休日



 ふと、温かなぬくもりを感じ、目を瞑ったままそのぬくもりに体を寄せる。

 今日は何だっけ?お休みの日?何か予定はあったかな?

 そんな事を考えながら「それ」に顔を擦り寄せる。



「まだ早いから眠ってていいよ」



 その言葉とともに頭を撫でられる。

 大好きな声。あぁそうだ、今日は一緒にゆっくりしようって。出かけるのも良いねって話てたんだった。

 包まれている感覚が心地よくて直ぐ傍にある彼の服をぎゅっと握った。

 クスクスと笑い声が聞こえたかと思うと、強く抱きしめられた。その力に安心して手の力を抜く。するとその抜けた分だけまた抱え込まれる。



「お休みなさい?」



 私をあやす様な声と撫でる手のぬくもりに抵抗する気もなく、小さくて頷いてからまた眠りに落ちた。














 目が覚めた。目をゆっくり開きながらお出かけ、と独り言のように呟く。



「お出かけしたい?」


「うん……」



 ぼんやりと返事をする。隣にいる彼は体を横にして私を見ていた。

 何となしに見つめていたらどうしたの?と顔を覗き込まれた。額と額がくっつきそうな距離になってやっと覚醒する。すごく、近い。



「のんびり出来る所がいい」



 顔が赤くなって行くのを隠すように、視線を外し上半身を起こす。手ぐしで髪を整えなからそう言えばプラネタリウム行きたいと思っていた事を思い出した。言ったらきっと彼なら良いって言ってくれるはず。



「プラネタリウム行きたいって言ってたかな?確か今、期間限定で?」


「え?」


「違った?」


「ううん、行きたい!ありがとう」


「ふふ、じゃあそうしようか」

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