不思議のテーマ

天川裕司

不思議のテーマ

タイトル:不思議のテーマ


時は戦争。

国が国に対して立ち上がり、国民は国民に対して立ち上がった。

立ち上がるときには必ず武具を身につけ、

暴力をもって人を虐げて行く。


国を成り立たせているものは国民。

その国民が1人1人狂ってしまえば、その国も狂う。

その相乗効果の繰り返しにて、世界は戦争ムード一色に染まり、

あわや第三次世紀末大戦か!?

と噂されていた。


でも、独裁国にしても自分の国が滅びるのは望んでおらず、

また独裁国家の言いなりには絶対ならないと決め込んだ

複数の民主国家もその勢いを止めることなく、

両者、にらみ合いの末、とりあえず和平案を締結させた。


それで世紀末は何とか逃れることができ、

人の手によって世界が滅ぼされる運命は避けられた。


しかし、悪の火種と言うのは絶えないもの。

今度は別の人間(悪魔)が存在し始め、

そいつは悪魔ながら人の心に入る能力を持っていたようで、

人を内側から狂わせた。


そしてそのためにはやはりまた強引な手法をもって

人を洗脳したり、監禁して言うことを聞かせようとしたり、

やはり心の暴力・物理的な暴力をもって

人を支配しようとするその手を緩めなかった。


だから又その暗躍は簡単にバレてしまい、

複数の民主国家が互いに手を取り合い協力して、

その悪の火種を打ち消そうと

そのメッカの1国、その1国につき従う国々と

武力をもって対峙した。


結局、前と同じ形になってしまい、

経験から「二の轍は踏むまい」とした人の心理・正直・保身が働き、

また前と同じように争いを収束させ、

前よりもっと立派な和平案を締結させた後、

人の世界はまた少し平和になった。


でもその平和の土台は結構磐石なものだったらしく、

それからしばらく経っても争いは起きなかった。


代わりに平和を歌うレジャースポットやメディア、

人の賛美なんかが流行し始め、

「より平和に」「より楽しく」

その上で「より刺激的に」

といった人生賛歌のようなぬくもりが人を包み込み、

争いから遠ざかることができたように

本当に多くの人が思った。


そしてその賛歌を作り上げた者達が、

密室に篭ってこう話す。


「彼らの生活や守っているものを、あらあらしく奪ってはなりません。彼らの方から悪へ近づけるようにし、やはりその内側から変えてしまうのです」


「そのためには悪を悪だと分からせてはならない。むしろ不思議をその悪の前に設け、興味を持つように仕向けていくこと。不思議とは一見、人を引き寄せ、自分だけの宝物・人知れぬ勇気と信仰を生ませるものだ…」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=DDgpegPdh2c

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不思議のテーマ 天川裕司 @tenkawayuji

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