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鷹山トシキ

第1話 マラケシュ到着

 犠牲者2人犯人殺されて死ぬ


 2024年3月、葛城と明日香、藤堂は、色とりどりの市場が広がるモロッコあるマラケシュに到着した。街の活気に満ちた雰囲気に包まれ、彼らは思わず笑顔を交わした。

 モロッコの国土は、アフリカ大陸の北西端に位置する。海岸のうち約3/4は北大西洋に面し、残りは地中海に沿っている。東西1300 km、南北1000 kmに伸びる国土の形状は、約45度傾いた歪んだ長方形に見える。モロッコの南西に分布するカナリア諸島はスペイン領であり、本土以外に国土を持たない。国土の北部、地中海沿岸のセウタとメリリャは、スペイン本国の飛地である。南西側で陸続きの西サハラを実効支配しているものの、国際社会で占領行為の正当性が広く認められているわけではない。なお、西サハラはかつてスペインの植民地(スペイン領サハラ)だった。


 モロッコには大きな山脈が4つある。リーフ地方(エル・リーフ)の山脈は他の3つの山脈とは独立し、地中海沿いのセウタやメリリャを北に眺め下ろしている。最高地点は約2400 mである。南方の3つの山脈はアトラス山脈に属する。アトラス山脈自体はチュニジア北部からアルジェリア北部を通過し、ほぼモロッコの南西端まで2000 km以上にわたって延びる。アトラス山脈は複数の山脈が平行に走る褶曲山脈である。モロッコ国内では北から順に、中アトラス山脈(モワヤンアトラス山脈)、大アトラス山脈(オートアトラス山脈)、前アトラス山脈(アンティアトラス山脈)と呼ばれる。アンティアトラス山脈の南斜面が終わる付近に国境がある。アトラス山脈の平均標高は3000 mを超え、国土のほぼ中央にそびえる標高4165 mのツブカル山(トゥブカル山)が国内最高地点であり、北アフリカの最高峰でもある。カサブランカなどのモロッコの主要都市は大西洋岸の海岸線、もしくはリーフ山地の西、中アトラス山脈の北斜面から海岸線に向かって広がるモロッコ大平原地帯に点在する。


 ジブラルタル海峡を挟んでスペインと向き合う。スペイン=モロッコ間は、ユーラシアプレートとアフリカプレートの境界に当たる。アフリカプレートが年間0.6 cmの速度で北進したため、アトラス山脈が生成したと考えられている。アトラス山脈の南には山脈の全長にわたって巨大な断層が続く。このため地球上では比較的、地震の発生が多い地域である。記録的な大地震は隣国アルジェリアに多いものの、リスボン大地震と同時期の1755年11月19日に発生した地震や1757年4月15日の地震では、いずれも死者が3000人に達した。1960年2月29日の地震は被害が大きく、死者は1万5000人だった。


 主要河川は、地中海に流れ込むムルーヤ川、大西洋に流れ込むスース川、テンシフィット川など10本程度ある。ジス川とレリス川は、サハラ沙漠に向かって流れ降る。ドラア川もサハラ砂漠に向かって流れるが、この川は雨量が非常に多い場合にはサハラを横断して大西洋に注ぐ場合がある。エジプト、スーダンを縦断するナイル川を除くと、モロッコは北アフリカでは最も水系が発達している。さらに、山脈による充分な高低差も存在する。これらの理由で、降水量が比較的少ないのにも拘らず、総発電量の約6パーセントを水力発電でまかなってきた。


「この街は本当に魅力的だね」と明日香が言うと、葛城は頷いた。「色彩や香り、すべてが新鮮だ」


 彼らはまず、スーク(市場)を散策することにした。エキゾチックなスパイスや手工芸品が並ぶ中、明日香はひとつひとつの品物に目を奪われていた。葛城は彼女の様子を見ながら、心の中で新たな発見を楽しんでいた。


 途中、彼らは広場に足を運び、地元のパフォーマンスやアートに魅了された。音楽やダンスが響き渡る中、葛城は明日香に、「この瞬間を大切にしたい」と伝えた。


 夕暮れ時、彼らはジャマ・エル・フナ広場で夕食を楽しむことにした。地元の料理を味わいながら、旅の思い出を語り合う。その時間は、日常を忘れさせる特別なものとなった。マラケシュの美しい夕焼けが、3人の心に新たな感動を与えていた。


 モロッコは日本から🛬で20時間。車が入れないエリアも多いので基本的に徒歩で移動する。


 葛城と行動を共にしていた藤堂は語り手だ。敬語を使うようにと最近、葛城から叱られた。

 モロッコのハマムは、伝統的な公共浴場で、リラックスと社交の場でもあります。内部は温かい蒸気に包まれ、香ばしいスパイスの香りが漂います。浴場に入ると、穏やかな音楽が流れ、周囲の人々が会話を楽しんでいます。


 壺に詰めた羊肉、スパイス、塩漬けのレモンは、ハマムの近くの市場で手に入れた新鮮な食材。ハマムの後には、これらを使って伝統的なタジン料理を作るのが楽しみです。長時間の移動の疲れを癒し、心地よい汗を流しながら、友人たちと共にモロッコの文化を満喫します。


 藤堂は最近、『バクテリアハザード』という位置ゲームで遊んでいた。医療機関とゲーム会社が共同で開発した。風邪レベルなら弱い敵、コロナなどを感知すると強い敵が現れる。


 藤堂は『バクテリアハザード』の世界に没頭していた。ゲーム内では、さまざまなウイルスや細菌が出現し、それに応じて敵の強さが変わる。風邪レベルの敵は、初歩的な攻撃しかしてこないが、コロナウイルスのような強力な敵が出現すると、戦略を練る必要があった。


 藤堂は、友人たちとチームを組み、リアルタイムで発生するバイ菌やウイルスを追跡。情報を共有しながら、次々と襲いかかる敵を撃退していく。特に、コロナレベルの敵は予測不可能な動きをするため、協力が不可欠だった。


 ゲームの中で得られる知識は、現実の健康管理にも役立つことに気づいた藤堂は、楽しみながら健康について学んでいる。友人たちとのコミュニケーションも深まり、ゲームを通じて新たなつながりが生まれていた。


 葛城は明日香に対する思いが強く、時折その情熱が行き過ぎてしまうことがあった。彼は彼女の好きなカフェで毎日待ち伏せをしたり、彼女のSNSをチェックして、好みの映画や音楽を先取りすることも。友人たちからは心配されることもあったが、葛城はその行動が彼女との距離を縮めると信じて疑わなかった。


 ある日、彼は明日香の誕生日に特別なサプライズを計画することにした。彼女がずっと行きたがっていた美術展のチケットを手に入れ、さらに彼女の好きな花を手配。すべてが完璧に整ったその日、明日香の反応を楽しみにしていた。しかし、時に彼の熱意が彼女にとって重荷になることもあると、自覚し始めていた葛城だった。彼は愛情を伝える方法を考え直し、明日香との関係を大切に育てることを誓った。


 

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