第52話見慣れた
「豊和君…どうかしたの?もしかしてまた心配事でもあるの?ボーっとしてるけど…」
天音から告白を受けたその日の夕食時の事だ。俺の表情がいつもと違ったのか…優花がそんな事を聞いてきた。そんなにボーっとしてたかな?
「なになにっ!?お兄ちゃん、どうかしたのっ!?何かあったんなら優花さんじゃなくて私に話してよね!?」
「芽依ちゃん!?私が豊和君に聞いたんだけどっ!?」
「そうよ、芽依。優花ちゃんの邪魔しちゃあ駄目よ?」
「そうだぞ?母さんの言う通りだ」
「もうっ!お父さんもお母さんもどっちの味方なのよっ!?」
「「優花ちゃんだけど」」
「んなっ!?」
最近の我が家では馴染みの光景だな…。そういえば毎日…朝だけじゃなくて、夜も優花がこうして一緒に食卓を囲む事が当たり前になってるな…。
「…案外惚れられてたりしてな」
「「だ、誰にっ!?」」
テーブルにバン!っと手を突いて席から立ち上がる優花と芽依。うん?声に出ていたか?
「豊和君っ!?どういう事なのっ!?」
「お兄ちゃんっ!?どういう事っ!?」
「いや…ほら…最近こうして優花が食卓を囲むのが当たり前になってるだろ?」
「そ、それは…そのぅ…」
「だから…優花が俺に惚れてるんじゃないかとかありえない事をふと思っただけで…」
「んなっ!?なななななっ…」
あれぇ……そんな訳ないでしょっ!?と、言うかと思ったんだけどっ…予想とは反して口をパクパクさせながら優花の顔がどんどん真っ赤に染まっていく。
まさか…そんな事があるのかっ?先日…日和のお母さんのルリさんから恋や愛について色々と教わったんだけど…優花のこの反応はそういう事なのか?
「豊和…一つ聞きたいんだけど…」
母さんが横から口をそう挟んできた。なんだろうか?
「まずは今日何があったのかを言いなさいな。そしたら話が進む筈だから」
「「「っ!?」」」
優花と芽依の驚きはまだ分かるんだが…父さんまで何なんだ?と、とにかく…今日あった事といえば…
「…初めて…その…告白されたんだ」
「はぁっ!?こっ、告白っ!?」
「ここ、告白っ!?」
まあ、俺でも驚いたしな…。優花と芽依が驚くのもわけないわな…。
「だ、誰にだっ!?」
「あなたは黙っててね?」
「あ、はい」
あっ…父さんが母さんに黙らせられた。
「それで…誰に?」
「…言わなきゃ駄目かな?」
「そりゃあね」
「…同じクラスの…歌羽さんに…」
「歌羽さんっ!?」
「う、歌羽って…あのっ…アイドルのっ!?」
「それで悩んでたってわけ?」
「いや…悩んではいないよ…」
「告白をあなたはうけたの?」
「いや…返事は待ってもらってる」
「っ…!?そんなっ…」
青ざめた表情を浮かべる優花…。そんな表情をするって事は…
「ニブチンのあなたもようやく気がついたようね?」
母さんが心を読んだかのようにそう言葉を口にした。と、いうことは…やっぱり…
「と、豊和君っ!」
「!?」
「私はっ!豊和君がすっ…きっ…」
そうだったんだな…。思い返せば思い当たる節がある…。
「ずっと…助けられた時から…好き…なのっ…」
「…優花…」
「わ、私もっ…「はいはい。芽依は黙ってなさい?今は駄目よ」むぐぐっ…」
***
あとがき
優花「い、言ってやったわ」
凛「んなっ!?」
日和「へっ。やるじゃねぇか」
天音「やっぱり…神楽坂さんが一番の強敵だよね?」
水樹&風花「私達はっ!?どんな立ち位置なのっ!?」
愛「お嬢様…頑張りましたね…」
芽依「ひ、久しぶりに私が来たーっ!」
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