WhiteRoom

薄明 黎

ただ死んでいないだけ

 ただ真っ白の天井を眺める、日曜日の午後11時26分。

 月曜日という週に一度の拷問に少し憂鬱になりながらも、ただ何もせずに時間を浪費している。

 金曜日時点では勉強の一つでもするか……と思っていたのだが、結局何もしないまま二日が過ぎた。


 「あ~あ」と情けない心の声を音にしてみるが、まっさらな部屋の中に響くこともなくかき消された。


――どうしてこうなったんだろう……


 少しずつ自分に腹が立ってきて思いっきり叫んでしまいたい気分になる……が、そんなことをする気力ももう生まれてこない。


 俺はただ殺伐とした純白の壁を眺めていた。


 小学校のころはバットやグローブ、顕微鏡や百科事典、ほかにもたくさんのものが減ったり増えたりしながら部屋を彩っていた。壁には自分の将来を思い描いた絵が所狭しと張り付けられていた。

 中学生のころ、このころから一つ一つものが消えていった。壁からもひらりひらりと絵が剥がれ落ちていった。俺はそれを何で埋め合わせるわけでもなく、ただ茫然と見ていた。

 そして高校生となった今、物が一つもない部屋で俺は真っ白の天井を眺めていた。


 現在時刻は午前0時02分、また憂鬱な1週間が始まった。

――まぁ、何も変わらない……どうせ、何も変わらない

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