第10話 エリシュ
前書き(お詫び)
次回からを第一章にします
追記
遅れました
めちゃくちゃ遅れました
申し訳ないです…
茂みの中に二人の女性がいる。
両方黒髪で、身長が長い方は髪が肩にかかりそうなぐらい髪が長く、軽装を着ており、腰には使われた形跡があまり無い様に見えるナイフが挿してある。
身長が小さい方も軽装を着ているが、身長が長い方と違い全身が隠れる様な服装をしており、短剣を抜いて鹿に似ているが体毛の色が鹿と違う獣を追い立てている。
「夢見さん!そっち行きました!」
身長が低い方は茂みを挟みながらそう呼びかける。
「分かった!」
それを聞いた瞬間に夢見と呼ばれた少女は武器を抜かずにその場に手を伸ばす。
数瞬の後に獣が茂みから飛び出し、それに少し驚きながらも魔法と言われるものを使い手から石を飛ばし獣の頭に当て、意識を奪う。
「わっ!」
夢見は驚いたせいでバランスを崩し、尻餅をついた。
「大丈夫ですか?」
身長が低い少女は夢見のそばに行き、少し心配の声をかけた。
「うん、大丈夫だよ。追い立て役ありがとうね、エリシュ。」
「早速解体してギルドに持ち帰りましょう。」
エリシュと呼ばれた少女ははナイフを取り出し、獣を解体し始めた。
◇◆◇
獣の解体が終わり、彼女たちが帰属している組織…一般的にはギルドと呼ばれているが本質は何でも屋と同じである所へ帰っている途中。
「エリシュ、別に敬語使わなくてもいいし私の名前は呼び捨てでもいいんだよ?」
「ですが…そっちの方が楽なんですよ。」
「そっか…まあ、無理して使う必要もないもんね、楽な方で良いよ。」
ーーーーーーーーーーー
私が転生してから少し時間が経った。
私は6級冒険者になり、一人でも簡単な依頼なら問題なく受けれる様になった。
とは言え…危険なものはエリシュと二人で受けるようにしている。
文字は殆ど覚えたがまだ読むのには慣れておらず時間を要して不便だが、前よりはとても充実しており、依頼を達成するにつれ自分の技術も上がっていくことに心地よさを覚えた。
だが、それに少し恐怖を覚える。
最初の頃は依頼で魔物や動物を殺すことに多少の罪悪感を感じていたが、最近は余り罪悪感を感じなくなった。
魔物にしかない器官が身体にあるとかなんとかと聞いたが、それによって心も変わったのだろうか。
それと、エリシュの事だ。
色々と話した結果、彼女が私には想像できないほどの壮絶な人生を送っていることが分かった。
私にはその痛みを知って隣で歩むことは出来ないが、出来ればその痛みを和らげるぐらいはしてあげたい。
◇◆◇
少しばかり時を戻す。
「そういえばエリシュはなんで冒険者になったの?」
そう夢見は問いかけ、エリシュはそれに答えた。
「細かい所は省きますが…私は奴隷として暮らしていた頃があります。」
「…え?奴隷?」
「はい、首に奴隷である事を示す焼印があります。」
「奴隷…エリシュみたいな子供が?そんな事があるの?」
「はい、残念ながらそれがあるのです。私は魔人と呼ばれる種族でして、人間と比べ肌の色が違ったり角が生えてたりするんですが、魔人と言うのは一部の地域では差別の対象として扱われているんです。いつだったかは忘れましたが…ある日、私は奴隷商人に捕まり、そのまま売られたわけです。」
「そんな…誰もそれをおかしいと思わないの?そんな残酷な…」
「魔人と人間の関係はそんなものです。昔の方が酷かったと聞きますし。」
「それで、私が冒険者になった理由でしたね。単純な理由ですが…私を奴隷から解放してくれたのがたまたま冒険者だったというだけです。」
「…でも私が冒険者になった理由よりはマシだと思うよ。私なんてお金が稼げるだけって理由で冒険者になったんだし。」
「そうなんですか。」
「そう、私はただ楽をして生きて行きたかっただけなんだ。」
「…確かに私も、奴隷から解放されてから特に何かをやりたいって感じでは無かったですね。ただなんとなく、あの冒険者の様に生きたいってだけですから。」
「でも凄いよ。私だったら耐えられないと思う。奴隷の生活なんて…」
「そうですか。…ところで、これから夢見さんは何をするんですか?」
「私?私は…もう傷は治ってるわけだし…一回バートリっていう人の所に行くかな…」
「私も着いて行っていいですか?このまま一人で居るよりは…とはいえ孤児院の人はいますが―誰かと一緒の方が良いというか…単純に貴方に恩を返すまでは傍に居たいです。」
「分かった、じゃあ行こうか。」
後書き
登場キャラのトラウマ(主人公除く)
オルド 初恋の人
ユダ 父親
ベア 父親
バートリ 現状無し
ファウスト 図書館
グレイ 故郷
オリヴィエ 過去の仲間
エリシュ 奴隷
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