第2章 メリオス決戦No.3

「なんでだよーーー!!!ダビちゃん!!!」

「すまんなぁ……」


俺は“魔族は国外追放”という覚悟の上で話をした……話をしたのだけど“他所ものには渡さない!”という圧倒的な世論、派閥のことを考えると時間がかかり過ぎると判断したのだ。

だが“俺は諦めない!”最後の最後まで説得した。


「だから、一言

“ガルシア、お前を解除する。一緒に戦おうぜ キランッ”って言えば解除なるんだからさぁ!」

「……ゼッテー嫌!」


俺は必死に説得したが、ダビドは説得どころか冷たい視線でドンドン遠ざける。

それでも説得は続けた。


ーーー十数分後



「あぁ、もう正直に話すわ。メリオス王国は歴代王、つまり一民族が出来た王国なんだよ。だから一民族で戦うべきだ!」


“あぁ、この人は怖いのだ。そして優しいのだ。だから、この短時間で親友と呼べる人間ができたのだ”

メリオス王国としてトップの“ダビド王”。

王国は発展したが、大きくなり派閥まで強くなり、王と呼べるものは少しずつだが小さくなった。だが、カリスマ性の“王”である。

どうにか保っていたが“一民族として”という部分だけはどうしても防げなかった……もちろん、恐怖政治が少しでもあったのであれば無理やりでも“多民族”という形にはなっていたかもしれない。

それが“優しさ”の所以である。


「……分かったよ。ただし、コレだけは肌身離さないでくれよな!絶対だからな!」


そう言って“石のペンダント”を渡した。ダビドは“こりゃ、絶対怒るなぁ”と感じ、覚悟を決めたのだが、俺が平然として石のペンダントを渡したものだからビックリして呆然とした。


「……怒らないのか?」


ダビド王は俺の顔を恐る恐るみたが、俺があまりにも笑顔になるものだから安心してしまった。


「怒るのも何にも“交渉は失敗した”。ただそれだけ。何もないさ」


俺は“ダビド王がどれだけ想っているのか?”と考えると引くしかなかった。

ダビドは俺の想いを察したのか無言で握手をする。

すると、突然ドアがゆっくりと開く。


「お話し中、申し訳ございません。ダビド王、そろそろ出発の時です。ささっ!決起集会が始まってますので急いで集まって下さい」

「うむ」


そう言って

兵士が敬礼する。それを見たダビドは“ポンポン”と兵士の肩に軽く叩く。つまり“ヨシ!行くぞ!”という意味で一兵士からするとトップの“王”が、そう言ったのだからモチベーション爆上がりである。

そしてガルシアの方へ向く。


「そうだ。ガルシア……せっかく、だから決起集会みてくれよ」


ダビドは“ニコッ”と笑顔になり、再び真剣の顔で且つ、ゆっくりと歩いていた。

だが“人対魔族”は明らかに圧倒する戦力差。

客観的に数をみると人間が有利だが、魔族側をみると断然的に有利……それぐらい圧倒的な有利が予想されていた。

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