2 無性・無産・不死人間の時代(9)
そうです。ミーさんとユーさんは、〝無性人間〟でした。もちろんかつては、両性人間で、真・フリーセックス時代を謳歌した人たちです。二人とももちろん二百歳を超えています。もともと両性人間で、今は無性人間ですから、しかも超高齢で、見かけがおじいさんかおばあさんか分からなくて当然だったわけです。でもこれはミーさんとユーさんに限ったことでは無いわけです。もちろん皮膚の体外培養による新品との交換もいつでも可能でしたが、あまり健康には直結しないのと、高年齢を競い合い、自慢する機運もあって、長寿の証拠である深いしわの畳まれたしみの多い顔を、新品と交換することを怠っている人が多いのが現状です。かつてヒアルロン酸を注入してしわを延ばして隠し、見かけのアンチエイジングをすることが競われていた大昔の慣習は、彼らにはとうてい理解できないでしょう。逆に平均寿命がまだ百歳にすら届いていなかった大昔の人たちには、深いしわの畳まれたしみだらけの老け顔が自慢である時代が来るとは想像だにしなかったことでしょう。
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