第45話 女子高生、ある提案をする。

「つまり、脈龍の体内に穴を開けることができるってわけ。その穴から体内に侵入して、本体であるゴールデンカナヘビを倒せば、きっと脈龍は消滅をするはずよ!!」


 ササメさんは、普段のイメージからは想像のつかないテンションで話している。

 そりゃそうだ。日本に住んている人たちを、千数百年ものあいだ苦しめてきた脈龍を攻略する糸口をつかめたんだもの。でも……。


 アタシは、今思っている事を素直に聞いてみる。


「脈龍を倒せる可能性があるのはわかりました。だけど、脈龍の中には未攻略のダンジョンがまるごとあるってことだよね」

「ええ。ダンジョンを探索して、脈龍の本体である、ゴールデンカナヘビを倒す、もしくは封印が必要になるわ」

「今年中に、脈龍が目覚める可能性があるんですよね。のんびりしてらんないよ?」

「ええ。まだ誰も入ったことが無いダンジョンだから、複数チームで手分けをして、ゴールデンカナヘビを探索したほうが良いと思うわ」


 なるほど……つまり誰も知らない未踏破のダンジョンを探索できるってことだ。

 アタシは、今思っている事を素直に言うことにした。


「じゃあ、ちょっと提案があるんですけど……」


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 ・

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「それいい! 絶対いいよ六花りっかちゃん!!」


 アタシの提案に、ロカさんはノリノリだ。


「ねえねえ、六花りっかちゃんのアイデアやっちゃおうよ!!」

「そうね。悪くないかもしれないわ。問題は、小次郎こじろうさんを説得できるかよ」

「大丈夫! おじさんならアタシが言い負かすから!!」

「言い負かすって……うふふ、困っている小次郎こじろうさんの顔が想像できるわね」


 ササメさんが、ちょっと困ったような笑みを浮かべる。


「アタシは、ワンコとワンコのおじぃちゃんを説得しなきゃな。おじぃちゃん、ああ見えてヘンなところ気難しいからさ」


 アタシが思案していると、またもロカさんが提案をしてくる。


「そうなの? だったらアタシからもワンコちゃんのおじぃちゃんにお願いしてみようかな。おじぃちゃん、ラブロカチャンネルのヘビー視聴者だし」

「助かります! ロカさんが頼んだら、おじぃちゃん一発KOですよ!!」


 ササメさんが、こんどは優しそうな笑みを浮かべる。


「うふふ、頼もしいわね。わたしは、他の探索者も当たってみるわ」


 待ってなさい! 千数百年も少女を喰い漁ってブクブクに太った脈流をギャフンと言わせてやるんだから!!

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