訳ありオカマが行く異世界冒険譚

@RenrenMAX

第1話 オカマ死す

 ここ、どこかしら


 気がつくと白く広々とした空間にいた


 見たことない場所ね


 仕事の都合上、国内や海外など色々な場所に行くこともあり、ある程度は見ただけで

 何処にいるのかわかるが、ここは初めて見る場所だった


 私、どうしてこんな所にそう思いつつ

 自分の記憶を思い返してみる


「あー、思い出して来たわ」


 確か買い物の帰り道に、子供が車に轢かれそうになってるとこを助けて、そのまま家に帰ったところを黒ずくめの不審者に襲われて抵抗したがそのまま殺された


「このあと、私どうなるのかしら?」


 状況的に今いるのは、あの世だとして

 一般的にはその後人格、記憶を消して輪廻転生するのかそれとも天国、または地獄に落とされるのか


「考えても意味なさそうね、私が決めれることでもなさそうだし」


自分にはどうすることも出来ないと悟り状況が動くのを待つことにした


「早くお迎え来ないかしら?」


 それから約十分後、人の気配を感じそちらに視線を向けると天使の羽を生やした、綺麗な女性がいた


「すいません!お待たせしました早乙女さ…」


 急に、現れた天使?は数秒ほど固まり


「キャーーーーーーーー!」


 悲鳴を上げた


「もう失礼な人(?)ね、人の顔見て急に大声出さないでびっくりするでしょ」


 悲鳴をあげられるのは、慣れているが死んでも同じなんだと思った


「すみません、でも早乙女さんも悪いと思います!堂々と全裸で立っているんですから」


 あっ、そっちなのね


「よし、改めてわたくし早乙女さんの案内係に任命された、ルキエルです。よろしくお願いします!」


「こちらこそ、改めて早乙女 娚よ

 よろしくね、ルキエルちゃん」


 それからここではイメージで服を着れると、よく分からないことを言われた。とりあえず生前の姿を思い浮かべると本当にできて驚いたが、その後改めて自己紹介をした


「はい!よろしくお願いします!」


「早速で悪いけど私、これからどうなるのかしら?」


「はい!早乙女さんには、二つの選択肢が、あります!一つ目は当初の予定通り、地獄で罪を洗ったあとに、転生していただくものです!」


 あら、すごく笑顔で地獄行きが告げられたわ、天使が来たから、てっきり天国かと思ったんだけどね、でも安心したわ。一応もう一つの選択肢があるのね


「もう一つの方は?」


「はい!もう一つの方は今までいた地球とは別の世界に、行ってもらうことです!」


 あらー

 てっきり最後の子供を助けたとかの温情で、天国にご招待かと思ったら、斜め上の選択肢が出てきたわ


「えーと、その別の世界って言うのは

なんなの、ルキエルちゃん?」


「はい!えーと簡単に言うと並行世界です。

名前はドイスで地球にはない魔力と言う力がある世界です!分かりやすく言えば、剣と魔法のファンタジー世界です!」


 あらま、思ったより殺伐としてそうな世界に飛ばされそう


「なるほどね、ルキエルちゃん、さっきの

二つ以外に選択肢ってあったりする?」


「ないです!地獄か異世界この二つだけです!」


 あらー残念本当みたいね、普通に考えて、

 どっちも地獄なんだけど、どうしましょう

まず地獄も嫌だし、異世界は未知の世界に

一人で放り出されそうだし、それに


「ルキエルちゃん、異世界を選んだとして私何か目標ってあったりする?」


「はい!あります!早乙女さんには、今代の新たに選ばれる、勇者を守ってあげて欲しいんです!」


 やっぱり目的があるのね

 余程のことがないと地獄行き確定の犯罪者が他の世界に行くなんてことないものね


「勇者ってあれよね、魔王を倒して世界を平和にする英雄的な」


「はい!そうです!」


「てことは、もしかしてその世界もうすぐ

 ピンチになったりするの?」


「はい!なので早乙女さんには勇者を守って欲しいんです!」


 何も分からない世界+もうすぐ世界的な危機が起こる

 なかなかやばいわね


「とりあえずは分かったわ、とりあえず三つ

知りたいことがあるから、質問させてね。

 一つ目、どうして勇者を守るのか

 二つ目、サポートをしてくれるか、

 三つ目、どうして、私なのか」


「はい!わかりました!まず一つ目の質問は絡め手に、弱いからです!勇者は色々な能力を持ち、よほどの化け物でない限り、

 勝てます!ただ勇者は、魂が綺麗で純粋な

 人が選ばれるため真正面からくる敵には、強いですが搦め手はダメな勇者が多いです!

 なので搦め手、特に人のサイドの悪意から

 守ってください!」


 なるほどねー、あまり理解したくないけど

 人の中には一定数、わざわざ仲間の足を

引っ張る、馬鹿な人がいるものね

 間違いなく強い敵より、足を引っ張る味方の方が、何倍も面倒だから、その対象を私にして欲しいってことね


「そして二つ目の質問は向こうの世界は、

 スキルと呼ばれる、不思議な力があるので

 規格内の好きなスキルを三つまでプレゼント、または作成しお渡しします!」


それは、素直に嬉しいわね、選べる数と強さは限られてるけど強力な手札が手に入れば

目的も楽になるし


「そして、三つ目の質問は簡単です、条件に

合って、都合の良い魂が合ったのでこうして

お願いしています」


「ふふふ…」


 都合がよかった、すごく合理的な理由ね、薄っぺらい建前よりは、

 信用できそうね、あとは裏切られないか、

 確認しないと、そしてあとは…


「もしかして、私が追われてたの知って断らないと分かってた?」


「はい!、組織を裏切った娚さんが夢の

普通の生活をするには自分を狙う人のいない世界は都合がいいですよね」


 それよね地球は、どんなに隠れようとしてもほとんどの土地は、管理されてるし、移動も跡が残るものが多いからすぐ

 見つかる、けれど向こうの世界ではまだ何もしていないから追われることもなくなる


「いいわ、異世界でお願い」


「わかりました!それではこちらにどうぞ」


色々あったけど争いごとは得意だしなんとかなるでしょう、さーて忙しくなるわよ




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