バクテリア・ハザード！！このゲームめちゃくちゃ大変そうだ、実はクソゲー！？ 8月27 カドカワBOOKSファンタジー長編コンテスト 応募受付期間終了時点までに本文が10万字

第2話 第一の殺人

　マラケシュの活気あふれる市場で、突如として殺人事件が発生した。地元の商人たちや観光客が賑わう中、静寂が訪れ、一瞬にして緊張感が広がった。事件の舞台は、人気のあるスークの一角。被害者は地元のアーティストで、彼の作品は観光客にも人気があった。

　警察が現場に駆けつけ、周囲の人々に事情聴取を始める。目撃者の証言や、現場に残された証拠が捜査の鍵となる。葛城は、事件の背後に潜む動機や人間関係に興味を抱き、独自に情報を集め始めた。彼は、マラケシュの風景と文化を背景に、真相に迫ろうとする。

　この事件が明らかになるにつれ、マラケシュの街の魅力と同時に、暗い一面が浮かび上がってくる。葛城は真実を追い求め、同時に自身の思いを整理する旅でもあった。

　被害者の名前はアリ・バハール、35歳の地元アーティストで、マラケシュ出身。彼は伝統的なモロッコのアートと現代アートを融合させた作品で知られ、特にカラフルなタイルや布を使ったインスタレーションが評価されていた。

　アリは地元のギャラリーで定期的に展示を行い、観光客やアート愛好家の注目を集めていた。また、コミュニティのためのアートワークショップも主催し、若いアーティストたちを育成することに情熱を注いでいた。

　彼の性格は明るく、人懐っこく、友人も多かったが、最近は新しいプロジェクトに悩んでいる様子も見受けられた。アリの周囲には、彼の成功を嫉妬する者や、個人的なトラブルを抱える者もいた。事件の背景には、アート界の競争や人間関係のもつれが隠れている可能性があった。

　葛城、明日香、藤堂の三人は、マラケシュの街を散策することに決めた。色とりどりのスークの屋台や歴史的な建物が立ち並ぶ中、彼らはそれぞれの思いを抱えながら歩き続けた。

　葛城はアートや文化に興味を持ち、アーティストのアリが展示していたギャラリーに足を運ぶ。彼の作品が展示されているのを見て、葛城はその深いメッセージに感銘を受ける。

　明日香は、鮮やかな布や陶器が並ぶスークでのショッピングを楽しみ、現地の人々との交流を通じてマラケシュの文化を感じ取っていた。彼女は地元のスパイスやハーブを買い求め、帰国後に料理に挑戦することを考えていた。

　藤堂は、街の歴史や伝説に興味を持ち、地元のガイドに話を聞きながら旧市街を探索。彼はマラケシュの迷路のような路地を歩きながら、町の生きた歴史に触れていった。

　彼らはこの美しい街での経験を通じて、お互いの理解を深めながら、新たな思い出を作っていった。夕暮れ時、広場に集まり、カフェでミントティーを飲みながら、その日の出来事を笑い合う。マラケシュの魔法に包まれた瞬間だった。

　葛城はマラケシュの喧騒を背に、宿泊先のテラスでゲームに没頭していた。彼の手元には『バクテリアハザード』のデバイスがあり、現実の街を舞台にしたミッションを進めていた。周囲の景色とは対照的に、ゲーム内ではウイルスやバイ菌との戦闘が繰り広げられている。

　葛城は、ゲームの中で得られる情報や戦略を駆使し、仲間と協力しながら敵を撃退。特に、コロナウイルスのような強敵が現れた時には、冷静に状況を分析し、対策を立てることが求められた。

　彼はゲームの中での成功体験が、現実の自信につながることを実感していた。ゲームに没頭することで、日常から解放され、異なる世界を体験している感覚を楽しんでいた。友人たちとの協力プレイも刺激的で、リアルな人間関係とはまた違った楽しさがあった。

　葛城は、次なるレベルに進むために集中し続けた。マラケシュの美しい夜景を背景に、ゲームの中での冒険は彼にとって特別な意味を持っていた。

　モロッコのマラケシュで、風邪が流行り始めた。街の人々は風邪の症状を訴える者が増え、特に市場や観光地では咳や鼻水を持つ人が目立つようになった。地元の医療機関は、流行の兆しを受けて早急に対策を講じ、予防策を広める活動を始めた。

　葛城、明日香、藤堂もこの状況に関心を持ち、風邪の影響を受けないよう気を付けることにした。特に、明日香は健康に気を使い、免疫力を高めるために地元のハーブティーを試すことに。葛城は、ゲーム内でも風邪レベルの敵が登場する中、現実との関連を感じながらプレイを続けた。

　風邪の流行が広がる中、街の雰囲気は少し不安定なものとなったが、人々は手洗いやマスク着用などの基本的な予防策を徹底することで、この危機を乗り越えようとしていた。

　風邪レベルに登場するモンスターは、以下のような特徴を持つ敵たちだ。

1. **くしゃみの精霊** - 大きな目とフワフワの体を持つ小さなモンスターで、くしゃみの音で周囲の敵を混乱させる。主に接近戦を得意とし、近づくと急にくしゃみをする。

2. **咳の魔物** - 鋭い爪を持つ中型のモンスターで、遠距離から咳の攻撃を仕掛けてくる。咳の風圧でプレイヤーの動きを一時的に遅くする効果がある。

3. **鼻水の妖精** - 透明な体を持ち、見えづらいが、鼻水の泡を飛ばして攻撃してくる。泡に当たると視界がぼやける状態になる。

4. **疲労の影** - 影のような形をしたモンスターで、プレイヤーのエネルギーを吸い取る攻撃を行う。長時間戦うと、スタミナが減少する。

　これらのモンスターは、風邪の症状を象徴する存在で、戦うことでプレイヤーは対策や回復アイテムを学ぶことができる。