第201話 マスターの1人。
突然画面が出てロンが叫ぶ中俺は、分身でギンジ達を目の前に転移させると告げる。
「あいつらを殲滅だ」
ギンジやメンバー達は、振り向き奴らを見る。
「行くぞ」
「「「「了解!」」」」
念話でサスケさんとカゲと夜叉にも殲滅の指示を出し、全員で構成員達を殲滅する。
殆どの者が戦意を失ってるからといってやはり数は多い。
そこで画面のロンが、未だに何か言っていた。
『よくも邪魔をしてくれたな。きさまは絶対にここで殺す!』
『君のスキルはもう解けたんだろ? 貯めた分はどうなった?』
画面外からシオウの声がする。
『ん? あぁ、まだ半分程しか貯まってないが、それは無事だ』
『なら……って、さっさと通信切りなよ』
『問題無い。奴らが聞いたところで、何も出来ないからな』
『じゃあ、キジ丸君……準備が終わったら殺してあげるよ』
『宣言する必要は無いだろ。どのみち全員殺すんだ』
『皆、あと10分程、時間を稼ぐように! じゃ!』
『いいか? そこで待っていろ。必ず殺してやるからな』
『まだ言う!? さっさと……』
そこで画面が消えた。
どうやらかなりご立腹のようだ。
それにしても何かを貯めてたようだけど、ユニークスキルの効果か?
半分程しか貯まってないって言ってたが、何を貯めていた?
いや、そこは気にしても意味無いか。
確かな事は、あと10分で奴らが来る。
でも、こいつらが10分も持つとは思えないんだが?
それよりも時間を稼げってどういう意味だ?
逃げる時間? 違うな。
後で始末しに来るって言ってたし……そう思わせて逃げる気か?
だとしたら……っ!?
考えながら構成員達を始末してると突然、大きな魔力の出現と共に大きな爆発が起こり、構成員と数人のメンバー達が吹っ飛ぶ。
天井近くまで打ち上げられる者や、数十メートル吹っ飛ぶ者。
爆発の黒い煙は天井近くまで上がる中、構成員達が爆心地から離れようと逃げ出す。
『ギャアアアアア!!!』
『足がぁあ!!』
『逃げろぉおお!!!』
『また殺されるのは嫌だぁああああ!!!』
ギャーギャー喚き散らしながら逃げる構成員達は、走って逃げる途中で全員『斬られ』て絶命。
離れた場所に居る構成員達は、腰を抜かしてその場で座り込む者、立ってるが茫然と眺めるだけの者が居る中で、誰かが呟いた言葉が聞こえた。
『死神が来た』
死神? と疑問に思いながらも煙が晴れるのを見る、空間感知と魔力感知で煙の中に居るのが人だと分かってる。
すると煙が晴れて行き姿を現したのは、黒い着物と桜? の模様が入った羽織りを着てる男。
長い黒髪をちょんまげのように縛り、左目には黒い眼帯。
目を見て理解した。
人斬りだと。
眠たそうな半目だが鋭い目つき。
その佇まいからかなり強いと分かる。
俺はすぐギンジを見るとやはりギンジは、怒りの形相で男を見ていた。
『ギンジ、奴がリュウゼンか?』
『はい、間違いなく』
やっぱり人斬りリュウゼンだったか。
武双連合のトップだと聞いてたから居るとは思ってたが、ロンやシオウより先に出て来るとはな。
周囲を見回し、構成員達は動く気配が無いので、メンバー達に構成員達が俺とギンジの邪魔をしようとしたら始末しろと指示を出し、俺とギンジは歩いてリュウゼンの所へ向かい、7メートル程離れた場所で立ち止まる。
俺は左側、ギンジが少し離れて右側に立つ。
「お前ら弱すぎ。最初から俺が出てれば良かったな」
すると頭上に画面が出てロンが叫ぶ。
『おい何をしてる!? 勝手に出るな!!』
「俺が斬る。お前らの準備が終わる前にな」
『この……』
『じゃあリュウゼン、全員殺しといてくれ』
シオウの声がした。
『まあ良い、俺達は準備を進める。始末出来るならそれに越したことは無い』
「俺を追ってここまで来た奴も居るんだ。どれくらい強くなったのか、味見してやろう。味見で殺してしまったらすまんな。その時は、お前が弱すぎたという事だ」
表情を変えず淡々と言うリュウゼン。
当然ギンジに向かって言ってる。
が、意識はギンジに向いてるが、しっかり俺に対する警戒もしてるな。
隙が無い。
良いなぁ。
俺が戦いたいがギンジの獲物だし、敵討ちには俺が立ち会うって言ったからまずは、ギンジに戦わせるか。
「ギンジ、やれそうか? 無理なら俺がやるが」
「大丈夫です。僕が……殺す」
「へ~、お前強いな。こいつの師匠か?」
「まあ一応? それにお前も強いだろ?」
するとリュウゼンは、初めて表情を変えニヤっと笑みを浮かべる。
「こいつを味見した後は、お前を食ってやる」
俺もニヤっと笑みを浮かべ答えた。
「それは楽しみだ。だが……ギンジに勝てるかな?」
「あの頃よりはマシになってるようだが……まあ、味見すれば分かる」
格下に負ける格上は沢山居る。
一瞬の判断ミスや、油断、格下だと侮ると死を招く事も。
ギンジも十分格上に勝てる素質はあるだろう。
「リュウゼン……」
ギンジが話そうとしたら構成員がギンジを攻撃しようと襲い掛かるが次の瞬間、胴体を真っ二つにされて絶命。
ギンジは攻撃してない。
リュウゼンも刀を抜いてないが……。
「お前ら、俺の邪魔をすれば殺す。こいつらを殺し終わったらお前らも殺すから待ってろ。弱い奴は要らん」
……刀気で斬ったのか。
良いねぇ。
実に良い!
滅茶苦茶俺が戦いたいが、ここはギンジに譲ろう。
「ギンジ、分かってるよな?」
頷くギンジ。
すると念話で答える。
『危なくなったら交代ですよね?』
『ああ、こいつは強い。おそらく俺が今まで戦って来たどの人族よりもな』
『それ程ですか……死ぬ気でやります』
『まあ、気楽にやれ』
実際に戦ってるのを見ないと何とも言えないが、ゲンスイよりは強い。
技術はどうか分からないけどな。
「では、ギンジの敵討ち、決闘の立ち合い人として俺キジ丸が、戦いを見届けよう」
「ありがとうございます」
「決闘か、戦いになれば良いんだが」
無表情で言うリュウゼン。
さてと、どれだけ強いのか見させてもらおう。
構成員はもう動かないみたいだし、カゲと夜叉、ついでにアズラも送還しておく。
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