異世界ファンタジーに対する的外れな批判

別に創作なのだし、間違ってもいいし、手からビームを出してもいいのである。

しかし、許容されるものもあれば怒られるものもある。


これはWEBでファンタジーを書く創作者にも当てはまる。

ナーロッパだなんだと揶揄されるが、

こんなもの書き手が一番分かっている。


態度としては、

頭を低くして「すんません!これフィクションなんで!」としていればいい。


都合がいいから使っていることには違いないのである。

しかし、現代日本を使うのも近未来日本でも何でも、物語上の都合で選択しているわけで、どうして異世界ファンタジーだけがこうもあれこれ言われてしまうのだろうか。

まあ批判しやすいというのが大きいだろう。(心理的にも、内容的にも)


爵位や、通貨、生活水準やらなにやら指摘点は多いだろう。

しかし、だれも西洋の中世ファンタジーなんて言っていないのである。

必ず『風』がついているはずだ。

最近では◯◯風ファンタジーとすら言わず、異世界という三文字で片付けるようになった。


異世界と言って、

作者が考える世界で進行している以上は、

読み手個人の頭の中にある中世ヨーロッパに照らし合わせて批判することがまったくの無駄であることが分からないだろうか。

これは『異世界』という三文字で、

「すいませーんwこれそういうのと違うんでw」という断りが入っているのである。


であるので、

ファンタジーはこういうもので、こうあるべき。

といったような主張は、地球が逆に回りはじめても受け入れられることはない。


面倒くさい人たちがいるなぁと取られるだけである。

そうなってしまうと、ますます言葉は届かなくなる。


耳を貸す者などいないまま、

限られた同士でのみ盛り上がることになる。


そもそも、耳を貸したところで、損しかないのが現状である。

中世ヨーロッパに合わせた世界観に変えて得するかどうか。

まあ得しないというか損をするだろう。

読者はそんなもの求めてないし、求めているなら別の媒体で探している。

もしWEBで探したとしても、

元からそういう作品を探しに行くだろうし、

断じてそうではない作品を自分好みにしろと要求するものではない。

(本格中世ファンタジーと謳っているのであれば別だけど)


作品内の理屈で矛盾している箇所があって、そこを指摘することに反対はしないけれど、自分の価値観と違うからといってその通りに直せと要求するのは間違っている。


もし、そういう人たちが考える重厚な本格ファンタジーが読みたいのであれば、

もう自分たちが流行らせるしかない。

自分たちで書くか、そういう作品を見つけ評価するか。

もしくはレビュー等を頑張って、なんとか人目につかせようとするか。

そのくらいだろう。


ハイファンタジー、ローファンタジー、異世界ファンタジー、現代ファンタジーなど、いくつも呼び名がある。(他にもある

結局のところ、こういうジャンル分けに使われる用語を増やすことが一番の解決策にも思える。

ただ、こういう用語を定着させるためには、用語自体に汎用性と力強さが必要だ。

とってつけたような用語であるとまったく定着せず、霧吹き程度の水圧で流されていく。必要とする人の多さが一定以上いて、ようやく根を張れる。


こう考えていると、ファンタジーというジャンルの懐の深さを感じさせられる。

こんなに強い用語もそうそうないのではないだろうか。

ビバ! ファンタジー!



◇◆◇



結局のところ、

書き手は都合の良いものを選ぶことが最適です。

そしてこの「都合の良い」とは、書き手が物語ろうとしている内容にとって、です。

使わせていただいているという気持ちさえ忘れなければいいのです。

原理主義者には、コンビニ店員になったつもりでアルカイックスマイルを決めてやりましょう。いっらしゃいま……、出口はあちらです。

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