すいか

 八時でいったん休憩に入ると、

 飲み物を配布しているテントがにぎわう。

 この時間に、スイカがふるまわれるからだ。

 お盆にったスイカを品定めする女の子の目は、

 踊っていた時とはまた違って、可愛かわいらしかった。

「どうぞ」

 と差し出したスイカは汁をしたたらせて、女の子を待っていた。

「ありがとう」

 と走り去る女の子の背で兵児帯へこおびが、ひらひらと

 スイカでふさがった女の子の代わりに 手を振っていた。








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