プレッツェル 

音心みら🍀

第1話 プレッツェル

世の中にはいろんな恋があると思う。


何もかもうまくいく恋。

相手に追いかけられる、または自分が追いかける片思い。

溺れちゃいそうになるほど幸せな恋だったり。

その種類は無限にあると思う。


でもそれって安定した感情なのかなって思う。


自分を満たすために言い聞かせてるのかな?

もしくは本心なのかな?


僕は前者側の人間...だと思う。


僕、瑠璃祭るりまつりネオンは

最近、幼馴染の千里せんりナリアという子に恋心を抱いてしまった。

だが、彼女は僕のことを幼馴染としか思っていないようだ。


昔から仲が良いだけの関係だったのに。

これが思春期ってやつなのかな?


ある日急に後ろからナリアに声をかけられた。

「ネオ〜ン!一緒帰ろ!」

隣には彼女の親友、大柚おおゆずヒルガオがいる。

「よ〜!」

いつもこんなノリだ。

「どしたの?今日一人?」

大柚は凄く話しかけやすい性格をしている。

「いや〜、一人って訳じゃなくて、普通に理由はないけど」

「それを一人って言うんだよ!」

大柚のツッコミは安定だ。

するとナリアが言う。

「ねぇネオン、なんか面白い話のネタない?

 夏休みの宿題多すぎて萎えてんだけどぉ〜」

「え〜、面白いネタかぁ...。

 あっそうだ、この前あそこのモールで

 お前を見かけたって話するか?」

「えっ!いつ?気づいたなら話かけてよ〜」

一応ナリアの親とは知り合いなのだが、

「いやでも、嫌かなって思って。」

「いや、いいよぉ」

「はいはいイチャイチャしない!私だけ置いてかれてるって!」

大柚が言った。

『イチャイチャしてない‼』

綺麗にハモった。

「ほらほらそーゆーとこを言ってんの!

 ほんとあんたら付き合えば?」

大柚がツッコむ。

「い、いやいや、わ、わわ私なんか、ネオンと釣り合ってないよ!!!」

「そっ、そうだそうだ!ナリアは顔も可愛くて、めっちゃ優しくて、

 天然なところもあって、僕なんかには見合わない圧倒的

 パーフェクトスペックだろ!」

僕が言い返すと、

「そうじゃない!ネオンの方が格上だって言ってんの!」

僕がまた言い返そうとしたところを

「はいはいストップ!

 ほんっとあんた達ったらお似合いね!羨ましいよ!」

そう、彼女にも好きな男の子がいるのだが、

相手が鈍感すぎるせいで、なかなか振り向いてもらえないらしい。

大柚はあんな風に言うが、こっちだって片思いなんだよ。

「はぁ、とりま帰ろっか。」

気持ちの切り替えが早いのも大柚のいいところだ。


いつか機会があれば想いを伝えたいな。

そんな日が来るといいなって思ってます。

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