第5話 冒険者試験
前書き
冒険者の男女比は男女男男女男女ぐらいが良いのかも
↑ユーモアの欠片もねぇな?
本編
バートリに魔法の使い方を教えてもらった次の日。
夢見は冒険者協会に行くため、ベアの背中に乗っていた。
(どうしてこんな事になったんだ…?)
馬車よりも早く走るベアの背中で風を感じながら夢見はそう考える。
少し時が遡る…
◇◆◇
「夢見。今日は冒険者協会で試験を受けるってバートリ様から聞いたよ。そろそろ馬車が出る時間だから早く行かないと。あ、これ馬車代と試験手数料ね。」
そしてベアは夢見に一枚の銀貨と何枚かの銅貨を渡す。
「あ、ベアさん。何で馬車に乗る必要が?」
「実はこの街には冒険者協会が無いんだ。だからここから少し離れたミジョンと言う街に行かないと行けなくて…で、その為に馬車に乗る必要が…って、もう馬車出てるね…」
「そんな事バートリさんから聞かされてませんよ…」
「全くあの人は…どうしよ、次の試験は来月だし…あー…じゃあ…一回外行くよ。」
そう言い外に出る。
「じゃ、乗って。ちゃんと掴まってないと落ちるよ。」
ベアは乗りやすいようにしゃがむ。
「え…?」
「ほら早く乗って。大丈夫だよ、君1人分なら簡単に持ち上げられるから。」
「いや…え?いや…あー…は、はい…」
かなり困惑した様子で夢見は返事をし、ベアの背中に乗る。
「よし、ちゃんと捕まってね。いやマジでちゃんと捕まってね。」
「じゃあ行くよ。」
そう言ってベアは想像を越えたスピードで走り始めた。
◇◆◇
(改めて考えてもよく分からない…しかも凄い早い…)
脳が処理しきれないほどの情報量を与えられ、夢見の脳は風が気持ちいい事と髪からいい匂いがする事しか考えられなくなっていた。
「夢見?大丈夫?」
「だ、大丈夫…逆にベアこそ大丈夫なの?」
「そりゃ勿論。それより舌噛まないようにして。」
◇◆◇
気づけばミジョンの冒険者協会にいた。
「ベ、ベアさん、ありがとうございます…」
「どういたしまして。じゃあ…これ。帰りの分の馬車代と…試験手数料。改めて渡しとくね。」
「じゃあ私は少し寄り道してから帰るよ。大丈夫。夢見なら受かるって!」
そう言いベアはその場を去った。
(凄い人だな…で、ここが冒険者協会か、カロリングと同じぐらい大きいな…)
夢見は辺りを見回す。
「これで落ちたら親と同じ農家か…」
「大丈夫、習った事を思い出せ…」
周りには沢山の人がいる。おそらく試験を受けにきたのだろう。
何やらこちらに指を指して何かを言っている人がいる。
そう言えばベアにおんぶされて来たのを思い出し、少し恥ずかしくなる。
(と、とりあえず中に入ろう)
中に入り、受付の…魔人?らしき人に試験を受けることを伝える。
「冒険者試験ですね…えーと、戦士系試験と魔法系試験、偵察系試験のどれですか?」
「え?えーと…魔法系試験で。」
「分かりました。こちらに貴方の名前を書いてください。文字が書けない方向けに口頭で伝えていただく方法もあります。」
「じゃあ口頭で、私の名前は夢見 現です。」
「はい、分かりました。後程名前を呼ばれますので、係の方に着いて行ってください。」
「分かりました。」
しばらく時間が経つ。
勿論の事だが受からなかった者もいるようで、文句を言っている人が時々いる。
「エリザ・リースさん、アリュ・アルトロイドさん、ユメミ・ウツさん、エリリス・アグリッドさん、こちらにお越しください。」
職員の1人がそう叫び、私たちはその人に着いていく。
そこは少し小さい部屋で、机が置いてあること以外には何も無い。
「私が試験監督官のリン・リードです。まず…貴方達が使う魔法の種類を教えてください。支援系、攻撃系、幻惑系の中から答えてください。」
「ではリースさんからどうぞ。」
「支援系と幻惑系よ。」
「はい。次、アルトロイドさん。」
「我が家系は炎の魔法で有名なんだぞ?そんなもの決まっているだろう。」
「…攻撃系ですね。では次、ウツさん。」
「あー…攻撃系です。」
「はい。次、アグリッドさん。」
「攻撃系と幻惑系。」
「…はい、分かりました。まずは魔力保有量を調べますね。」
そう言うと何やら小さめの容器の中に入った白い砂の様な物を四つ取り出す。
「こちらは空の魔石を砕いた物となります。こちらの魔石にご自身の魔力を注ぎ込んで全体が黒色になれば合格です。」
「ではどうぞ。」
私たちはは一人ずつそれを受け取り、魔力を込める。
夢見は魔力の込める方法が分からなかったが、魔力の流れ自体は把握できたので魔力を込め、黒色にする事に成功した。
夢見以外も成功し、それを試験監督官に渡す。
「全員合格ですね。ではこの魔力は貴方たちにお返しします、手を出してください。」
試験監督官はそれを握り、何やら魔力を取り出しているようだ。
その魔力を手から私達に流すことで先程込めた魔力が戻ってきた。
「次は実技試験となります。支援系の方はあちらの方へお進みください。攻撃系はあそこの人形が置いてある所へ、支援系と同じくあちらへ進んでください。二つ以上ある方は両方行ってください。場所を忘れてしまった場合は職員に言ってもらえればいつでも教えますので。」
そう言うと試験監督官の彼女は他の受験者を呼びにここを去った。
後書き
過去の私になぜおんぶさせたのかを問い詰めたい
多分性癖に従おうとしたんでしょう
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