第42話結末は

 ヒロインの一人でもある水前寺水樹とその友達でもある風鳴風花…。二人が絡まれてるところにたまたま遭遇する事が出来た。


(嘘…だろ?こんなイベントなかったのに…)


 それは俺にとって衝撃的だった。


(まずは助けないと…)


 ガラが悪いだけで強くはない5人をとりあえず倒し伏せていく。色々教えてくれた悠介さんにはホント感謝だな…。とりあえず二人とも無事に助ける事が出来たのでホッと一安心。後は警察に任せて姿を消す事に…。物陰から様子を見ていると…なにやら険悪な雰囲気になっていくのが分かった。


(やっぱり…そっちに行くのかよ…)


 知ってるか?エロゲの主人公って選択肢次第で正義にも悪にも変わる。要はエッチなシーンを早く見たければ悪い選択肢を選べばいいんだ。どっちを選んでも結果が同じ場合もあるけど…とにかく…エロゲにもよるけどだいたいはそんな感じだ。



 翌朝の通学時間に主人公達のそんな様子が気になった俺は主人公の元へと様子を見に行く事に…。


 すると、風鳴さんを殴ったところだった…。殴るのを食い止められなかった事を後悔する。こんなに早く主人公が暴力的になるとは思わなかった…。いや、言い訳だな…。主人公が去った後に風鳴さんを連れて病院へ…。何があっても女性を殴っては駄目だろ!?女性が犯罪者とかなら別として…。


「…とにかく、病院に行こう?傷が残ったら大変だから…」



 最初は二人とも何故ここに居るのかと驚いたみたいだった…。たまたま通り掛かった事にして泣きじゃくる風鳴さんの泣き顔が見えないようにそっと制服を掛け、抱き抱えると病院へと向かった。水前寺さんも一緒に…。







「ええ…今日は彼から目を離さないで下さい」



 診察を待つ間、愛さんに念の為に電話を掛けておく。今のところ主人公は平然として授業を受けているかたわら何かを書いているらしい…。



「えっと…いいですか?」


 水前寺さんに声を掛けられた。


「どうかした?」


「改めて昨日は助けてくれてありがとうございました」


「お礼はいいよ?やりたくてやった事だからさっ」


「そういうわけにはいかないですよ?」


「それを言うなら…彼が彼女を殴るのを止められなくて俺の方こそごめんね?」


「いえ、そんな事は…。風花をこうして病院にまで連れてきてくれて…付き添ってくれて本当に何から何までありがとうございます!」


「ええと…うん。了解。お礼は受け取ったからこれ以上はなしにしようか」


「何もお礼してないんですけどっ!?」


「いいからいいから」


「もう…分かりました…。えっ…と…今更ですけどお名前を伺っても?」


「…城咲」


「城咲君ですね。私は水前寺水樹です」


 よく知っていますとも…。ヒロインの一人だしね…。


「あっ、二人ともごめんね?終わったよ?」


 どうやら風鳴さんが戻ってきたみたいだ。


「あっ…ごめん。先にこう言わないとね?昨日も今日も本当にありがとうございます」


「水前寺さんにも言ったんだけど、気にしないでいいよ?やりたくてやっただけだし…お礼も受け取ったからさぁ。それよりも…大丈夫だった?」


「そんなわけにもいかないと思うんだけど…」


「だよねぇ!」


「と、とにかく傷は?」


「頬の中が切れてただけかな…心も…切れちゃったけどね…」


 風鳴さんはもしかして…主人公が好き…だったのか?そんな感じに聞こえた。こういう時になんて言葉を返せばいいのか俺には分からない…。


「あちゃあ〜 今言う事じゃなかったね…メンゴメンゴ」



 とりあえず治療を終えた後、二人を家へと送る。そして送ったタイミングで愛さんから連絡が…。


「その…長府君が手紙を入れた下駄箱の持ち主は?」


『調べはついてますよ?コレも貸しにしておきますね☆』


「返せそうにないんですけど!?」


『一生かかってもわたくしは大丈夫ですよ?』



 どうやら主人公が手紙を送ったのは3年生の先輩みたいだ。何事も起こらないのを祈っていたんだけど…



 結局…主人公は堕ちてしまった。その先輩の部屋で先輩を押し倒した所で俺と愛さんに止められる形となった。


 暴れに暴れて足を取られ…頭を強く打って病院へと運ばれる事に…。意識が戻ったんだけど…ずっと声を出して笑うだけ…。何ともいえない結末になってしまった。


 






***

あとがき



優花「ああ…なるほど…」


凛「途中からは…」


日和「アイツがしたかった幻?」


天音「そういう夢って事かな?」


愛「まあ、エロゲの主人公って結構鬼畜ですよ?」


芽依「だよねぇ〜 えっ…そんな事するの!?みたいな」


愛「まあ、ゲームだからいいんですけどね?」


優花「それはそうでしょっ?」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る