第6話 女子高生、ダンジョンでサンドイッチを食べる。
「スゴイ! スゴイ!! お手柄だよワンコ! さすが剣道道場のひとり娘!!」
「え……ほぎゃ!!」
「あ、ゴメン、ワンコ!」
「ホント、すごかったよ! 逃げるゴールデンカナヘビを一刀両断!」
「ありがとう。最初の太刀を避けられた後、あきらめないでよかったよ」
わたしは、笑顔でガッツポーズをすると、
? なんで??
「ワンコ! トップスやぶけてる!!」
「ええ、どこどこ!?」
「左側、下からビリッと!!」
本当だ! トップスが下からほつれて破けている。きっとあの時だ。ゴールデンカナヘビを倒すために、むりやり腕を伸ばした時だ。バッチリ、ブラが見えちゃっている。
「きゃあああ!」
わたしは急いで胸をガードすると、
「ありがと……」
「本当にごめんね。コスチュームの生地、安物だったからさ……」
「平気だよ。平気、ゴールデンカナヘビも倒せたし。ロゥファに比べたら全然恥ずかしくないよ」
「? どうして?? アタシのは水着だよ。恥ずかしいわけないじゃない。へんなの」
「ま、まあ、ロゥファが恥ずかしくないならいいけど……」
「そんじゃ、ゴールデンカナヘビがドロップしたシェールストーンを回収……ってなにこれ!?」
「なにそれ? すっごくおっきい!!」
普通、シェールストーンは直径3センチくらいなんだけど、
「ショートソードのカートリッジには、到底入りそうにないね」
「こんなのねじ込まれたら、壊れちゃうぅ!!」
「ダンジョン出たら交換所に持っていこっか」
「だね。こんなにおっきいシェールストーンなんだから、めっちゃ価値ありそう!」
「どうだろう? そんなことよりロウファ、そろそろおなか空かない?」
「もぐもぐタイムだね! いいよ!!」
ダンジョン配信は、モンスターを狩ったあとに、ダンジョンの絶景を眺めながら食事をするのが定番になっている。
キャンプ配信カリスマ、
わたしたちは、草原を散策して、映えそうなポイントを探す。
「あ、あそこの岩の上なんていーんじゃない?」
確かに、あそこに登れは草原エリアをぐるりと見渡せそうだ。
「はい、サンドイッチ。ちゃんとロゥファのぶんも作ってきたから。ってか、どーせ何も持ってきてないんでしょ?」
「さすが、ワンコちゃん! いーお嫁さんになるよ♪」
「じゃじゃーん! 愛情たっぷり! ワンコ特性サンドイッチでーす! あっ、フルーツサンドがある♪ ひゃー萌え断❤︎」
「ロゥファが好きな桃でバラを作ったの。わたしのは夏みかんを使ったコスモス」
「すごーい、アタシたちのコス色とおそろじゃん!! めっちゃ映えじゃない?」
そっか……
「ほらほら! ワンコもポーズポーズ!!」
「うん!!」
わたしは、夏みかんサンドを顔の左に持ち上げて
「いただきまーす!!」
「いただきまーす!!」
おもいっきりフルーツサンドにかぶりついた。
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