第26話「新しい私」

アンリアルな

アンチテーゼを繰り返し

ただ朦朧とする道徳心

まぁ世界など真面目に取り合う程

無駄な役回りを背負わせられる


故に負い目を感じて生きるほうが

事実期待もされず

楽な役回りである


そうして避けるように生きたが

しかして消化できない

不燃物が溜まっていく


何一つしてないのに

なぜ

ここまで不祥事を覚えるかと

ただその真髄が分からず


イノセンスが立ち込める

しかして考えてこなかった私に

静寂を打ち破る答えなど出せなく


ただどことなく

込み上げた破壊衝動に揺れ

唯一の形見さえ壊してしまった


気づいた時には

崩れ去って

ただ馬鹿だったと


失っていく恐怖だけに

心が苦しくなって


もう自分でも自分が制御できず

ただ涙と叫びの中で

もがき苦しみ


このまま命を突き抜けて

死んでやろうと

そう、どこか

死にたくなったが


悔しさだけが込み上げて

いつもうまくやれてるとそう思っていた

この合理主義が

立ち行かないと

そう、もろくなり


もう、涙を引っさげて

断崖絶壁に立った

でも空の綺麗さに


靡いて、死にきれずに

立ち尽くした


あと一歩で楽になれるのに

その一歩が踏み出せず


足を引いて家へと帰った


私はきっと

死にきれない

それは死んだって無意味だからだ


だから自分の過去を捨てた

自分のエゴを捨てた


そして未来で生まれ変わる

いいやここから生まれ変わる


そう決意した。


よろしくね、新しい私。

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