第30話 転校生(2)

「なぁ桃花。」

「なによ??」

「俺、転校生に『殺してやる。』って言われたんだけど。」

「怖〜。」

「それとな、マスコン第2位なんだって。世界の。」

「あー、あの人かしら??」

「桃花も殺すってさ。」

「へぇー、そーなんだー。頑張って欲しいね。」

「いや、めっちゃ他人事じゃん。」

「実際他人事だし??」

「え〜???」




まぁ、いいけどね。気にしないし。





ってことで翌日。


「あのー、きょうかしょかしてくれませんか?」

「…………あーね、教科書ね。はいはい。いいよー。はいどうぞ。」

「え、でもあなたは────」

「これは大丈夫。くっつけるっていう手が最後にあるから。」




【セシリア視点】


「これは大丈夫。くっつけるっていう手が最後にあるから。」




……………もう1回人生やり直したら???馬鹿でしょ。こいつ。『くっつける』???何を??



「あ、席くっつけてもいい??」

………むぅ、仕方ないか。本を借りちゃったしな。



「まぁ、いいよ??」

「お、ありがとな。」


くっ、なんだこの笑顔。守りたい。……………ハッ!?私は何を考えていた??これは敵。エネミーだから。絶対マスコンでボコしてやる。そのためには家に上がらせてもらわないと。


「ねぇ、私の目的、知ってるよね??」


「あ〜、言ってたね。」

「というわけで、家あげて。」





「んー、んー、んんんんん〜?????俺が??お前を??家に、上げる??」

「『ええ。』」

「馬鹿だろ。お前。」

「『は??ぶち殺すぞ??』」

「おー、怖。でも考えてみな??」

「『…………何を??』」

「男の家に女の人を上げるってさ………………」



……………ま、まさか???


「『へんたい!!えっち!!しね!!死んじゃえ!!…………え、えーとえーと、この男に死の拷問をっ!!』」

「おい!!最後はちょっとおかしかったぞ!?そもそも変態じゃないんだが!?全部おかしいぞ!?」

「『…………なんで意味通じてんの??』」

「ん〜、桃花にリスニングめっちゃ鍛えられた。」


「『なぜ??』」

「確か─────────」




隼人side



「あ、そうそう。えーと、転校してきた『セシリア』ちゃんだっけ??」

「お、おう。そうだな。」

「んー、隣なんだっけ??」

「ああ。」

「じゃぁリスニングね。」

「は??」

「今日から英語でしか会話しないから。頑張って。」


「はぁああああああああああ!?!?!?!?!?」




「ってな感じでリスニングだけはめっちゃ出来るようになった。」

「『付け焼きじゃない??』」

「気のせいだ。ってか、お前『付け焼きの刃』とか知ってんのか。スラングの知ってる感じが凄いな。」

「『ふふん、そうでしょう。私はなんてったって、最強ですから。』」


「あ、異議あり。最強は桃花だな。」




「『は??やるんですか??殺すよ??物理的に、社会的に。』」

「おい、物理はいいけど、社会には勝てんて。降参だ。」

「『………………なっさけな〜い♪みっともな〜い♪ざーこざーこ。』」


んー、メスガキブーム。こいつ、分かっててやってるな。だが───────

「お前の年齢にそぐわないな。16歳。」

「『うるさいわね。早漏は黙ってなさいよ。』」

「は??香澄よりぺったんこ、…………いや、まな板な奴に言われたかぁねぇんですけどぉ!?」

「『なんですって〜!?』」


事実だろ。お前、でっかく見えてるけど、ちょっと違和感あるぞ。童貞さんは知らないだろうけど。



「はっ、貧乳だって言ったんだよ。このパッド野郎!!」

「わたしはきょにゅうです!!」

「え、お前の『きょにゅう』ってアレだろ??って書いて虚乳きょにゅうだろ??」

「『はぁあああああああ!?!?ぶち殺すぞ!!この童貞!!』」

「ん??待てよ。…………お前、ビッチだったのか。」

「………がうもん。」


「え??なに??私はびっちです??あらぁ〜、認めちゃったね。どんまい。びっちちゃ─────」

「『ちがうもん!!私、処女だもん!!体験したことないもん!!お父さんのは大きいからあなた達のは小さい。それは分かるもん!!』」

「へぇー、どーでもいいや。くだらない。授業始まるってー。」

「『いつか、見せてもらおう。』」



はい、セクハラー。ってか、セクハラって女→男にも適用されんのかな??分からないけど。ってか、何を見るつもりだったんだよ。………でも、気にしないようにしよう。怖いから。









放課後



「『ねぇ。』」

「なんだよ。」

「『ありがと。教科書。』」

「あ〜、気にしないでいいよ。教科書見れないのは辛いからな。」

「まぁ、そうなんだけどね。一応、実は私、日本語出来るよ。」

「まぁ、そんな感じはしてた。んで、なぜにその話を??」

「責任、とってよね。」

「え、やなんだけど。」

「即答………そんなにダメなのかぁ。やっぱりこれかなぁ。この小さいお胸。なかなか大きくならないしなぁ。ねぇ、大きくなる方法知らない??」

「しらんがな。俺に言うな。」

「むぅ、とりあえず確認かなぁ。家あげて。」

「確認させろ。」

「いいよー。」




なんなんだろ??とりあえず連絡。



「………ってことなんだけどダメか??」

『んー、いいわ。私は。楓も良さそうだし、いいんじゃない??』

「おっけー。」




「セシリア、おっけーだって。」

「『わかったわ。』」

「んじゃ、いくかぁ。………ちょっと気が乗らないけど。」





家到着。



「『へぇ~。そうなんだ~。』」




これがセシリアが俺の家を見ての第一声だった………。しかもなんか俺を睨んできたし。




「『よろしく。名前教えてくれる??』」

「あ~、そいつはな、英語がだめだぞ。」

「『え??そうなの??』」

「隼人の言う通り。私、英語がだめ。テストでびっくり仰天。2点だった。」

「『逆にどこがあってたのかしら??』」

「なんて??隼人。」

「んーと、どこあってたの??だって。俺も気になる。」

「確か…………あった。写真で撮ってたから。ほめてほめて。」

うそだろこいつ。中学生の問題じゃねぇか。特注!?オーダーメイドで2点!?やばすぎじゃねぇか!?


「な、なぁセシリア、これどう思うよ??」

「『うそ、でしょ。こんな低いの!?日本のテストって!?』」

「まてまて、そのテストはオーダーメイドだ。」

「『おーだーめいど????あぁ、特注品か。なるほどね。……………ひどくない??』」

「いや、こいつは頭がいいはずなんだ。本当に。ただ、まじで英語が足引っ張ってるっていうか………。中学校の時もこいつはまじで苦労したわ。1年かけて1単語だぞ。まじでどーなってんだ。」

「『…………1年!?そんなにかけて1単語??』」

「あぁ、たまたまそれが出たらしいな。」

「う、ごめんなさい。」

「はいはい、説教は後でな。…………まじで覚えてろよ?」

「う、ごめんなさい。」

「おまえさぁ、…………まぁいいや。家上がって。」

「『お邪魔するわ。』」


「あら、いらっしゃい。」

「『だれ??』」

「あー、この人は…………」




「ふぅーん、」

「な、なんだよ??」

なんか、セシリアの目が冷たくなっているような……。

「なんでもないわ。えぇ、なんでもないはずだもの。」


なんなの??怖いわー。





更新遅れました。すみません。できたら、週1で更新の予定です。


毎度毎度の宣伝。


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あと、他作品もよろしくお願いします。







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