第2章 砂漠の姫No.1
ガルシアは炎天下にも関わらず「町がある!」と思い込み(結局、蜃気楼だが…)ダッシュ!!!
ドンドン小さくなっていった。
「なんで、元気なんだろう…」
マッシュはため息をついた。そして、マッシュは“ふとッ”思いつく。
「思えば、ガルシアという男は、こんなに体力があったのだろうか?」
「ん?」
マッシュは前の様子を見ると一瞬、立ち止まって見えた。そして逆方向を走り出しドンドン大きくなっていく。しかも、それ以上に大きい物体がこちらに近づいてくる【デザートクラブ】(砂漠のカニ)だ!
「……いや〜、怒ってんなぁ」
マッシュは呑気に見ていたが、デザートクラブはこの魔族にも関わらず性格は穏やかで滅多に怒ることはない。それなのに、デザートクラブが怒るなんて……しかも、短時間に何をしたのか凄く気になる。
“ブンッ”
パラパラと砂煙が飛び散る。デザートクラブが勢いよくハサミを斬る。ガルシアも必死な形相でこちらに向かって走ってきた。
マッシュもガルシアとデザートクラブがこちらに来たら危ないので避ける。
「ん?」
何か違和感があるようだ。ガルシアとデザートクラブが真正面から向かってきているような気がする……勘違いではいけないので(誤解を招くかもしれないからね⭐︎)思いっきり横道に逸れてみた。だか、ガルシアとデザートクラブも同じ方向に向いてしまった。
“いやいや、そんなはずがない”と思い、又、横道に逸れた。すぐにガルシアも軌道修正し、同じ方向に向かった。そして、何度もそれを繰り返し、やがて並んで二人走り出してしまった。
「なんで、一緒に走るんだよ!!」
二人はデザートクラブの恐怖のあまり必死に走る!
「すまん!」
と言い終えるとガルシアは両腕を持ち上げて力いっぱいデザートクラブの方へ放り投げた!
「マッシュロケット!!!」
「えっ、うぁーーーー!!」
ガルシアに放り投げられたマッシュは涙目になりながら走馬灯のように思い出す。
“あれ、なんで飛んでいるんだろう…そうだ!ガルシアに投げられたからだ!……う〜ん、後から◯す”
デザートクラブの距離がドンドン近づいていた。
「カーーン、ドスッ!!」
一瞬、デザートクラブの頭に当ったがマッシュの姿に対してデザートクラブは反射的に右手を振り下ろして地面に叩きつける。
マッシュは気絶してしまった。
“……まぁ、気絶になったのは砂漠が地面になったということにあるのだが、、、”
「許せ!マッシュ!お前の死は無駄にしない!」
しかし、デザートクラブは攻撃したことにより、怒り心頭になり、力を振り絞ってドンドン近づいてくる。
「チッ!ここまでか!」
ガルシアも覚悟を決め逆方向に向き合いながら“キリッ”眼光を強くする。
と、その時である!大きな影が現れるとガルシアと数センチの所まで迫ってきた。よく見ると大型船に匹敵する“砂船”だ。
「あっぶね〜!!!」
デザートクラブとの死闘はどこへやら、砂船の船に向かって文句を言おうと迫っくると、砂船の5人がジャンプしてきた。
「赤レンジャー!」
「黄レンジャー!」
「黒レンジャー!」
「緑レンジャー!」
「桃レンジャー!」
5人が一緒に揃えるように
「ゴレンジャイ!!」とポーズを取っていた…
“ヒューッ……”
8月炎天下にも関わらずその場は氷つく。デザートクラブは何が寒いのか“キョロキョロ”と見渡す。そして、ガルシアも
「さむッ!!」
と大きな声で叫んでしまった。
「隊長〜」
と半泣きになりながら隊長と呼ばれる人に向き合う。そして、そこ男は一切目もくれず、
「言うな!」
隊長は静かな声でそして覚悟を決めてしまった。
“まぁ、恥ずかしいんだろうなぁ……”
デザートクラブはというと一時は怒り心頭であったが、この事件(?)がきっかけに冷静を取り戻し元の位置に帰っていた。
「助かった……本当にありがとう!」
「ん?あぁ、助かって良かったよ…」
ガルシアは満面の笑みに対して、砂船の船員は心なしか元気がない。
「初めてまして俺はガルシア」
「この隊長を率いているアイヤールだ。宜しく」
アイヤールとガルシアは“ガッチリ”手を合わせる。
「ところで、こんな砂漠の中で歩いてきたのか?下手したら死ぬぞ!なんなら……」
アイヤールが言い終える前に黒い影が現した。そして、気づいたのか隊員全員が片足を跪ける。
「よい」
その言葉を聞いたアイヤールと数人一味が直立不動で立つ……何だか違和感がある。遠いところで、このような姿を見たような、、、。
「あの…一つお聞きしたいのですが……」
「なんじゃ?」
その女性な見下したかのように冷たい目をしている。まるで自己中だ。
「あの……立派な格好とお見受けられますが、どの集団なのでしょうか?」
ガルシアは恐る恐る聞いた。
「ん?なんだ知らなかったのか?わらわは次期女王候補“セダ=チャンドラ”じゃ。チャンドラと呼んでも良いぞ!わらわはこんな砂漠の真ん中に出会えたのは奇跡じゃ!自慢するがよいぞ」
“やっぱり〜!!!そんなことじゃないかと思ったのよ。しかし、王族は良く当たるなぁ…”とガルシアは頭を抱えてしまった。
「ところで、そなたは一人か?」
「あっ……思い出した。あの、もう一人いまして、まだ生きていると思うんですけど、ちょっと先に埋もれてしまっていると思うんですけど……」
アイヤール一行は、みるみる血の気が引いた。そして急いで捜査を開始する。なぜかは知らないが俺一人も無理やりに関わり(不本意だが…)捜索する。
“まぁ、あれぐらいじゃ死なないけどなぁ……”
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