3 植物人間の時代 (9)

 確かに言語でしたが、それは意味不明の単調なしかし穏やかな呪文のような言葉でした。何かの経典かもしれません。

 究極の平等で平和で穏やかな世界が訪れたのです。これこそが、大昔の野蛮な人類が目指した本当の幸福だったのでしょうか。今の進化した植物生命体である彼らは、その疑問すら持ち得ません。

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