辺りに意識を張り巡らす。
かつてないほどに心臓が音を立てる。
剣太が倒れているという強い焦燥感。
敵の姿が見えない恐怖。
けれど生存本能なのか、頭は驚くほどすっきりしていた。
今打てる最善策を全力で考える。
やつがカメレオンだとしたら、やはり舌での物理攻撃だろうか?
これまでも動物に似た魔物と遭遇して来たが、どれもそのイメージに合った能力を持っていた。
カメレオンのようなタイプなら、取り敢えず守のシールドに居れば安全だろう。
いや……だとしたらあの轟音はなんだ?並大抵の攻撃で出せる音ではない。
そうだ、剣太の外傷から何か分かるかもしれない。
そう思い、3メートルほど横で倒れている剣太を目視する。
服には焼き焦げた跡があり、首や肩あたりの皮膚が赤く爛れている。
火傷……ということは炎系の技か?
もちろんそう断定するのは危険だ。
どうしたものかと考え込んでいると、早手が指示を出した。
「取り敢えずシールドの中で待機だ。あいつが姿を現した瞬間3方向から畳み掛けるぞ」
「おけ」
「分かった」
そう返し、姿勢を低くして構えの体勢をとった。
うん、この作戦がベストなはず……なんだけど。
何か引っ掛かる。
そもそも人面カメレオンはなんで一度姿を現したんだ?最初から隠れておけば警戒されずに奇襲できたものを。
逆に、俺たちを警戒させて得られるメリットはなんだ?――そういえば俺たちは警戒するあまり、この場所から一歩も動けていない。
轟音。
火傷。
場所の固定。
――嫌な予感がした。
ハッと上を見上げる。
天井はなく、空が広がっていた。
目を凝らすと、はるか上空で、黄色い球のようなもの揺れ動いていた。
直後、その球体が急激に収縮した。
「この場所から離れろ!」
直感で、そう叫んだ。
「突然なんだよ、明人――」
俺は咄嗟に両脇にいた渚と早手を掴み、横へ滑り込んだ。
「何すんだ――――」
刹那、轟音が鳴り響いた。
例の球体から稲妻のようなものが発射され、シールドを突き破り、場に残っていた守に直撃した。
「は?」
「どう……なってるの?」
早手と渚は呆然としている。
「今は人面カメレオンに集中しろ!」
そう言ったが、2人とも固まったまま動かない。
次の瞬間、人面カメレオンが早手の背後に現れた。
俺は全力でそこへ攻撃を仕掛ける。
が、遅い。
重さ500キロの剣は、火力こそ優れているが、敏捷性に欠けていた。
人面カメレオンは横に飛び跳ね、俺の攻撃は宙を切った。やつは続けて舌を発射し、早手の腹部を貫いた。
「早手!!!」
我に返った渚が、人面カメレオンを槍で刺した。
やつは奇妙な呻き声を上げながら、早手に刺していた舌を抜く。
舌先には内臓のようなものが絡め取られており、やつはそれを自分の口へ放り込んだ。それから舌なめずりをし、今度は渚に向かって舌を発射した。
俺はその隙に攻撃を仕掛ける。
今度は渚の槍で固定されていたため人面カメレオンは避けられず、やつは真っ二つになった。しかしその舌先は既に、渚の腹部へ到達していた。
「ッッツ」
俺は崩れ落ちる渚を支えた。
「しっかりしろ、あと少しで後衛部隊が来る」
明菜の治癒能力で、きっと救かるはずだ。
「――もっと……もっと鍛錬頑張ってれば、こんなことには、ならなかったのかな」
渚はぐったりとしたまま、そう呟く。
「……そうだな。ここが現実だって受け入れ切れてなかったのかもな。クラスの雰囲気も、ずっと浮ついていた」
「私これ、本当に死ぬのかな?」
身体越しに、震えているのが分かる。
かける言葉が見つからない。
「怖い……怖いよ」
渚の瞳に、涙が溢れる。
コホコホと咳き込み、吐血する。
それから数十秒すすり泣いた後、渚は事切れた。
ああ。
どうにも、これだけ身近な人がこうも突然死んで行くと、悲しみとか、絶望感とか、そういった感情がいまいち湧いてこない。ただ心のずっと奥の方に、ずんと重い何かがのしかかってくる。
「あれ?あれあれあれあれ?」
この場にそぐわない、朗らかな声が聞こえた。
「これはこれは勇者御一行さん、こんな場所で奇遇ですなー。いや、御一行言うたけど、既にほぼ死んでるやないかーい」
聞き覚えのあるややくぐもった声。太縁メガネに、少し太った腹回り。
「田中か……。良かった、生きてたのか」
田中は召喚された日に追放されたから、会うのは2ヶ月ぶりくらいか。
「あ゛あ゛?何が良かった、だよ。お前らゴミどもはあの時俺を見捨てたんだろ?今更善人ぶってんじゃねーよ。それにしても、国に選ばれし君たちが、魔王ですらない魔物にこの様とは滑稽だな。俺は既に1人で魔王討伐してきたぜ。クソ余裕だったよ。……お前今、なんで無職で追放されたあいつがこんなに強くなってるんだ?って思っただろ。良いだろう、聞かせてやるよ。俺はあの日追放された後、1人でダンジョンに潜った。で、死にかけた時、能力に目覚めたんだ。その名も無限ガチャつってな、欲しい物を永遠に引き当てれる最強能力だった。俺は神様に選ばれたんだよ!見ろ、俺の後ろにいるこの2人はレア度SSRの万能メイドだ」
突然早口で語り出す田中に、思わず圧倒される。
「はは、どうした?悔しすぎて返す言葉もないか?おいシーナ、こいつの顔面に一発蹴りを入れろ」
「かしこまりました、ご主人様」
田中の右隣に控えていたメイドそう返事する。
次の瞬間、顔面に大きな衝撃が走った。シーナと呼ばれたメイドの攻撃なのだろうが、速すぎて見えなかった。
「気持ちい……。気持ちいぃっ!おい、理解したか?この世界の主人公は俺なんだよ。お前は俺を輝かすためのモブだ」
蹴られた頬がズキズキと痛む。
いやいやいやいや。
さすがに。
さすがに無いだろ。
「なあ田中、俺はお前に何かしたか?」
「……上っ面だけで生まれた時からチヤホヤされるお前には、何を言っても理解できないだろうよ」
「何の話だよ」
田中が何に怒っているのか、わからない。
「あーもう、マジでムカつく。お前にも味あわせてやるよ、この気持ちを」
そう言って田中は、うすら笑みを浮かべた。
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