生と死の狭間で
@AE_zionics
第1話 徴兵
14歳の夏
僕の国で戦争が起きた。
僕の父は戦地に赴き、担任の女教師は医療隊として派遣された
戦争が始まってから2ヶ月、人の弔報に慣れかけたある日僕の元にも召集令状が来た。
学ランの首元に溜まる汗を嫌がりながら登校していたあの日と比べて、僕の首元には金色のバッチが光る迷彩柄の襟服を身に纏っている。
学ランの頃に比べて、襟元のキツさは緩いものの、何故か緊張感と高揚感に見舞われる
ぼくの派遣された場所は戦地の中でも特に被害が甚大で、毎日何万人と死者が出ている
むせ返るような火薬の匂いと血の匂い
小学校の頃、転んで擦りむいた切り傷から微かに匂う鉄の匂いよりも、より強く鼻の鼻腔をそれが掠っていく。
偶々通りかかった医療施設で、僕はそれを見た。
それは四肢がもがれ、まるで蠢く手足のないバッタを彷彿とさせるような僕と年が変わらない女の子だった。
爆撃に遭ったのか、地雷を踏んだのか定かではないが衣服は焼け爛れ、皮膚と服の境目がわからない状態だったが、僅かに残るその膨らみを見た瞬間に僕の頭の中で弾けるような、罪悪感のような訳の分からない感情が込み上げてくる。
お姉ちゃんのそれとはまるで似ても似つかぬそれは、僕の中心を昂らせ、昂ったと同時に頭が真っ白になった。
ねちょねちょとした感覚を我慢しながら、僕は医療テントの裏に行き、確認した
射精している。友達から男には興奮すると射精すると聞いたのだが、自分には縁遠いものだと思っていたので、これをどうすればいいかわからず、ただひたすらに隠す事を選んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます