第三章:心の距離と揺れる想い

 花火がクライマックスに差し掛かり、大きな連発が夜空をさらに鮮やかに染め上げる。咲はふと、翔太の手が自分の手に触れていることに気づいた。驚きとともに、心が温かくなる。


「咲、ずっと言いたかったことがあるんだ」と翔太が真剣な表情で言った。


「何?」咲も同じように真剣に彼を見つめ返す。


「僕、咲のことが好きだ。ずっと前から」


花火の音が一瞬、二人だけの世界を包み込む。咲の心は喜びと驚きでいっぱいになりながらも、自然と答えが口をついて出た。


「私も…翔太のことが好き」


その瞬間、最後の大きな花火が夜空に咲き誇り、まるで二人の新しい関係を祝福するかのように輝いた。


翌日、学校での二人の距離は一気に縮まった。友達も驚きながらも祝福してくれ、二人の関係は順調に進んでいった。だが、そんな中、咲に密かに思いを寄せる優斗の心は揺れていた。

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