第5章 王位交代No.2

ガルシアのでツッコミを聞きつけザビ王は返答した。


「まぁ、共和国と言っても“なったら良いなぁ”ぐらいじゃからのう。まぁ、本気で共和国にしようと思うのなら全力で捻り潰す!」


ザビ王は目が“キラン”っと光る。


「今はそのようなことは…」


隣で対策していた、秘書のジャーファルが慌てて遮った。


「おっ!すまん、すまん、これからは気をつけるよ」

「ははっ」


ジャーファルは頭を下げ後ろに下がった。


「何にせよ、めでたいことじゃ!本日、午後12時に発表じゃ!…まぁ、風呂に入りたいからのう」


ザビ王は“クンクン”と匂いを嗅いでいた。それを見た、兵士達はドン引きして後退りしていた。


「パパ、臭い…」


チャンドラもドン引きの一人だ。

凄く嫌そう顔をして後退りをしていた。それを見た、ザビ王はショックを受けたらしく、ショボと風呂場に入っていた。



ーーー午後12時大衆の広場の前。


オルール城は2階の広いテラスから大衆広場が見えるらしく重大な発表があると、ここに集まって話をする決まりがあった。


オーーーッ!

ピピーーーッ!


およそ一万人。

大衆の人々が我先にの勢いで熱狂していた。そして、中でもクーデター兵の勝利と何かが発表するのではないか?という噂が立ち、発表前にも関わらず大衆の熱気は最高潮に達していた。


「おいおい!すげーなぁ!」


俺は目をまん丸にして立ち止まった。すると、誰かが”ポンポン”と肩を叩いた。アイヤールだ!群衆慣れもあって、動じずドッシリ構えていた。


「なんだ、緊張してんのか?どんな相手に挑もうが平気だったのに、大衆相手じゃ形無しだな」


アイヤールは“ニヤニヤ”と笑った。


「うるせ〜‼︎それとこれとじゃ、勝手が違うわ!」


アイヤールが人前に立つにも関わらず、余裕を持っていることに腹が立った。思わず、暴言を吐く。


「まぁ、サシル軍に入ったのは幸運だと思うぜ。むしろ、誇らしく思う。本当にありがとう!」


アイヤールは穏やかな顔になる。


「さぁ、ここからは思いっきり楽しもうぜ!」


アイヤールはその事を言うと、先頭に立ってゆっくりと歩き出した。

俺はアイヤールの姿に感動を覚え、涙が堪えるのが必死だった。


「静粛に!静粛に!これから王から説明する。皆の衆、口を閉ざして聞くように!……さぁ、ザビ王様、どうぞ!」


アイヤールは後ろを振り替えり誘導する。王は軽く頷き、大衆の前に歩み寄る。


「サシルの民よ。苦しいながらも良くぞ耐えてくれた!本当にありがとう!

見事!クーデター兵を打ち破ってくれた、サシル軍もお礼言う。本当にありがとう!」


オルールの広場の民は割れんばかりの歓喜に震えていた!


「ここで!皆の衆に重大発表がある!チャンドラが新女王になったのだ!」


大衆は驚きと喜びで地面が揺れんばかりの歓喜に震えていた。チャンドラもザビ王に肩を叩かれ、前に出た。新しくなった、チャンドラ女王の姿を見ると、さらにまた歓喜が大きく震えていた。


「新しく女王になった、チャンドラです!これから新しい国になりますので、一緒に頑張っていきましょう!」


チャンドラはその事を言うと、大衆の民は割れんばかりの歓声になった。

ザビ王も“うんうん”と頷いて涙目になっていた。


「これを持って新しい女王と認識し、重大発表とします。まずはサシル共和国はモスト帝国の属国になります」


そう言うと大衆の民は“ザワザワ”という声になった。チャンドラも予想はついていたらしく、安心してゆっくりと口に出す。


「”属国って、サシル共和国が虐げられるのではないか?”と思われると思いますが、そうではありません!いわば、立場は平等!むしろプラス面が多いんです!現にドラゴン騎士団が任務のため来て下さいました」


ドラゴン騎士団が“ペコリッ”と頭を下げた。


「今は疑心暗鬼かもしれません!どうか、私たちを信じて下さい!裏切られたと思ったら、迷わず退任してくれて良いですから!」


最初は大衆の民は“シーン”としていたが、数秒後に大きな大きな拍手で出迎えられた。

ザビ王も”うんうん”と泣きそうになりながら、新しい女王になったチャンドラを誇らしく思った。


「もう一つあります!さぁ、アゼルここへ!」


アゼルはどこに潜めていたのか、足早に前に出た。ザビ王もなんだか嫌な予感して“ドキドキ”していた。


「皆さん、お気遣いの方がいらっしゃると思いますが、このアゼルと夫婦になりました!もちろん、できちゃ結婚ですぅ〜」


“クーデターや新しい政策なんて、どうでもいい!!”

今日一番の大衆の声が歓喜とブーイングの両方が入り混じった。ザビ王も“クーデターじゃ!クーデターじゃ!”と言って退場していった…。


俺が言うのもなんだけど“ちょっ変わった家族なんだなぁ”と感じてしまった。

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