「産月記」(2023.9)

『山月記』のオマージュ。それ以外は全部飾り。小学生にしかウケないような、うんこネタをこれでもかと詰め込み、童貞感を演出。大人になっても大人になれなかった可哀想な男(待合室でウォーリーをさがせをする大人、公園で羽化を見届ける大人)のイメージとして、うんこ(だけで笑いを取ろうとする小学生男子)に縋っている様子が私の中でぴったりきたので。欲求を満たすためだけにデリバリーされる性とか、経験の有無を競い合っているような人種とは縁遠い、ただなんとなく社会に対して「善いこと」がしたくて、このまま生きていても何も生産できない人生を歩むくらいだったら少しは童貞として貢献できることを、と漠然と考えている人間を書きました。それがルイヤにとっての献血だったのかもしれないし、俺が目指していたものとは違う(役人を辞めた李徴)、だけど現実にはそうなってしまった大人(詩人になれなかった李徴)のような存在なのかな。もしくはルイヤを李徴に重ねて見る俺(袁傪)てきなものなのかな。


 ちなみに、ルイヤを漢字で書くと「塁依矢」になります。

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