第五十六話 落とし穴にハマる

眼をきらきらさせながら、アニメのキャラクターが敵を落とし穴にはめるシーンを見ていたアリアちゃんがパパンに聞いた。



「ちちうえ、どうしたらこれぐらい綺麗に落とし穴にハマる?」


うむ……と少し手を顎に当てて考えた後。相手を、怒らせるといいぞ。


ママとかを怒らせるなら「おーい仕事増やしたぞ~」とかだと……。


その瞬間ドアが開いて、阿修羅コンボをヒルダリアが決めた後にパパンが天井に頭ごと突き刺さったまま。


「こうやって相手が頭にくる様な事を言えば、怒らせる事は出来る」


よっと、着地した後で。


「はたらきた~くな~い、はたらきた~くな~い」とダンスを踊るパパン。再びドアからママがやってきて顔がブドウの様になるパパン。


とまぁこんな風にやるんだとブドウの顔で、血を沢山滴らせながら笑いかけて。アリアがちょっとうっとなる。



「ちちうえ、私は殴られたくない」「俺もだよ」



親子の会話としては違うかもしれないが、妙に判り合っている二人。


「とにかく、相手が自分しか見えない様にするんだ」「ふむ……」



少し、アリアちゃんが考えてすくっと立ち上がると。


(´∀`)←この表情で現場猫のポーズを取った。

「いいな!、 こうか?」とパパンもアリアちゃんの右横で同じポーズを取った。


そこへ、お風呂沸いたわよと入ってくるヒルダリアが二匹の現場猫が並んでいるのを見てパパンだけスリッパで頭をパーンとはたくと。「はよはいれ」「あい(猫ミーム風」


翌日、保育園の砂場で一生懸命落とし穴を掘った後。新聞紙をのせて、砂を綺麗に被せた後。何も知らない隣のクラスのいつもゆかりちゃんをからかっているマー君に向けて、現場猫のポーズをアリアちゃんがとりながら('ω')の顔をした所、額に青筋を浮かべてアリアちゃんに向かってくる途中で落とし穴に落下。


その落とし穴の横で、ゆかりちゃんとありあちゃんがハイタッチした後で砂場の砂を笑顔で投入。


首だけ地面から出されたマー君は結局、そのまま先生が見つけるまで放置された。


「誰にやられたの?」「判んない、ものすごくムカつくものを見てそれを向かっていこうとしたら落とし穴に落ちて。砂をドンドン入れられて、砂で眼が開けられずに眼を閉じてたらああなってました」と先生に報告。


結局、先生もそれでは判らないので判ったら教えてと言う他なかった。


それから、アリアちゃんは鼻に割り箸を突っ込みながら現場猫のポーズを取ったり。

どうやったら綺麗に落とせるか、どのぐらい穴を掘れば落ちた人があがってこれないか等を楽しく学んだ。



「ゆかりちゃん、もっと相手がムカつく表情やポーズの研究をしよう♪」

「アリアちゃん、これがお薦めですわ」そういって何故かゆかりちゃんが用意していたのは爆弾蜘蛛である。その名の通り、爆弾蜘蛛は爆発して様々なエキスをばらまく。


サイズに応じて火力が異なるが、アリサイズであれば爆竹か癇癪玉程度の威力なので子供でもそこそこ楽しく遊べる程度である。尚、デカい奴の火力はそれなりにやばいので大人でもドン引きする。



まず、この爆発蜘蛛で挑発。落とし穴には肥溜めの肥えをたっぷり流し込んでおきます。したり顔で説明するゆかりちゃん、眼がどんどんキラキラ輝く魔王。


そして、最後に穴にハマったターゲットに向かって「私達が目の前でちぴちぴちゃぱちゃぱ~(猫ミーム風)と踊りながら(*ゝω・*)の表情をするのですわ!」


両手を握りしめて、アリアちゃんが叫んだ「それ採用っ!」


ちなみに、保育園の先生が落ちて二人でそれを実行し大目玉くらいましたとさ。



「解せぬ……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る