休日
ふと、温かなぬくもりを感じ、目を瞑ったままそのぬくもりに体を寄せる。
今日は何だっけ?お休みの日?何か予定はあったかな?
そんな事を考えながら「それ」に顔を擦り寄せる。
「まだ早いから眠ってていいよ」
その言葉とともに頭を撫でられる。
大好きな声。あぁそうだ、今日は一緒にゆっくりしようって。出かけるのも良いねって話てたんだった。
包まれている感覚が心地よくて直ぐ傍にある彼の服をぎゅっと握った。
クスクスと笑い声が聞こえたかと思うと、強く抱きしめられた。その力に安心して手の力を抜く。するとその抜けた分だけまた抱え込まれる。
「お休みなさい?」
私をあやす様な声と撫でる手のぬくもりに抵抗する気もなく、小さくて頷いてからまた眠りに落ちた。
目が覚めた。目をゆっくり開きながらお出かけ、と独り言のように呟く。
「お出かけしたい?」
「うん……」
ぼんやりと返事をする。隣にいる彼は体を横にして私を見ていた。
何となしに見つめていたらどうしたの?と顔を覗き込まれた。額と額がくっつきそうな距離になってやっと覚醒する。すごく、近い。
「のんびり出来る所がいい」
顔が赤くなって行くのを隠すように、視線を外し上半身を起こす。手ぐしで髪を整えなからそう言えばプラネタリウム行きたいと思っていた事を思い出した。言ったらきっと彼なら良いって言ってくれるはず。
「プラネタリウム行きたいって言ってたかな?確か今、期間限定で?」
「え?」
「違った?」
「ううん、行きたい!ありがとう」
「ふふ、じゃあそうしようか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます