第43話パパと一緒に居るのは
主人公の事があって暫く経ったある日の事だ。俺は一人街をブラブラと彷徨っていた。彷徨っていたっていうのもおかしいけど考え事しながらだったのでそんな感じの言い回しだ。
(水前寺水樹がガラの悪い奴等に襲われたのは完全にゲームにはないイベントだったんだよなぁ…)
流石エロゲの世界っていうのか、凌辱の世界っていうのか…起こる事はそれに繋がっている気がするしな…。ガラの悪い連中が水前寺さん達を連れ去ろうとしたのもそういうのが目的だろうしな…。
「…ヒロイン全員救うなんて…無理かな?」
考え方が傲慢だと言われればそれまでだけど…やっぱり救いたいって思うしなぁ。それにヒロイン達どころか凛や風鳴さんはヒロインでもないのにそういう目に遭おうとしたわけだし…もしかして俺が関わるから?
いや…でも…たまたまだったけど遭遇出来たからそういう目に遭わなかったのもあるわけだし…嗚呼…くそっ…考えが纏まらないな。
「おっ!?お〜い、城咲くーんっ!」
「…初夏さん?」
そんな事を考えていると後ろから声を掛けられた。振り向いて声の主を確認すると、初夏日和の父親の
「久し振りだね」
「はい、そうですね。其の節はとんだ生意気を言ってしまい…」
「いやいや…アレのお陰で私達は救われたからね…。あっ…それより、社長と呼ばなくて大丈夫かい?」
「勿論大丈夫です」
「はっはっはっ…首になったら困るからね。口調もこれで大丈夫かい?」
「いやいや…しませんって…。口調も敬語はいりませんよ?」
「それなら良かった。ああ、それよりもどうかしたのかい?何か悩んでいるみたいだったけど?」
「ええ…っと…まあ…」
「話せば楽になる事もあるよ?まあ、話せない事もあるだろうけどね」
そう言ってくれた源氏さんに対して場所を近くの公園に移し、少しだけ掻い摘んで話をしてみた。源氏さんは悠介さんと同じで俺が視えてるという
「―なるほどね。視えるだけでも凄いと私は思うんだけど…」
「ええ…先日は…その…視えなかったので…」
「でも…助けられたんだろう?」
「それは…そうなんですけど…」
「あれ…パパ!?」
話せる事を話し終えて、二人で缶コーヒーを飲んでいるとそんな声が…パパって言ったよな!?と、いう事は…。
「日和?」
やっぱりか…。
「どうしたのこんな所で…んっ?同じクラスの城咲?」
大好きなお父さんの元に急いで駆け寄って来た日和。あんまり走ると目のやり場に困るので目を背けておく。
「…どうも」
とりあえず挨拶を交わすか…。
「あ…ああ。なんで城咲がアタシのパパと居るわけ?」
まぁ、当然聞かれるわな。何て答えようか思案していると…
「城咲君は私達夫婦の勤める会社の社長でもあり、日和を助けてくれて、私達親子の仲を取り持ってくれた男の子だよ」
「…へっ?」
「し、城咲がっ!?社長!?助けてくれた!?仲を取り持った!?何それっ!?聞いてないんだけどっ!?ちょっ!?それホントかよっ!?!?」
何で全部ぶっちゃけてるんですか!?そんな風に思っていると…俺の耳元で源氏さんがこう言ったんだ。
「君は一人で背負い過ぎてるんじゃないか?それこそ君が視た未来や突発的な事を阻止するなら…協力は不可欠だと私は思うよ?一人で出来る事なんて限られているしね」
「!?」
「それこそ…その相手と仲良くなって…信頼を得て…それに立ち向かえばいいと私は思う。本人が特に気をつけないと意味がないんじゃないかな?」
協力…。それを考えなかったわけじゃない。でも…初対面の人に視えたからと言っても信じてくれる人は稀だよな。頭がおかしいと思われるだけで…。まあ、悠介さんや源氏さんは信じてくれたけど…。優花も付き合いが長いので信じてくれるな…。気をつける様に言ったら分かったって言ってたし…。
でも…どうやってヒロイン達と仲良くなったらいいんだ?その辺は全くわからないんだが!?
「少しだけ憑き物が落ちたような顔になったね?とりあえず日和との事は私に任せてくれ!日和も色々知りたいだろうし、今から我が家に行こうじゃないか!」
「「へっ?」」
そんなわけで俺達3人は日和の家へと向かう事になった。
***
あとがき
優花「うぉーい!?付いて行ったら駄目よ!?」
凛「か、カムバッ〜ク!」
天音「んっ?」
芽依「…どうかしたの、天音さん?」
天音「助ける相手と…仲良くって…私もって事よね?エヘヘ」
優花「駄目駄目駄目駄目だからねっ!?」
凛「ライバルが一気に増える!?」
日和「くはぁ〜 アタシの出番が
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
愛「うるさいですよ、日和さん?」
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