第28話感動凛③

“ピコン!ピコン!”


 メッセージアプリの着信音…。


 私は戸惑いながらも携帯へと手を伸ばし、恐る恐る画面に視線を向けた…。差し出し人は…ゲームセンター。


 どうしてっ!?


「っ…何でっ…」


 私がソレを開くと、そこには一言だけメッセージが記載され、添付ファイルが添えられていた…。メッセージは…


『明日も朝一番で来てね♪』


 と、書かれていた…。そして、添付ファイルを開くと…



『…ゎ…私の…履いてる…お、おパンツ…をっ…どうか……見て下さい…っ…』



 

「な…何…これっ…」



 私が…あのデータを消してもらう為に嫌々ながらも言われた通りにした事をあの男性は撮っていた…。動画はそれだけを観れば、私がいかにも自分からそう言ってるように観える…。男性は私が来ないとコレをばら撒くと言ってるいるのだろう…。



「私…私っ…なんて…馬鹿な事をしちゃったのっ?どうすれば…どうすれば良かったのっ!?分かんない…分かんないよ…」




 その日は眠れぬ夜を過ごした…。泣いて…悩んで…また泣いて…顔はそれはもう酷い事になってると思う…。豊ちゃんには見せられないね?豊ちゃんに言えたらどれだけ良いんだろう…。


 そして…どんなにが来ないでと望んでも…時は無情にも過ぎていって…その時を迎える事に…。



「―行かなきゃっ…」


 私は…またゲームセンターへと朝一番に向かった。男性は私の姿を視界に入れるなり、ニヤッっと笑いながら手招きをしている…。


 男性の元に行くとまた奥にある事務所へと通された…。



「やぁ…待ってたよ、凛ちゃん♪」


「もう…許して下さい…全部…全部…消して…私に関わらないで下さい…」 


「そんな事言うんだ?凛ちゃんは…。ねぇ、自分の立場は分かってる?なんならおパンツを見て下さいって懇願しているあの動画をあの彼氏に送りつけてやろうか?」


「っ!? それだけは…しないで…」


 あんなの見られたら…私っ…失望されちゃう…それに…豊ちゃんにはこんな事してるって…絶対に知られたくない…よ…。


「―でしょ?彼氏には見られたくないよね?」


「…はい」


「それにしても酷い顔だねぇ?まあ、僕的にはそこがまたソソるんだけどね?どうせ凛ちゃんの事だから悩んで泣いてたんじゃない?ふひひひひっ…」


「………」


「反応なしは一番つまらないんだよね?とりあえず彼氏に送っちゃおうか?私は寝盗られてますって…」


「や、止めてっ!」


「ふひっ…なるほどね。こういう風に言うとすぐに反応するんだね?そんなに大好きなんだ…彼氏の事…ちょっと妬けてきちゃうかも…ふひひひひっ…寝取りモノが流行る気持ちも分かるな…ふひっ…」


「早く…何をすればいいのか言って下さい…そして…今日で終わりに…」


「いやいや…当分は付き合ってもらうよ?」


「そんな…なんでっ…」


「まあ、今日はそんな顔してるし…う〜ん。そうだなぁ…とりあえずパンツ脱いで僕に渡してよ?」



 もう…私の心の中には半分以上絶望が漂っているんだと思う…。この男性は私を解放するつもりなんて…たぶん…ない…。とにかくここから離れたい一心で男性の言う通りにショーツを脱いで投げ渡した…。



「むほぅ〜 凛ちゃんの脱ぎたておパンツ。脱ぎたての生温かさが堪らないな。ふひっ…匂いはどれどれ!…くんくんくん…す〜は〜す〜は〜…ふひっ…ふひひひひっ…これは堪らん!!!」


 私はその光景を見たくなくて…顔を背けた…。



「…もう…いいですよね? 帰ります…」



「ありっ!ノーパンで帰るの?僕が使った後におパンツ返してあげるのにっ…ふひひひひっ…」


「……」


 私は無言のまま、ドアノブを回し…


「それじゃあ、?来ないと分かってるよねぇ〜〜〜」



 男性がそう声を掛けてきたのを聞かないふりをして勢いよくドアを閉め、急ぎその場から離れて家へと急いで帰った…。





「このままじゃあ…私…」



 アイツにもっと酷い目にあわされるのが目に見えている…。最終的には犯されて……。


 そんなの…死んでも嫌だなぁ…



「豊ちゃん…ごめんね? 私…もう…駄目かも…」




「あの人を殺して…ううん…それじゃあ…親に迷惑掛けちゃうもんね…お父さんもお母さんも私の自慢の家族…」




「やっぱり私が…消えるしか…ないよね?」






「でも…せめて…アイツにだけ…私の大切な場所を…見られたままなのは…死んでも死にきれないよね? 豊ちゃんに…せめて…最期に…豊ちゃんにっ…抱いてもらえたら…そしたら…私……それを胸に…笑って逝けるよね…」




 

 私は…豊ちゃんに連絡して…私の部屋へと来てもらう事にしたの…。豊ちゃんが来る迄の間に少しでも身綺麗にしようと思い初めて化粧も施した。目元の腫れを隠す為でもあるんだけど…


「こんな私でも…可愛いって…言ってくれるかな…? 最期位は…言ってほしいな…」









「ふひひひひっ…そろそろ…食べるか?さっきもどれだけ食べたかったか…ふひひひひっ…堪らん堪らんなぁ〜 ふひひひひっ…寝盗られたと知った時の男の顔を想像するだけで…ふひっ…ふひひひひっ…」







***

あとがき


優花「ええっ…と…」


日和「ああ、分かるぞ?複雑なんだろ?」


優花「そ、そんな事ないわ」


天音「ど、どう考えても…」 


日和「だ、だよな?」


芽依「最期に抱いてもらおうとしてますよね?」


優花「やっぱりそうだよね?」


芽依「うん。凛ちゃんの気持ち…私…分かる気がする」


優花「そんなの…私だって…」


愛「さて…どうなりますかね」



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