第16話 【17/18層】謎のお店!【登録者52000人】

「カズサ、おれは見てしまったぞ!」


「なんだよ、幽霊なんて非科学的なものでも見たのか? 見るならダンジョンマスターの夢だけにしとけって」


「それはお前限定の野望だろーがよ。おれはかおりんのインタビューのことを言ってんの! ていうか、明らかにキャラが真面目君だったのはなんでだ?」


「いつもの喋り方だとNGって言われて台本を読まされたんだ。俺って普段そんなに失礼な言い回ししてるか?」


「おれはそこまで問題ないと思うけどな。ま、受け取る人によって変わってくるとこなんじゃね?」


 なんてクラスの奴と話していると、教室の外には結構な人だかりができていた。

 見たことのない感じからして他のクラスか、もしかすると1年や3年もいるのかもしれない。

 俺の名前を呼んだり手を振る生徒がいるあたり、あのかおりんって人の影響力は絶大だと言えるな。


「人気者の君はさぞかし調子づいているんだろうね?」


 顔を向けると上杉が近くまでやってきていた。


「なんだ、またぼこぼこにしてやってもいいぞ?」


「あんなの不意打ちで運よく勝っただけじゃないか。注目されている君を完膚なきまでに叩き潰すのは僕だ。それだけを覚えておきたまえ」


「で、お気持ち表明はそれで終わりか? どんなにいい勝負をしても最後に立ってなけりゃ意味がないんだよ。ま、再戦はいつでも受けて立つとだけ言っておく!」


 上杉は性格はアレだが厄介な相手なのは間違いない。さらなる強化をしておかないと足元をすくわれる可能性もありそうだ。

 差しあたっては装備品をなんとかしなければならない。

 今日は久々のソロ活動日でもあるしじっくりと探索をしていこう。

 そう決意し俺は17階に足を踏みいれた。


 ルーナがいないと細々としたトラップに引っ掛かるわけでHPとMPの消耗が馬鹿にならない。

 最低でもHP回復アイテムはいくつかは持っておきたいところだ。

 スカルアーチャーLv17という骨の弓手を解体していると、なにか小さな影が横切るのが見えた。

 名前表記がなかったことから敵ではなさそうだ。

 ダッシュ状態でそれを追いかけたが、そこは突き当たりでしかも何の姿も見当たらない。

 くまなく辺りを探っていたところ左側の壁に違和感を覚え、思い切って強く押してみる。


 するとずっと壁だと思っていたものが突然木の扉に変わった。

 いわゆる隠し部屋のようなものだろう。

 それにしても大した技術だな。

 そう感心しつつ開けてみる。


「おやおや、よくここに気付かれました~ね。さあさあお入りな~さい!」


 扉の奥は小さな部屋になっていて、俺に声を掛けてきたのはこれまた小さなおっさんだ。

 そいつはまるで仮面のような笑顔を貼り付けながら手招きをしている。


「おい、なにかの罠じゃないだろうな?」


「まさか罠なんてとんでもな~い。今の少年にとってお役に立つものばかり取り揃えておりま~すよ!」


 妙に間延びした口調から感じる胡散臭さはあるが、こういう隠し要素でデメリットがあった試しはない。

 言われるままにその部屋に入ると、至るところに武器や防具が飾られている。


「ここはなにかの店なのか?」


「ええ~まあ。少年の持っているGPと引き換~えに、便利なアイテムをお譲りしようではありま~せんか!」


 なるほど、モンスターを倒した時に手に入るあのGPの使い道ってことか。

 つまりここでの通貨のようなものに相当するようだ。

 今確認すると7000ほど所持している。


「一応なにがあるのか見せてもらっていいか?」


「お~まかせあれ!」


【300GP】

グリーンポット:HPを50回復させる傷薬


【500GP】

帰還の翼:セーブポイントまたは外へ脱出できる


【1200GP】

煙幕:周囲の視界を5秒間奪う


【4000GP】

SR【アサシンクロース】:AGI補正のある軽い服


【8000GP】

SR【極意の短剣】:防御力は下がるがクリティカルダメージがアップする双剣


 ポーションに緊急脱出アイテム、目くらまし、そして装備品か。

 どれもこれも今後の役に立ちそうだがすべて買うには足りない。

 まずはポーションと服だけ買い、武器はGPを貯めて買うのがいいかもな。


「なあ、この店はいつもここにあるんだよな?」


「もちろ~ん。移転などはしませんのでごあ~んしんをっ!」


 結果アサシンクロースとポーションを10個買い店を出た。

 武器分の8000GPをどうするかなんて言うまでもない。

 ここの仕様として、同じフロアをすべて狩りつくしたあと他の階から戻ってくるとモンスターは復活する。

 つまりそれを繰り返すのみのキリングマシーンと化せばいい。


『ご主人サマ、アタシのパワーアップについて知りたくない?』


 出て来る敵をモグラ叩きのように始末し5往復目に入ると、フェア子が突然語りかけてきた。


『そんなのができるのか?』


 ヘルプを参照してもそんな表記は見当たらない。


『もっちろん! もしどこかで【風の結晶】っていうのを手に入れたら教えてネ!』


『了解だがどうして今それを?』


『ご主人サマが死んだ目してうろついてるからだよ!』


 フェア子よ、残念ながらレベリングおよび金策作業とはそういうものだ。

 それはともかくパワーアップとは恐らく進化のことだろう。

 それがあるということは、パラメーターが上がったり新たなスキルを身につけるだろうことは間違いない。

 まあ単純に見た目が変わるだけの可能性もあるにはあるけどな。

 いずれにしても頭の片隅に入れておくとしよう。


――スキル獲得――

バーンナウトLv1

>>パッシブ。自分よりレベルの低い敵を一撃で仕留められるようになる


 これはSTRが100になった時に覚えていた。

 ただ今のところ有効に使えそうな場所はなさそうだな。

 GPが4000になったところで18階に移動し今日は終わりにした。


【ステータス】

カズサ:レベル19(↑2)

称号:10層の支配者

クラス:アサシン

HP:182(↑20)

MP:94(↑12)

STR:104(↑12)

AGI:18

INT:2

LUK:1

スキル:バスタースイングLv1

ステップカウンターLv1

ハイドLv1

ミラージュダンスLv1

バーンナウトLv1

回復アイテム:グリーンポット:10


【装備】

頭:

右手:R【デュアルエッジ】

左手:R【デュアルエッジ】

胴:SR【アサシンクロース】

足:R【ウイングブーツ】

アクセサリー1:SR【フェザーマント】

アクセサリー2:SR【祈念のタリスマン】

使い魔:SSR【タイニィフェアリー】

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