41話 ふりかえろ〜! 1
「おつかれさまでしたー!」
「おつかれ」
「まだいけたよね〜」
ミニライブが終わった数日後。
私はまたマオ先輩たちの家に来ていた。
三人揃うのはあの日以来だ。今回は振り返り配信という形でやっていく。
:おつー
:ライブ楽しかった!
:新曲も多かったしな!
:みんなの衣装素晴らしかった
:眩しすぎたぜ……
:普段漆黒の闇の中にいるからな
:漆黒と闇って同じじゃね?
:なんか違うんだろ多分
:まあ明らかにやみちゃんファンだろうな
:いや、スパイシーオタは割とああいうの多い
「言われてますよマオ先輩」
「別にいいさ。厨二病という治さない病いの人々が来るのは嬉しいものだよ」
「もう少しオブラートに包んであげようね?」
「ごめんなさい〜〜」
「それじゃビブラートだよやみっち!」
今日もミツ先輩のツッコミが冴え渡っている。私が何しても大丈夫そうだ。マオ先輩もボケなところあるし、ツッコミが一人いれば安心だね。
:やみちゃんビブラートうめえな
:てかもうあかちゃんじゃね?
:ボケ始めてきたらあかちゃんだな
:魔王様が俺らのこともう治せないって
:大丈夫だ。仲間はいる
:某も入れてもらおうか
:それはまた違う何かだな⁈
「確かにもうあかっちだったね!どっちだってスパイシーの一員であることに変わりはないよ」
「そうだね。さて、振り返り……感想を言っていくとしようか」
「はい!あかちゃんは感想が言いたくてうずうずしております」
私は手を上にビシッと挙げて言った。
そんな私の様子を見てマオ先輩がクスッと笑ったあと、画面の方に画像を出した。
それは運営さんから提供されたものの一つだ。
:お!一曲目のラストだ!
:三人で手を差し出してんのがいいよな
:誰の手とればいいか迷うけどな
赤羽シオリ:全員のをとればいいのだ!
:シオリン⁈
:まさか来るとは……
「あっ、来てくれたんだね。やっほ〜シオっち!」
「シオリ先輩、ありがとうございます!でもカオスな配信になるかもしれないんで、無理だと思えば閉じていただくように」
「悪いこと言う口はこの口かい?カオスなのにしようとするのはあかだけだろう?」
マオ先輩に私の頰を少しつねられている。
正直手がスベスベで気持ちいい。
:せっかく来てもらったのに変なことになれば閉じることを勧めるあかちゃん
:魔王様にちょっと怒られとる
:ほんのちょっとしか怒ってないっぽいけどな
「今ねーあかっちが魔王様に頰つねられてるんだよ〜可愛いねえ」
ミツ先輩が今の状況を伝えた。
ちょっと恥ずかしいなあ。でも、スベスベな手って本当に気持ちいい。
まあ、私よりミツ先輩にしててほしいんだけれどね。
:は?なんそれ可愛い
:ちょっと生意気な後輩がつねられてるとか最強かよ
:あかちゃんって生意気なんか?
:普段から百合大好きって言ってマオミツとか言ってる後輩だぞ?
:つまり今はマオやみということか
:マオあかじゃね?
進藤あおい:萌えますね〜
:で、でたー!
:最近百合あるとこに進藤あおいありなんじゃないかと思うようになってきた
「あおい先輩まで⁈というか、全然振り返り進んでないんですけど⁈そろそろ戻りましょう!」
「そうだね、じゃあ次の振り返りしようか」
「一枚目のもそんなにしてなかったけどね〜」
ミツ先輩のツッコミを聞きながら、次の画像が出された。
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