見抜かれた方程式

天川裕司

見抜かれた方程式

タイトル:見抜かれた方程式


私の友達にはエスパーがいる。

昔『エスパー魔美』とかいう漫画が流行ってたみたいだが、あれの男版。


「ほんと恵須(えす)君って何でもわかるのね〜♪すごいや!」


恵須「あはは、でもわからない事はまだ分からないから」


結構、謙遜な恵須君だが、実際すごい。

友達が部屋で1人でしていた行動なんかを

全部当ててきたりして、彼に頼めば無くしたものや

人の心の奥底の事なんかも分かったりする。


「どうしてそんなことがわかるようになったの?」

って聞いても、恵須君はやっぱり笑うばかりで、

「いやぁ、生まれつきこんな力が備わってたのかも?」

なんて、自分ではあまり特別視してなかったようだ。


逆に恵須君の方からすれば、

周りの人たちの方が変わってるように見えるらしく、

「自分はなんでこんな風になっちゃったんだろ?」

ってなんとなく悩んでる姿を見たことがある。


「そんなことないよ!悩むことなんかないよ!その力を人助けのために使ってみたら?」

って私はアドバイスしてあげたんだ。


すると恵須君は、

「そうだね。それが良いかもね。ありがとう」

って言って、私に微笑んでくれた。


恵須君は普段から、本当に心が優しい人。

みんなの人気者で、もともと縁の下の力持ちタイプでもあり、

自分の事をあまりひけらかしたりしない人だった。


だからそんな能力の事も自分から誰かに打ち明けた事はなく、

私が気づいて彼にその力のことを聞いて、

それからやっと周りの友達も

彼のそんな能力を知った…って感じ。


でも彼はその能力を悪用する事は一切なく、

私が言った通り、人助けのために使うようになってくれた。


「ありがとう」

「ありがとう〜♪」

彼の周りでは

そんな友達の声がいつも飛び交っている。


それに恵須君は、結構なイケメン。

実は私、その恵須君に入学当時からちょっと憧れ、

好きになっちゃってたんだ。

そのうち告白しようかなぁなんて考えてた。


そんなある日の昼下がり。

今日は学校が休みで、朝からずっと部屋にいた。

今は7月だけど、今日はかなり涼しくて、

涼風を部屋に入れようと窓を開けた。


そして静かに本を読んでいた時、

「ンもう!何よこれ!」

小蝿が1匹、私の机周りを飛んでいた。


「もう!」なんて言いながら手を振り払った時、

いつもは当たらないのにその時は偶然当たった。


パチン!と手に当たって床に落ちた小蝿。

でも…

「ん、なにこれ?…ハエじゃないね…」

ハエだと思ってたそれは何か小さな機械のようで、

自分では見たこともない代物だった。


(恵須君の自宅)


恵須「くっ…!このキン!ってくるのがヤだよな!チッ、また作らないと…」


(超小型ドローンの設計図をパソコンに映しながら)


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=Zjjy--RqRq0

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見抜かれた方程式 天川裕司 @tenkawayuji

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