二丁目スナックさいかわ さいかわママ編3
あ、オーナーのおつまみね、実はもう一品あったの。だからおつまみに合わせて、赤ワインはサンジョベーゼにしましょうかねえ。おつまみはちょっとオーブンで温めてから出すわね。
……はい。「青じそとスライスチーズ入りのハムカツ」よ。オーナーからメモをもらっているんだけど読むわね。
『ハムカツのハムはあえて薄めです。チーズもスライスチーズ。ですが、青じそはパンと叩いて香りを出しております。シンプルだからこそのおいしさ。』
だそうよ。やはり豆ははこオーナーだけあってマメよね。こんなオシャレなおつまみ、アタシなんか考えもつかないわよ。あ、追伸があるわね。
『青じその説明。”店先で育てた!”とか言わないようにね?』
って、やっぱり読まれてるぅ~www。あ、狐ちゃん笑いすぎwwwでも草生えるわね。生やしたもの使っちゃダメとは言われてるんだけどwww
で、なんだっけ。アタシなんかやけに吠えてしまった気がするんだけど。まあいいわね。どうせいつものことだからと参加者も受け流してくれるでしょう。賞レースだからこんなにうるさく言うだけで、アンタも普段の作品は自由でいいんだからね。アタシだって自分のために書いた小説なんか、理屈もへったくれもないのらりくらりとしたものだわよ。楽しきゃいいのよ。賞を取るための小説でなければ。
え? 他にも聞きたいことがある? なによぉ。アタシねえ、このスナックさいかわを書けば書くほど好感度下がっている気しかしないんだけど。そんなことない? そう? まあ嫌われないようにはしたいところだわね。
で、なんなのよ? 選者のことと最終選考対象作品の選考について聞きたい? あーそれは良いわね。お礼がてら話しましょうかね。
惣山さんは初回から選者をお願いしているから本当にブラック環境でお手伝いしてくれて助かっているわね。そして惣山さんはキャラクター愛が強いお変態っていう感じかしら。すごくキャラを愛してシチュエーションを作って書いているところが素晴らしいわよね。アタシが二次創作でよく会ってきた女の子のタイプなんだけど、オリジナルの方では惣山さんが初めてかもね。
基本、変態というかエロい事を書いているんだけど、なんというか露骨なエロさでもなく、さりとてエモーショナルなエロでもないのよね。とても不思議な落ち着きを感じる作風ね。日記なんかいつも感心するんだけど、「露骨でもそこはことなくでもない」色気を感じるのよね。お子さんに対する愛情とかバーンと主張しているわけではないんだけど、誠実なものがにじみ出ている感じかしらね。でもド変態なのよね(笑)
豆ははこさんは、いろいろな面があるんだけど、読者の感情を動かすのがとても上手だから人気なんだと思うわね。相手にしみじみさを感じ取らせるのがとても得意というか。しかも丁寧な言葉遣いなので誰も違和感や反発心を覚えずにただただ世界に浸れる作品を生み出せるのがいいわね。
言動の姿勢が良いので近寄りがたいと思いきや、けっこうフランクに接してくれるし、話を聞いているとお茶目な一面もあって魅力的な人よね。色々あってメールでのやりとりをしてるんだけど、なんだかんだ企画に対する相談とかのってくれる心の広さもあって、最近は思わず豆ははこさん相手に愚痴をこぼしたりしているわ笑。
安定した態度と作風であるのに、最近は自ら作風を広げようとしている姿勢も尊敬できるわね。この前の参考作品、アンタは読んだ? すごかった? そうでしょう。ああいう姿勢で書ける人ってなかなかいないから、アンタもあの姿勢を学びなさいな。
大隅さんはもちろん歴史小説の人で、アタシも二次創作や商業で歴史・時代小説を書いていたからわかるんだけど、苦労や大変さの中であれだけのことが書けてしかも評価されているってのはとてもすごいと思うわね。ここだけの話、大隅さんの三題噺も面白くて、アタシも三題噺を書き始めたくらいに魅力があるわね。
ホラーは専門外なのでどうこう評せないんだけど、他のジャンルでもなかなかのアイデアマンな印象があって、現代ドラマとかも面白いネタを書いてくる人だなと思ってるわ。しかも上手なのよね。さらに安定もしている。これは実力と基礎がしっかりしているからだと思うわね。ファンも多いのも頷けるわ。
そうそう! 大隅さんの「レジェンド・オブ・レスラー」っていう作品があるんだけど、その中で出てくるロートルレスラーの心情表現が、アタシものすごくハマって大好きなの。終盤でレフリーに告げる一言があるんだけど、今までカクヨム読んだ作品の中で一番と断言していいくらいに惚れたわね。あそこまで心が痺れたのは久しぶりだったからよく覚えているわ。アンタも読んで心情表現のなんたるかを勉強なさいな。
狐さんはね。直接のつながりがあまりないんで作品を通しての感想になっちゃうんだけど、才能という点では選者の中で一番ある人だと思うわね。冷静な観点を持っているから、作品をうまく上から眺めている感じがするわね。
ネタ自体はエンタメ方向なのでわたしには評することができないんだけど、年齢以上に書き慣れているし、変な癖もないので素直だわね。伸びしろはまだまだいっぱいあるし、おそらくもっと野心と志を持って書けば、若くしてそれなりのレベルまでいけるんじゃないかしらね。内容も純文学ゴリゴリのわたしが読んでも面白いし、文章も整っているから将来が楽しみね。
あと、なんだっけ? え? あ、最終選考対象作品の選考ね。はいはい。もうアタシも永遠の17歳の域だから、話をしているうちにだんだん何を聞かれているか忘れてきちゃうのよね笑。いやねえ。歳をとりたくないわね。
最終選考対象作品の選考については正直わからないわね。意図して集めたわけじゃないけれど、小説に対する価値観のベクトルが選者全員違う方向を向いているのよね。だからどんな作品を選ぶのかわたしにもあまり予想がつかないわね。その分楽しみでもあるわ。
佳作以上はあくまでも全員の投票結果に従って選ぶわ。もちろん、各選者の特選は選考とかそんなこととは一切関係なく、あくまでも選者の判断で選んでもらうわ。だから水無月賞の時のように最終選考対象作品の選考外から選ばれることも十分あるわね。
そんな感じでどうかしらね? あら、スミヲちゃん! いらっしゃーい。ようやく来たのね。遅いじゃないのぉ。もう白一本開けちゃったわよ? え? 今日は沙樹ちゃん目当てで来たから帰る? おいスミヲ。アンタどうやら店前のパセリ植えてある土の肥やしになりたいようだわね?(#^ω^)ピキピキ
おしまい
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