九十九異能者物語 “泉黎”
白木飛鳥
第1話「最初のしずく」
「おい、大和!これでラストの攻撃だ!」
「あぁ!リリス!みんな最大火力で頼むぞ!!」
『おう!!!!』
この日、世界が変わった。“死神”が世界を変えた。
この話はそれまでの物語を記したものである。
20XX年4月8日25時15分。横浜市内コンビニエンスストア。
「お箸はおつけしますか?」
「あ、大丈夫です。いりません。」
俺の名前は、遠藤大和(えんどうやまと)。20歳。
世間から離れたいわゆるシャフだとかニートだとかだ。
どうやって生きてるとかというと…。あまり言いたくない。
そして、いつものバイト帰りにいつものコンビニで飯を買い、
いつものコンビニの前でタバコを吸っていた。
「にゃ~~」
「ん?」
そう言って下を向くと、一匹の黒猫が座り込んでいた。
「やめておけ~。俺の近くにいると不幸が来るぞ。黒猫でも」
そんな冗談を言っていた…。
そして、その猫にキャットツナ缶をあげてから帰った。
20XX年4月9日26時15分。横浜市内コンビニエンスストア。
「お箸はおつけしますか?」
「あ、大丈夫です。」
今日は、バイトが遅くなってしまった。
理由は、バイト中に強盗が入り、その対処をしてる最中に地震が起き、
窓ガラスが割れ、酔っ払いにあたり、大クレームという最悪に見舞われたのだ。
「はぁ~。今日も災難だったな…」
「にゃ~~~」
「またお前か。」
昨日の黒猫だ。餌付けが成功したのか、なつかれたのかわからないがまた来た。
「いいなぁ。お前は暇人で。・・・。いや、暇猫だ。」
「誰が暇猫だ。」
「すまんすまん」
・・・
「え?!!!!しゃべった!!!???」
「ばか!声がでかいわ!!!」
「すまんすまん・・・じゃなくて、なんで猫が話してるんだ?とうとうと俺はあの世に?」
「あはは、おぬしは馬鹿か。この世にはいろいろとあるんだ。」
・・・
「まぁ、確かに・・・」
「意外に理解はあるのだな…」
「うん、まぁ、それなりに…」
「なら話が早い。お前さんにお願いがあって今日はここに来た。」
「俺に用事???」
「だが、いったん、飯を・・・くれ・・・」
バタン!(黒猫が倒れる音)
コンビニでキャットツナ缶を買い、黒猫をアパートまで連れて帰った。
黒猫はすぐに目を覚まし、すごい勢いでキャットツナ缶を食べきった。
「いやぁ、すまなかった・・・」
「いや、俺を待っててくれたなら悪かったよ。・・・」
「さてと、話をしますか。」
「私の名前は、リリスというんだ。妖魔だ。」
「妖魔??妖怪的な感じ???」
「まぁ、そんなところだ。」
「そんな妖魔が、俺になんか用があるのか?」
「そうなんだが、お前さんは何か悩みはないか??」
「悩み???」
「あぁ、そうだな、、、例えば身寄りがないとか…」
「すごいなお前。マジシャン???メンタリスト???」
「へへへ、すごいだろう。ではなく!ないのか?」
「まぁ、実はな…」
そういいながら、普段は言わないようなことをぺらぺらとリリスに話した。
「うぬん・・・」
「どした???」
そういいながら、リリスは息を詰まらして、数十秒後に話し始めた。
「おそらく、、、『魔磁気』だな。」
「マジキ?」
「あぁ、そう呼ばれる魔のものを引き寄せる磁力のようなものだな。」
「なる・・・ほど・・・」
「それがお前さんにあるため、お前さんに近いもの、よくかかわるものにはその『魔磁気』の影響が出てしまう。」
「だからなのか・・・」
「あぁ、おそらくだが、おぬしには人とは思えぬ『魔磁気』の量である。」
「えぇ、そんなに???」
「あぁ、でもなぜだ?」
リリスは頭の中で考えて三つの説を唱えた。
1つ目は、両親のどちらかが魔物。もしくはそこに近いもの。
2つ目は、魔物や妖怪と過去にかかわりがあった。
3つ目は、魔物の力を手に入れ、発現させた異能力者。
そういう話ではあったがどれも当てはまらないと思うとリリスには伝えた。
「まぁ、たしかに。うん~~~~」
「それで、その『魔磁気』の消し方とかはあるのか?」
「ないことはないがお勧めはしないな」
「どんなやり方なんだ??教えてくれ、試せるなら試したい。」
「いや、やめておいたほうがいい・・・」
「どうして???」
「対処法は『死』だ。死ぬことによって効果は消える。」
「え???それ以外は何もないのか?」
「いまのところ・・・」
除霊だとかは全く意味がないらしい。むしろ、霊なども引き寄せるという話だった。
「ってことは、これからもその『魔磁気』というものと付き合わないといけないのか」
「うん、そういうことになるな…」
「・・・まぁ、いいか。さてと、そしたら、リリス。帰ったほうがいい。」
「え?急に?」
「そりゃそうだ、俺といたらおまえにも死の危機がくるぞ?」
「あぁ、それなら大丈夫だ、安心しろ。」
「ん?」
「まぁ、簡単に言えば『妖魔に魔磁気の影響は出ない』ってことだな。」
「へぇ~。そうなんだ。」
「あとは、私はお前さんの力になりたい」
「俺の力になりたい??」
「あぁ、しっかりと守ろう。お前さんのことをな」
「すごい頼もしいが、いいのか。」
「あぁ、いいんだ。しっかりと私は力になれると思うぞ。」
「・・・。わかった、よろしく頼むよ。リリス。」
「あぁ。そしたら、悪いが私と契約をしてくれるか?」
「あぁ、どうやるんだ?」
「おぬしの体液をなめさせてほしい。。。」
少し抵抗はあったが血液をたらしそれをリリスは舐めて悶えながらリリスは倒れた。
リリスいわく、次の日には目を覚まし俺の力を得たことによる影響が出るとのことである。気絶したリリスを横に置き、自分も眠りについた。
20XX年4月10日8時00分。自宅。
日の光を浴びたことにより俺は目を覚ました。そして、驚いた。
俺の隣になぜか、女性が寝ていた。しかも、なかなかなダイナマイト。
「あのぉ、、、すいません、部屋を間違えてないですか???」
「んんんん~~~~~」
その女性は目を覚まし、自分と目が合った。
「あぁ~ご主人・・・。おぁよ。」
「おはようございます。・・・って、ご主人???」
「あぁ、私の主人だろう???」
「誰が誰の?主人?」
「あなたが私のだ?」
「いつから?」
「昨日の夜から?覚えてないのか?」
「え???」
そんなこんなで始まった遠藤大和の物語である。
そしてこの遠藤大和がこの世界を変えるまでにはまだまだ時間がかかる。
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