第2章 メリオス決戦No.2

「なんでだよーーー!!!」


ここはメビオス城、深夜。ダビド王とラウラ姫が天井で話し合っている頃、ガルシアとシルバードラゴンは話し合っていた。

もちろん、頭良いシルバードラゴンが事前に隠密の魔法と誰にも閉じないようの魔法。計2つを施した。


「おぬし“魔族協定”って言葉知らんのか?」

「そりゃ、知っているよ!知っているけどさぁ、相手は魔族でしょ?魔族なら協定破棄して攻め込んでくるって!」


それを聞いたシルバードラゴンは“コイツ、マジか?”という顔をし、まるでバカの子を見るような表情をしてコチラへ向く。


「アホウ…もしかして“魔族協定”には何も魔法がかけられていないと思っておろうな?」

「えっ、思っているよ。だって、詠唱も唱えてなかったし、手からオーラもなかった…よって、魔法は叶えてなかったんじゃないかな?」


俺はドヤ顔でシルバードラゴンの意見を真っ向から反論した……だが、シルバードラゴンには何とも言えない顔になっていた。

“コイツ、ホンマにバカじゃのう…”


「おぬし、バカか!!魔法なんぞ隠れ呪文するのが当たり前なんじゃ!…ったく、ここ数万年、生きてきて騙されるのは、おぬしだけじゃわい!」

「………はっ?」


“ちょっと、待て…?こんなショボイのに魔法が使われているだと!?(立派な魔族協定です……)”

俺は凄く凄く衝撃を受けた。


「ふん、そんなこと分かっていたことだし!お前が分かっていないのかを調べるために、カマかけただけだし!」


俺は“フンッ”を鼻を鳴らした。何故なら、そのことは一つも考えなかったからだ。要は魔族協定を破棄して、すぐにメリオス軍に加われば良い。

だが、そんな簡単にはいかなった……相手(ジョゼ)が分かっていても、プライドが邪魔して本当のことが言えなかったのだ。


「……まぁ、話は分かっているかもしれんが魔族協定ついて話をするぞよ。魔族協定とは……」


話はこうだ。

魔族協定とは建前上これ以上被害の拡大を防ぐため設けられた物。もしくはただの遊び分で作られたもの。以下の通りである。

・魔族同士、争わないためにお互い“魔族協定”魔法をかける。そしてペナルティがあった場合は強制的に気絶しなければならない。この時、死亡は関与しない。

・ホストはお互い相互関係、今回はお互いの“王”として解除、封印ができるものとする。

・もし虚偽の言葉で言っていたらホスト、従事者がペナルティ…死を持って償なわければならない。


「…という説明じゃ。まぁ、国なんてどうでも良いからのう」

「どうでもいいって……あ、本人(王)に説明して解除してもらおう!?」


シルバードラゴンは“はぁ……”とため息をついた。


「アホウ、この発言は本心でないといけないのじゃ!……人間を見てみい。人は欲の塊じゃ!本心と思っても本心じゃないかもしれん。それを“神”と呼ばれるものが裁かれるのじゃ。それに今、ピンチでも足を引っ張りおる……それが人間じゃ」


“痛いとこつくなぁ……”

俺も心の底からそう感じてしまった…人は弱いくせにプライドが高い。しかも、国となれば派閥を作って動けにくくなってしまう。

だが、人はとんでもない事を平気でやってしまう。そのことを信じたい。


「俺は信じるよ」


俺は覚悟を決めた、真っ直ぐな気持ちでシルバードラゴンと向き合う。シルバードラゴンも再び大きくため息をつきながら

“勝手にせい…”

ということ口走っていた。


「ありがとう!あっ、ダビド王の所まで行かなきゃ!」


シルバードラゴンも無言で、ガルシアを見送った。シルバードラゴンが考える

“この戦争で人間不信ならんかもしれんのぅ…”

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