さいかわサマーダッシュ（連絡版です）

さいかわサマーダッシュ結果発表

　この度は「さいかわサマーダッシュ」にご参加いただき、誠にありがとうございました。

　全作品のツボった作品の中で、特にツボった７作品に「夏ダ賞」を授与いたします。

　また、今回も特別賞を設けまして、４作品に差し上げたく存じます。

夏ダ賞（更新順（古い方から））（敬称略）

😂僕の憧れの美人で巨乳のクラスメイトの柏木さん／フィステリアタナカ

https://kakuyomu.jp/works/16818093081099412614

ひとこと：やられた！（困惑）→（怒）→（許し）

　フィステリアタナカさん（通称ケン）の作品はピュアピュアなものが多いので、本作も同様だと思って純朴な「僕」視点で読んでおりました。そのせいか、後半のどんでん返しに最初は頭がついてきませんでした。

　二回目を読んでようやくNTRも満たないNTRをくらったことを理解して、モヤモヤを通り越した「なんやねん！」になり、三回目でようやく心が落ち着きまして、オチに笑えるようになりました。わたしに連続三度も読ませるとは、なかなか良い根性をしています。

　掌編を書かせるとケンの才能は大爆発するのを理解はしていたつもりなのですが、まさかこんなオチだとは思わず、わたしはケンの術中にしっかりと「はめられて」しまいました。お見事です。夏ダ賞を贈ります。

　だがしかし、巨乳を全く活かしていないので減点８９点（懐かしきクソポイント）として、合計得点は１１点でフィニッシュです。おめでとうございます。（？）

📷バー・ミード／青切

https://kakuyomu.jp/works/16818093081166915442

ひとこと：完全試合を目指してほしかった掌編

　本作のような「ただ被写体にキャメラを回しているだけ」の作品、わたしも大好きで、「何の意味もない」描写に何の意味もないことを感じる意味深さみたいな、もはや自分でも何を言っているのか不明な「度し難い」快楽を感じるのです。

　無機質な撮影手法ながら、映し出されるものには人情味があり、ひとつのドラマとしてうまく話を通しています。おそらく老齢のママとそれに気を使う常連客という関係性がハマっているのでしょう。

　個人的に惜しいと思ってしまったのは、「こまめに記録を取らないと後で困るのだ。」「そんな日々の繰り返し。」という、このたった二箇所の補足説明すら排除した「完全試合」を見たかったところでしょうか。

　ただ日常が流れるだけ。それだけの文章に尊さを感じられるような、完成度の高い良き作品でありトライでありました。おめでとうございます。

📚蛤／snowdrop

https://kakuyomu.jp/works/16818093081173031602

ひとこと：これも個人的にやられた一作です。

　大変唐突ながらわたくし犀川は「台湾マニア」でして、コロナ前まででは１００回以上は確実に行っております。ですので、台湾にはそれなりに詳しいと思っていたせいか、もはやこの「蛤」に違和感を持っておりませんでした。snowdropさんのこの作品を読んで、「ああ、そうだった」みたいな、奇妙な新しい発見をした気分です。

　ちなみに香港などの広東圏ですともっとひどく、「ああ⤴？」みたいな日本人からすると完全に喧嘩腰な口調にまでなります。まあ、慣れると自分でも使ってしまうのですが。

　お話の良さもさることながら、本作はその全体の構成が大変素晴らしく、掌編のお手本のような作りと言葉遣いになっております。　皆さんにも是非参考にしてほしい一作です。わたし自身も勉強させていただきました。おめでとうございます。

🍉夏に、さいかい。／豆ははこ

https://kakuyomu.jp/works/16818093081260075048

ひとこと：男も犬も吠えちゃうんだね

　一階から叫んで求愛という、あるようでなさそうで、それでいながらうれしいようなただ迷惑なような、というお話ならではのシチュエーションでしかもそこに癒し系ワンちゃんを入れて、世界観のバランスをうまくとって話をまとめています。

　主人公の「私」という女性は豆ははこさん作品では珍しいサバサバ系な女性でそのふるまいがリアルです。そう。女は眉毛かかないとお外に出られない生き物ですよね。

　サバサバついでにやることをやってしまったので、まあ、犬好きだし悪くないかなーということでお付き合いが始まりそうな雰囲気でフィニッシュです。

　彼はモフモフなワンちゃんに感謝ですね。おめでとうございます。

🍧さしすせそうめん／古間木紺

https://kakuyomu.jp/works/16818093081316368965

ひとこと：とてもよい兄妹のお話でした。

　兄と妹の何気ないお昼の一コマ。わたしは姉妹でしかも自分たちで料理したことないダメ姉妹なので体験したことはないのですが、何やらなつかしさと甘酸っぱいイメージが膨らんできます。

