第5話

 丹華によって"紫水晶"が連行された。

 それはまあいつものことなので問題はない。

 しかし、連行先ではまた別の問題が発生していた。


「に、丹華さんや。ちょいと頼みたいことがあるんだが…」


 彼は明らかに聞くだけならタダだし…と思って聞いている。

 態度が完全にそれを指し示している。

 そしてそんな態度を彼が取る時は必ず面倒ごとを抱えている時。

 て、ことで。とるべき行動は当然。


「お断りします」


 一択である。


「いやあ聞くだけでも聞いてくださいな。実はですね、重要な問題が発生してるんですよー」


 返事ガン無視で話を続ける彼。なんなら開き直ってる感じ全開である。


「実はですねー雪乃ちゃん、誘拐されちゃったぽいんですよねー」


「え、は?雪乃が?雫は?雫は何やってたんですか。大切なパートナーほっといて」


 割とガチ目に驚く丹華。

 それも当然。だって雪乃は───


「あの雫が雪乃を害する輩を放置するとは考えられない。それに雪乃一人でもだいぶ強いはず。確か彼女2級でしたよね?」


「ええ。彼女は確かに2級探索者にして、1級探索者である雫さんの庇護下にある子です」


 ───攫ったら1級探索者狂気とバグの集団の一人が激怒した状態でオマケとしてついてくるようなリスクとリターンの合わないにも程がある少女だからだ。



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 オマケ

 探索者のランク


 5級探索者=一般人よりちょっと力強め

 4級探索者=オリンピックにでも出したら確実に優勝取れる。

 3級探索者=一般人のいける限界

 2級探索者=エグいレベルの才能のある人しか辿り着けない(都市崩壊級)

 1級探索者=狂気とバグの集まり(一国崩壊級)

 0級探索者=丹華とその仲間達用に作られたランク。ある種の天災。逸般人。

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