第8話「初務」
20XX年4月12日13時23分。異能者係近くの喫茶店。
「土御門さんは参加しなくてもよかったのですか?」
「うん、いいのよ。私はあくまで受付だし。たぶん今頃あの人たちは重大な会議をしてるだろうし素人がいてもね。」
「そうですか・・・。桂川さんもごめんね。見張りみたいになっちゃって。」
「大丈夫です。むしろああいう空気苦手なんです。それに、西野さんとも話してみたかったので。」
桂川さんからざっくりとした話を聞いた。姉妹で山梨の豪族のもとで住み込みで働いている人がいて、妹さんが屋敷掃除中に主人の家宝を割ってしまったらしく、姉がかばい続けていた姿を見て、不思議な力が発動したという。
20XX年4月12日13時20分。異能者係。
「それで、山梨にいる【幻獣異能者】ってなんなんだ??」
「紅き翼で南を守護する四神【朱雀】よ。私はしっかりとこの目で見たわ。」
「ほう、何があったんだ??」
「私と山梨県支部のメンバーは前からだいぶ噂のあった山梨の豪族:山中家に潜入調査をしていたの。山中家には姉妹が務めていたのだけれど、ある程度時間がたった時にそこの妹さんが主人の家宝を割ってしまったのよ。それの償いとして姉は毎日主人にこき使われててね。それを見た妹ちゃんが能力発現してしまったのよ。」
「なるほど・・・。その姉妹は今は??」
「いま私の権限で休暇を取らせているわ。その間は支部の男性陣がやってる。」
「・・・。権限って・・・。」
「あぁ、私今メイド長。」
「お前すげぇな。桂川さんは??」
「都留ちゃんは料理長。」
「・・・。」
「話は戻るが、白虎を見て【幻獣異能者】と気が付いたのは???」
「それはね。妹ちゃんにとっても【気】が似ていたことね。」
「それだけで判断できたのはさすがだな。」
「これからどう動くか決めたいんだよね。」
「確かにな・・・。」
「第1班+西野は、山梨県支部の応援に行きなさい。」
「でも、部長。ここには誰も残らなくてもいいのですか??」
「第4班が明日には戻るそうだ。だから、これから、山梨県に行き早急に幻獣異能者:朱雀およびその姉の救出に向かいなさい。」
『はい!!』
20XX年4月12日14時00分。喫茶店。
「あ、氷川さんからだ。」
「浅間さんからも来た。」
そこには、今から山梨に行くので戻ってきてほしいとのことだった。
僕と桂川さんは急いで事務所に戻った。
20XX年4月12日14時31分。氷川さんの家。
「白虎君。忘れ物ないようにね。まぁ、3日分くらいあればいいよ。」
「わかりました。」
「準備終わりました。そしたら、先に車のっておいて。」
「はい、わかりました。」
準備が終わってすぐに横浜駅に向かいみんなで山梨県に向かった。
「それにしても、僕もついてきてしまってよかったんですか?」
「うん、まぁ、その方がいいし。」
「そうね、まあ、私も西野君と話したかったし、それに都留ちゃんも同世代がいたほうがいいかなって思ったから。」
「それなら、、、」
とても緊張しながら山梨県に向かった。
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