　兄が少し兄貴風を吹かせながらも、妹もしそを取りにいったり、兄を面白おかしくいじったり、二人でそうめんをつくりあげていくのがとにかく微笑ましいですね。

　酢醤油で食べるというのは知らなかったので、夏休み中に試してみようかと思っています。

　ちなみに、ウチの子供たちも兄妹なのですが、こんな仲良く料理なんてやらないので、二人に読ませて諭そうかなと思ったりしてます。おめでとうございます。

🚲帰省ラッシュ／クロノヒョウ

https://kakuyomu.jp/works/16818093081379967648

ひとこと：お話の内容が抜群によかったです。

　いいですね。この暑い日々の中にアクアマリンな世界で涼しませてくれるお話。さすがクロノヒョウさんだなと思いました。

　主人公が僕なのが「僕が体験したひと夏の不思議」という夏休みに読みたい児童書のような雰囲気を出しており、終始海の中の世界をイメージして読ませてくれました。改めて上手だなあと感心いたしました。

　「お帰り」というのもいいですね。行ったのではなく、帰ってきたというのが冒険に出たのではなく、戻ってきたんだなという懐かしさをさらに演出しています。

　物語という海に没入できる作品でした。おめでとうございます。

👗薄いカーディガンをお試しあれ。／鈴ノ木　鈴ノ子

https://kakuyomu.jp/works/16818093081382228548

ひとこと：ちょうど悩んでいたのでよかったです。

　わたしもミドルの女性でして、最近出稼ぎに出て世間の視線を受けるようになり、どうしても「見栄え」ということに気を配らなければならなくなりました。ちょっとだけ考えるものがあったのですが、鈴ノ木さんにヒントといいますか、「救い」みたいなものを感じさせていただいてツボッた次第です。

　冷房が効きすぎな場所では薄手のカーディガンは便利なのですが、何か女性を出すのもどうかなと、最近着ることにためらいがあったので、本作を読んで「着てもいいかなー」なんて思わせてもらいました。おめでとうございます。

特別賞（更新順（古い方から）・敬称略）

👉爪を切る／ろくろわ

https://kakuyomu.jp/works/16818093081201055876

ひとこと：しっかりまとめている世界観でした。

　爪切りと蚊というミニマムな世界で良く話をリアルかつ広げていると思いました。何気ない現実というここと、蚊に人生を映し出すというシーンも面白かったです。ありがとうございます。

🔥さいかわ王と三人の選者ガールズ／スロ男

https://kakuyomu.jp/works/16818093081266709695

ひとこと：おいｗｗｗ

　めちゃくちゃくだらないし、なんなら単純にわたしが馬鹿にされているだけなんですけど、結局なんだかんだ笑ってしまったので、特別賞を差し上げます。しかしながらわたしは芸人でありませんので、イジって楽しんではいけませんよ？(*‘ω‘ *)　ありがとうございます。

👧みらいのアイドル／鳥尾巻

https://kakuyomu.jp/works/16818093081287099893

ひとこと：どんどんジワってしまいました。

　鳥尾巻さんのこの作品、日を追うごとにジワってきたんですよね。思い出しては勝手にコンサートのイメージが湧いてくるんです。とくにシオミン。うちの娘ちゃんみたいで、ものすごくお世話したくなるキャラなんですよね笑。ありがとうございます。

👚ホントのキモチ／月井 忠

https://kakuyomu.jp/works/16818093081419088386

ひとこと：いい生きざまを見せてもらいました。

　あいかわらず、ネタぶっこんでくるのが上手だなと思いました。男性の専用ブラジャーではなく女性モノであるところが漢ですね。そして強請られながらも興奮してしまうドＭっぷり。犀川、こういう人は嫌いじゃないです笑。ありがとうございます。

総評

　今回はみなさん「楽しそうに書いている」作品が多く、好感度の高いものばかりでした。

　一方、チラシの裏レベル作品になかなか根性の据わった作品が現れず、チラ裏王の降臨を楽しみにしていたわたしは少しだけ残念な思いでした。もっと気合を入れていただきたいですね。

　ご要望等も伺ってからの判断になりますが、次回は「さいかわオータムダッシュ」を考えております。ルールは同じです。さいかわ葉月賞後、９月中旬にできたらいいなと思っております。

　この度は、ご参加いただき誠にありがとうございました。（犀川 よう）