第53話

 ――№560。研究をしていた教授についてだ。僕はその教授と共にウィルス対抗ワクチンの開発のため研究に勤しんでいたのだが、今日、その教授が亡くなってしまったんだ。この日記でまた訃報を知らせることになるとは本当に悲しいし辛い。だが、人は誰だって老いていくものなんだよな。でも、もう誰も消えてほしくなんかないよ。肉体が消えるというものほど辛いものはない。だって、僕が生きている限り、その人の思い出は残り続けるのだからね。――




 その勢いで僕は、№561を綴った。




 ――№561。そう、教授はとても重要なモノを残してくれた。だからこれからの僕は、探偵業を引退して教授の研究を継ぎ、キミのいる未来に間に合うようにして、ワクチンの開発を成功させてみせるんだ。――

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